「先読み力」で人を動かす

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なぜ、今の時代のリーダーは内省力が求められるのか?

このブログの直近の投稿が2012年11月なので、3年弱ぶりに投稿してみます。超久しぶり笑。当時は、まだ会社員だったのですが、紆余曲折を経て、2年前から仲間と共に会社を立ち上げました。


我々が提供しているものは、企業に対しては、リーダーシップ育成やチームのパフォーマンスを上げる組織開発と言われるもの、個人に対しては、その人がその人の人生をより豊かに生きていくサポートをしているます。


なぜ会社をやめて今の仕事をしているかはこちらを見てください。
http://www.cc-creators.com/mura01/


この個人的なブログでは、会社を辞める前から感じていたことや、仕事を通じて学んで自分なりの理解を形にすることを目的で書いてみます。会社を作って2年経ってやっと自分の言葉で言語化できる感じがしているからです。


その結果、企業の中で結果を出しているけど、何か違和感を感じていて、その違和感が何だか分からない人や、何か次に進みたいけど、モヤモヤしている人に届けばいいなーっと思っています。まさに自分自身が感じて辿った道だからです。



リニューアル1回目は内省力に関してです。



今の時代のリーダーには本当に内省力が求められる時代だなーって感じています。そこで内省力とは何か?に関して書いてみます。


内省を辞書で調べてみると、こんな表現になっています。


内省・・・自分自身の心のはたらきや状態をかえりみること。自分の考えや行動などを深くかえりみること。


ちなみに、省みる、という表現も厳密に何だろうと思って調べてみると、「振返ってもう1度考えてみる」ということのようです。


つまり、内省とは、「自分の内側で起こる、心の働き、考え、その結果発生する行動を振返って考えてみる」ということ、内省力はそれを行う力と言えます。


ここで、内側と言っているからには、対比の外側もあります。どんな力が外側なのか、というと、問題解決スキルだったり、財務スキルだったり、プレゼンテーションスキルだったり、業務の専門知識だったり、分かりやすく言うと、正解と言われる型があり、多くが知識をベースに学べるものです。


内省力が求められる、というのは外側のスキルが不要になったという意味ではありません。外側だけでは、太刀打ちできなくなった、という感じで、両方必要、という意味です。それは社会がより複雑化した、ということも言えると思いますし、成熟した社会で、物質的豊かさだけでは、本当の幸せを感じにくくなっているかもしれません。


では、内側のスキルをもう少し説明してみると、自分の無自覚な心の働きだったり、その結果起こる思考プロセス、そして、発生する行動パターンに気づく力、と言ってもいいと思います。ポイントは、心の働きがスタート地点で、それに対して多くのケースで無自覚だ、ということです。


例えば、いろいろな人と関わってきて、人間の普遍的な構造だなーと感じる例を挙げてみます。


Aさんという人は、仕事を一生懸命やって、会社や上司から評価されているとします。Aさんは周りから十分評価されて、結果も残してきているにも関わらず、まだ足りない、まだ足りない、ともっともっとがんばっていてます。時には頑張りすぎの結果、体調を崩すことさえあります。


こんなAさんの内側を紐解いてみると、評価される=自分の価値が出せる、という構図があります。そして、その奥には、自分は価値がない(能力がない、無能だ)という無自覚な思い込みがあることがあります。


その無自覚な思い込みを払拭するために、がんばって結果を出すわけですが、無自覚であるがゆえに、その思い込みを刺激されることが起こると、価値を出せてないと本人が感じ、心が働き(恐怖や怒りなどの感情を感じ)、価値を発揮するためにもっとがんばらないと、と思考が回り、結果、同じパターンが繰り返されます。(※私も同じ思い込み、持ってますー 笑)


これはほんの一例ですが、内省力が付くことで、このパターンに気が付き、反射、反応的な行動を取る前に、一旦立ち止まるスペースを確保して、違う行動を選択する可能性が生まれます。


無自覚に、価値を出せてないという思い込みが面白いところは、周りではなく本人が一人で感じている、ということです。これをメンタルモデル(信念)、と言います。


ちなみに、このメンタルモデル(信念)が悪いわけではありません。このパターンの結果、組織や社会で通用する能力がより上がっていくのも事実です。一方で、評価され続けても十分な充足感がなく、何かが足りない足りないと思い続けたり、体を壊すまで働いてしまう、という側面がありうるかもしれません。


