前回、前々回に引き続き
今回もこの20周年記念アルバムから。
いい加減しつこいので最後にしますね。汗
この20周年記念アルバムはデラックスというだけあって3枚組となっており、1枚目は当時のマスタリングを手掛けたマスタリングエンジニア「テッドジェンセン」による1stアルバム最新リマスター。
第三者の手が入っていないのがミソですね、当時の意図を理解してる人がそれを尊重し続けてくれている限りブレない。
2枚目は未発表のデモ音源に加え、デビュー当初のプロモーション用に作られた非売品EP「First Sessions」と、その際にボツとなったお蔵入り集。
まだ他人の手がそれほど入っていないであろう素に近いノラジョーンズ、まさかブルーノートとの契約のキッカケになったデモが聴けるなんてね。
3枚目は、契約後デビューアルバムとなる1stアルバムの為にクレイグストリートのプロデュースでレコーディングした音源集。
NYのAllaire Studiosで録音した音源なので「The Allaire Sessions」と呼ばれる。
最終的に3曲しか採用されず他はボツとなったお蔵入り集なんだが、完成した1stアルバムと聴き比べることで当時のレコード会社とプロデューサーの意図するところであったり諸々が垣間見れる。
プロデューサーも変わっているので尚更。
既に流出していた分もあるんだが、20年を経てこれらが正式にリリースされていることが凄いよね。
人伝てだったり何かしらの紙面だったり、噂レベルで聞きつけては本当に存在するか否かも定かではない音源を探して西へ東へ旅していた頃を思うと、良い時代になったもんだとつくづく感じる。
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さて、今日はそんな中からこの曲を。
これまで彼女の曲はジェシーハリス作の曲ばかりをネタにしていたが、今回はノラ嬢作である。
Norah Jones | What Am I to You? (2004) *Original Version
Wurlitzerがフューチャーされ、古き良きアメリカというか近年のグラミーでは「American Roots Music」というカテゴリーで扱われそうな泥臭いアレンジとなっている。
60-70年代初期、The Bandとか、デレクアンドザドミノスやブラインドフェイスの頃のクラプトンとか、グラムパーソンズとか、レオンラッセルとか、オールマンBro.とか、デラニー&ボニーとか、、、そんな時代を意識したイメージ。
現に、ノラ嬢のリクエストらしいがThe Bandのガースハドソン(org)とリヴォンヘルム(ds)が参加。
アルバムに正式収録されたのはデビューアルバムから2年後
2004年リリースの2枚目「Feels Like Home」
Norah Jones | Feels Like Home (2004)
アルバムから2枚目のシングルとしてもカット。
しかしこの曲が正式に世に出たのは、2003年に1stアルバムがグラミーを総ナメし主要4部門を含む8部門受賞した記念だったか何かでDVD付きのスペシャルエディションがリリースされ、その日本盤のみにボートラとして一足先に収録された際。
でも、先の2ndアルバムverとは違って、泥臭いイメージは皆無な1stアルバムの流れを汲む延長線上のイメージだった。
Norah Jones | What Am I to You? (Bonus Track from the Album "Come Away with Me Special Edition" *Japnese Edition) (2003)
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今回の20周年記念アルバムでは、デビュー前からこの曲が存在していた事や1stアルバムへの収録候補だった事が分かり、その時々の方針によって様々なアレンジが都度施されていってる様もよく分かる。
まずは1stアルバムをリリースする前のプロモーションEPを作るためにレコーディングするもボツったヴァージョン
きっとコレがこの曲では一番最初に録音したモノだろう。
Norah Jones | What Am I to You? (First Sessions Outtake) (*Recorded 2000, Official Release 2022)
Keyが違う事が分かるだろうか。
1音半高い。
ノラが作った原曲がこのKeyならば、この後、1音半下げさせた人が凄い。
そこから様々な可能性が広がったキー設定の妙だと思う。
逆にこの録音の際に上げさせられたのならアレですが。。汗
で、1stアルバム制作時に改めてレコーディングされるも再びボツとなったヴァージョン
Norah Jones | What Am I to You? (Alternate Version - The Allaire Sessions) (*Recorded 2000-2001, Official Release 2022)
時系列的に先のボートラver.はこの前か後か?
