前回の「笑顔 女性編」に引き続き、
今回は、男性編です。


はたして、女性アイドルと同じように
男性アイドルも笑顔が売れるのか?


そう、男性アイドルの場合は、パターンが分かれるようです。


同じアイドルでも
田原俊彦さん、近藤真彦さんは、笑顔派。

同じ事務所だった川崎麻世さんは、まじ顔派。


当時の男性アイドルは、ほとんどがこの「まじ顔」だったそうですが。


男性アイドルも女性アイドルと同じで
手を使ったポーズが基本だったようです。


基本は、げんこつで親指をちょっと上げての
こんなポーズ。
西城秀樹さんがお得意だったようです。














また、両手をこんな感じにしてのポーズ。
これは、郷ひろみさんの得意ポーズ。














ファンの方は、好きなアイドルの顔だけを見たいわけではなく、
まさに、色々な所を見たがったようで、
例えば、手のツメや、指に生えている毛もその対象だったようです。
マルベルのカメラマンさんいわく
「ファンの方の欲望は、尽きることがなかったなあ~」と。


なので、手を使った撮影の際には、
ツメが見えるように、指が見えるようにと
非常に気を配ったようです。


今のようにデジカメがあったわけではない時代。
プロマイドの撮影は、
時間も限られた撮影だっただけに、
1枚1枚が真剣勝負。


その1枚1枚が商品になるわけですから。

その分、アイドルの方々も真剣です。
ポーズを決め、笑顔を作る。
1枚1枚に100%の笑顔を出し切ってもらったわけです。


撮影が終了し、お帰りになる際には、
みなさん、「ぐったり」。


カメラマンさん曰く
「当時のアイドルの方々は、みなさん表情を作るのがうまかっった」
「そして、本当によく笑ってくれた」と。
「プロ魂」を感じますね。

マルベル堂で28年間もカメラマンを務めていらした
中村さんに直接話を伺いました。


題して
「笑顔の上手な撮り方とは?」


まず、人は「笑って下さい」と言って
すんなり良い笑顔を作れる方はそうそういないそうで、
当時のアイドルの方々もそれは同じ。


どうしたかというと、
手を使って様々なポーズを取ってもらい、
その際にすかさず、
「はい、笑って!」と合いの手を入れるのだそうです。


証明写真のように棒立ちだと、人は緊張するもの。
普段しないようなポーズをさせることで、
徐々に体も心もほぐれてきて、
自然と良い笑顔が作れるということなんですね。


一番色々な笑顔が作れたのが、山口百恵さん。
大きく笑う
小さく笑う
ほほえむ(ちょっとだけ歯を出す)
含み笑い(歯を出さない)
etc…
※この「含み笑い」が女性アイドルで一番評判だったようです。


百恵さんは、
この微妙な違いを感よく表現されたそうです。


ちなみに、
両手を組んで、このようにポーズするのが
女性アイドルの定番ポーズだそうです。



hitomi junko


さて、
百恵さんが「演じる笑顔」だとすれば、
演じることが出来なかったけど、
逆にその自然さが良かったのが松田聖子 さん。


そして、笑う際に、声を出して笑ったのが、
榊原郁恵さん。


超はずかしがりで、緊張しまくって、笑えなかったのが、
宮崎美子さん。


後藤久美子 さんは、どう撮っても、
正面しか向かない証明写真派。
でも笑顔のバリエーションは多く、
表情ゆたかな方だったとか。



最後に、良い笑顔の撮られ方を伝授しましょう。


まずは、上記にも書きましたように、
手を使うこと。
かわいらしさが強調できます!


そして、レンズを直接見ないで、
2cmほどずらして、レンズの横を見る。
だそうです。


やってみてください。


次回は、笑顔、男性編です。

新御三家と言えば、野口五郎さん、西城秀樹さん、郷ひろみさんですね。


プロマイドの撮影では、それぞれ面白いエピソードがあります。


まずは、野口五郎 さん。
とにかく、写真が苦手なようでして、
笑顔を作るのがとてもむずかしい様子。
今、昭和スター倶楽部では、115版通販しています。
これらを見ても、
無理やり的な笑いが多いんですが、
それでもさすがマルベル堂のカメラマンさん!
自然な感じが出ているものもあります。
貴重ですね!


野口さんと対称的んだったのが、西城秀樹 さん。
カメラは撮るのも撮られるのも大好きだったようです。
撮影時には、よく自前のカメラを持ってきてたとか。
西城さんは、アイディアマンで、撮り方も自分から指定することが
しばしばあって、その中でも目をつぶってのポーズ は、
予想以上の売れ行きであったと。


そして、郷ひろみ さん。

撮影時にちょっとでも待ち時間があると、
本を読む方で、それも眺め読みではなく、
しっかり本の世界に入り込んで読んでいたとのこと。
時間を無駄にしない方なんです。
漫画とかではありませんよ。
本当に勉強家なんですね。


まさに、三人三様。
ですね。