肛門科外来には、「痔が出っ張っていて、押しても戻らないんです。脱肛じゃないかと心配で心配で…しょぼん」と悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。
この中には、もちろん内痔核が出っ張ったままという『第Ⅳ度の内痔核』の方もいらっしゃいますがガーン
診察すると、『出っ張っているあせる』とおっしゃるモノは、内痔核ではないことも結構多いのですガーン

内痔核は、歯状線よりも奥、つまり直腸の一番下の部分の膨らみです。
歯状線は肛門縁よりも1cm以上奥にありますから、この部分が外に出てくるには、肛門管を通ってこなければいけない。ですから、肛門が閉じている状態で、その奥から内痔核が出ているということは、よほど肛門の締まりが悪いか、内痔核がめちゃ大きいかということになりますしょぼん

また、内痔核の表面は直腸粘膜ですから、『真っ赤なぬるぬるしたもの』として認識されるはずです。それが出っ張ったままであれば、粘液や、そこがスレた血液で常に肛門周囲はベタベタしていて、その違和感や不快感はかなり強いはずですね。
それに、『第Ⅳ度』ということは、『以前は中に戻っていたものが戻らなくなった』という、長い歴史をもっていることがほとんどということにもなります。

そうすると、若い方で、知らないうちに出っ張りがあり、手でさわると気になる。けど、よく伺うと、出っ張りはあっても普段はそれによって困ることはない、とおっしゃる方も結構あってニコニコ
それなら、内痔核の脱出というのは考えにくいかな、ということは、ここまでの話からお分かりいただけますよねニコニコ

というわけで、内痔核以外での肛門の出っ張りって、じゃあ何なの!?…というのが、次回の話になりますひらめき電球