ですから、臨床的には『便秘症』『下痢症』『過敏性腸症候群』『痔』『レクトシール』は正しくても。
だからといって、『腸に異常がないひらめき電球』という証明にはならないんです!!

私たち肛門科医が一番気を付けていること、気を付けなきゃいけないのは。
『痔だと(便秘だと)思っていたら違う病気だったしょぼん』ということです。

痔なんかいいんですビックリマーク便なんか(毎日ちゃんとした便を出さなきゃと思えば大変かもしれませんが)毎日出なくたっていいんですビックリマーク

問題はそれが、『ちゃんと治療しなきゃ怖いショック!病気』でないかどうか。そこさえ確認できれば、あとは何とでもなる、してみせましょうガーン(←お、今日は大きく出たねえあせる)

腸の目に見える病気というと、大腸・直腸のポリープやガンと、あとは腸炎ですね。要は『できもの(腫瘍)』か『炎症』がほとんどです。

ちなみに、それ以外だと、『憩室(けいしつ)』という小腸や大腸にできる小さなポケットなんかは比較的よく見られる状態です。
『病気』かというとそれが問題でDASH!、ポケットがあるだけでは特に困ることってないんですよね。そういう形、というだけのことですから。
生まれつきのものもあるし、年をとって腸自体の筋肉が弱るとそこが憩室になることもある。70代以上の方では10%以上に見られるらしいです。

ただ、普段は何ともないんですが、そこが何かのきっかけで炎症を起こして腹痛の原因になったり、突然大出血することがあるんです。
ですから、下血や腹痛の患者さんがいらっしゃった時に、患者さん自身が憩室を持っていることが分かっていると、非常にスムーズにことが運んだりしますグッド!

ただ、大腸憩室は簡単に検査できて治療も方針がはっきりしてますが、小腸憩室の場合はなかなか確定診断がつかないこともあります。
理由は簡単。検査しにくいから。

大腸って、肛門から1mちょいくらいなんで、現在ではカメラで見ることは難しくないんですよね。だけど、小腸は。
口からだと食道・胃・十二指腸をこえたその奥から、約5mにわたる長さがある。おしりからだと1mある大腸の、更に奥になる。
つまり、めちゃめちゃ長いカメラとめちゃめちゃ腕のいい医師が必要という、なかなか検査しにくいところ、つまり病気があってもわかりにくいところだってことですね、小腸は(>_<)