痔の定義は、実はいろいろあります
今Wikipedia見たら、「痔=痔疾:肛門部周辺の静脈が圧迫され血液の流れが滞ることなどによって発生する疾患の総称である」と書いてありましたが、これだと「痔核(いぼ痔)」しか入っていないことになるので、どうかな~と
そもそもの始まりからいくと、「痔」はもともと「峙(ジ)」と書いたそうです。この漢字は「峙つ」と書いて「そばだつ」と読み、「孔(あな)の周りに立ち上がっているもの」という意味でした。ですから、古くは「目峙」とか「鼻峙」というのもあったそうです。
いつの頃からか肛門の周りにできたものだけを「峙(ジ)」と呼ぶようになり、またその部首が、「やまへん」から病気をあらわす「やまいだれ」に変わって。「ジ」という音をあらわす「寺」が残って、「やまいだれに寺=痔(ジ)」と書くようになったのだそうです。
※ですから、語源から行けば、痔は「じ」であって「ぢ」ではありません また、「寺に入るまで治らない病(やまい)だから『痔』」というのも単なる俗説です。
これからすると、肛門のあたりにでっぱりがあるものを全て「痔」と呼ぶのも間違いではありませんが、早期の裂肛(切れ痔)などは入らなくなるし、ポリープやガンなどもできものという意味では「痔」になっちゃう。
また、一般の人が「痔」というと、肛門科的には「痔核」か「裂肛」であることが多いんですが。
私の連載では、痔をとりあえず「肛門に何らかの症状があって、悪性ではないもの」とかなりひろ~く考えて、説明していきたいと思います