ドローン少年にドローンがなくても!? | 神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

2006年,2007年度,実際に開講された講義のブログです.今年も講義はありませんが,引き続き「仮想的」に書かせて頂きます.非常勤講師や講演の依頼は、メールにて直接、連絡をお願いします。

少年口座に60万円近く入金=支援者か、ドローン予告事件-警視庁
東京・浅草の三社祭で小型無人機「ドローン」を飛行させることを示唆する動画をインターネット上に配信したとして、威力業務妨害容疑で横浜市の少年(15)が逮捕された事件で、少年の口座に昨年以降、計約58万円の入金があったことが29日、警視庁への取材で分かった。同庁によると、少年が支援を募り、ネット上に公開していた銀行口座に、昨年10月以降、複数の入金が確認された。1回の振込金額は数十~数万円だった。 ..........≪続きを読む≫
このドローン少年の問題は逮捕後に、その活動資金に関する話題に焦点が当っているようです。「囲い」という言葉も使われるようになって、未成年者に対して、面白おかしく過度な資金供与を行い、幼い自己中心的な顕示欲や優越感を利用して、ある意味で、そそのかす行為を問題視しています。また、少年への動画視聴者数によるポイントの換金問題も同等です。しかし、それだけが本質ではなく、「つまようじ」少年のように、幼い自己顕示欲から度を超えた異常行為と、それが誰でも可能な現状が問題なのです。仮にこのドローン少年がドローンという手段にたどり着かなかったとしても、他の手段で異常行動を起こし、警察等を巻き込んだ社会問題となったことでしょう。このような行為には、自己顕示欲の快感以上の負の快感である、社会的制裁が待っていることを学習させなければなりません。