さて、痔は古今東西老若男女、人間との戦いは続いていると言うか共存していると言うか・・・という話まで前回はいきましたが。

ではそれは何故なんでしょう?


実は、痔の中でも「痔核」つまりいぼ痔と呼ばれるもののもとは、生まれたての赤ちゃんにもあるんです。


肛門と言うのは、『身体の外側を覆う皮膚が、直腸の末端とつながっているあたり』を指します。ただ、この表現だとあまりにアバウト(^^; でもまぁ、具体的に言葉で示すとなるとこれがまた結構難しいガーン なので、一応、正常な直腸肛門部の断面図をつけますね。ケータイの方、見づらくてスミマセン。


おしりだって風邪をひく!?-2009011616530000.jpg


いわゆる『おしりの穴』のところは、正確には『肛門縁』といって、ここが『肛門』と呼ばれる部分の一番外側です。おしりの穴を形成する皮膚は、肛門縁からだいたい2~4cmくらい奥まで入っていって、そこで『直腸』とつながります。その『直腸粘膜とおしりの皮膚がつなぎ合わさる部分』を『歯状線』と言います。

※『歯状線』という名前の由来は、腸と皮膚とが合わさる部分はまっすぐな線ではなく、まるで歯が合わさるように見えることから『歯のような線=歯状線』となったということです。


そして、肛門縁から歯状線の間の皮膚の部分を『肛門上皮』といい、普段は肛門括約筋で閉じています。開くとそれが管となって便を通す形になるため、この部分を『肛門菅』とも言います。


そして、「痔核」=「いぼ痔」とはビックリマーク

肛門縁のあたりと、歯状線のちょっと上あたりに、断面図では青く示された静脈の血管の集まっている部分が見えてきます。その、静脈血管の集まっている状態を『静脈のくさむら=静脈叢(じょうみゃくそう)』と言います。

歯状線のちょっと上あたりにある静脈叢を『上痔静脈叢』といい、肛門縁のあたりにある静脈叢を『下痔静脈叢』といいます。

そして、この静脈叢の部分に血液がたくさん入ってくると、血管の一つ一つが膨らんで、それが集まっている静脈叢全体が膨らみ、盛り上がってきます。その、膨らんで盛り上がった状態を『痔核』と呼ぶのです。


ですから、『上痔静脈叢』に血液がたくさん入って膨らんで見える状態が『内痔核』、『下痔静脈叢』に血液がたくさん入って膨らんで見える状態が『外痔核』と呼ばれるほうになる、ということなのですクラッカー

参考:http://www.matsushima-hp.or.jp/index_htm/n_index.htm


そして、人間と言うのは寝ているとき以外は「心臓が上」で、「おしりが下」にあるイキモノです。ですから、血液と言う「液体」は、上から下には落ちやすいですが、重力の関係で下から上には上がりにくいあせる なので、人の場合、朝起きた瞬間から夜眠る時までには、多少の血液が静脈叢に溜まってしまうことを避けられないしょぼん つまり、人間である以上、痔核を全く持っていない人はいないと言っても過言ではないわけです叫び