同じ頃に別アレンジとして録ったかと思うも、別プロデューサーの別録音と考える方が自然か。
ボートラver.は2ndアルバムのレコーディングに向けて改めて録ったけれど、その後別のアレンジが採用されたので三度ボツり、、、そのタイミングでリリースが決まった1stアルバムのスペシャルエディション、結果、日本盤のみのボートラ採用だったとかね。
2003年だったらデータでの音源流出を想定して狙ったプロモーションも兼ねてたり。
そして、2ndアルバムにWurlitzer+サザンロックテイストなこれまでとは全く違うアレンジが施されてようやく正式に世に放たれ
Norah Jones and The Handsome Band | What Am I to You? (Studio Live 2004)
このPV、印象に残っていたので探したんだが、公式から消されてるので当時のiTunes Sessionsか何かだったか。
未だ演り続ける
Norah Jones | Stay Home Live 6.18.2020
随分ブルージーになってからに。^^
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そんなこんなで、正式にアルバムに収録されたヴァージョンをオリジナルとするならば
その2ndアルバムver.を元に
*あくまでギターで採ったギター目線での解釈です。鍵盤目線ではまた解釈が異なると思いますので予めご了承ください。
*符割はこの環境では表現し難いので実際の音をよく聴いて捉えてください。
[Intro]
| C | G | C | G |
[A]
| C | G/B | Am7 | Am7/G |
1) | F | G | C | G |
2) | F | G | C | C7 |
[B]
| F Eb | C | E7 | Am7 Am7/G |
| D/F# | F | C | G |
[A1]
[A2] *Solo
[B]
[Outro]
| C | G/B | Am7 | Am7/G |
| F | G | C C/B | Am7 Am7/G |
| F | G | C F - C/E - C/D | C |
ex.
C= x32010, x3555(3), 8-10-10-9-8-8, xxx010, x-15-14-12-13-12, x-15-17-17-17-(15)
G= 320033, 355433, x-10-9-7-8-7, xx5787, x-10-12-12-12-(10)
G/B= x20033, 7x578x, 7xx787, x-14-12-12-12-x
Am7= x02010, 5x555(5), x0x988, x-0-14-12-13-x
Am7/G= 3x2010, 3x555(5), x-10-x-9-8-8, 15-x-14-12-13-x
F= 133211, x87565, x-8-10-10-10-(8)
C7= x32310, x35353, 8x898x, 8-10-8-9-8-8, x-x-10-12-11-12
Eb= x6888(6), x65343, xx134(3)
E7= 020100, (0)79797, (0)x2434, (0)7675x
D/F#= 2x023(2), x9777x, 14-x-12-14-15-x
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・↑のコードポジションは一般的に普通に使うであろう一例です。自由に弾いてください。
・鍵盤的な解釈なら C→G/B→Em7→Am→C/G→とかになるのかな?
まぁ、ベース音が下がって、上がって、、、というよくあるアレですが、ギタリストが作るKeyでは無いかもね。
ギター的には1音半下げて、、、
[A]
| A | E/Ab | F#m7 | F#m7/E |
1) | D | E | A | E |
2) | D | E | A | A7 |
[B]
| D C | A | C#7 | F#m7 F#m7/E |
| B/Eb | D | A | E |
って感じに弾いた方が開放弦も使えてより自由になれる。
オープンな響きが活かせるしね。
オリジナルキーで弾かざるを得なければ3カポで。
(とはいえ、カポの概念が無い私みたいな人は普通に弾いた方が良いかもだけど、、、
そーいえばレコーディング時にこの手法でカポった開放弦混じりのオープンコードで弾いたバッキングを、普通に弾いたバッキングに重ねて薄っすら混ぜるってのに大昔ハマっていたな、、、なんて思い出した。)
・"Alternate Version" としてる1stアルバム制作時にボツになったヴァージョンみたいな感じだと、xxx010の「C」固定でベース音だけがC→C/B→C/A→C/G→と動くローコード分数解釈でも成立するかもね。
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GWも残りわずか。
良い休日を。^^
PS.
来日決定