ここで注目したいのが、「内省」と「反省」の違いです。内省の定義は、「心のはたらきや状態、考えや行動を省みる」こと、つまり、気づくことです。本来は、気づく、以上です。


一方で反省は、そこに価値判断が入っています。そんな心の働き、状態はよくない、という感じです。Aさんの場合、反省モードで内側を見ると、そんな自分はよくない、になり、自分は価値がない(能力がない、無能だ)と思っているAさんは余計に、「自分は価値がない」を強化させることにもなります。


内省モードであれば、自分自身の内側を価値判断を入れずに気づくことが出来る、すなわち、今まで気が付いていなかった自分自身の新たな一面を受容する、と言い換えることができます。そして、自分自身の器を大きくすることで、他者も受け止めることが出来るようになっていきます。例えば、小さなことで怒る自分自身を受容できれば、その器があれば、小さなことで怒る他者も受容できはじめます。


よく、ダイバーシティーの話で、多様性を受け入れよう、という話がありますが、本質的には、多様な自分自身の内側を受け入れよう、そうすることで、外側の他者も受け入れる器ができる、ということだと思います。


リーダーは大きな器が必要、という意味で、内省力がなぜ重要なのか、ということをお話ししてきましたが、冒頭の、なぜ今の時代は特に必要か、という点をまだまだ説明できていない感じなので、長くなったので、続きは次回にしますー。


一燈園(生活共同体)を見学して

先日だが、どうしても残しておきたいのでここに書く。

フロー研究会の仲間で、DOIT という働く喜びと意欲を高めるドキュメンタリーを作成しているブロックス社長の西川さんの案内で、京都にある一燈園という生活共同体の地域の見学に1泊2日で行った。

西田天香さんという方が、1936年にはじめた生活共同体である。宗教ではなく、「自然にかなった生活をすれば人は何も所有しなくても許されて生かされる」という考えをベースに生活している。

なぜ、ここに行ったかと言うと、もう4年近く「フロー、フロー経営」(社員、メンバーが内発的欲求により没頭し、仕事を心から楽しんでいる状態、その経営)について仲間で勉強していて、そのメンバーであり、フローを象徴する人が西川さんであり、その西川さんが育った町が一燈園であり、ぜひ見たい、という思いが3年越しに、やっと実現した形であった。


どのくらい衝撃的か、というのを書ききれないが、簡単に西田天香さんがどういう経緯で一燈園をはじめたか、書くことで、多少はお伝えできると思う。


西田天香さんとは、

近江商人の子供として生まれ、明治政府の北海道開拓政策のもと、近江農園設立リーダーに、20歳の時に抜擢された。農園では他の農園とは違い、「麻」を栽培したら、飛ぶように売れ、大成功と言われたが、その成功の裏に、当時の日清戦争での同士の死との引き換えに、成功があったことに気がつき、苦悩し、「金と争い」がない生活をすることを誓った。

しかし、「金と争い」がない生活は、乞食しかないことを悟り、乞食の生活をしていたが、トルストイの本の中の「生きんと思わんば死ね」との言葉に出会い、死ぬために、3日3晩、お堂で座禅をした。

意識が朦朧としたところに、赤ん坊の泣き声が聞こえ、突然泣き止んだことから、母親が乳房を与えたから泣き止んだことを思いえがいたところ、そこには、生存競争のためではなく、飲むことによって母も子も喜び合う、自然にかなった関係性がある、ということに気がつき、同じように、人様に奉公することで、もしかしたら、飯を準備してくれるかもしれない、もちろん無理に生きようとするのではなく、許されるなら生きる、という生活をはじめた。

もともと、優秀な人であったということもあると思うが、奉公する先々で、商売が繁盛した、夫婦仲がよくなった、という噂が広がり、西田天香さんを師匠と仰ぐ若者がどんどん増えていった。

もともと、所有しない生き方をしていたいたが、あるきっかけで家を与えられた、そこに集まった若者と住み始めたところが、一燈園であった。



この生活共同体の中で生まれ育った子供のために、学校が設立され、その学校の校長先生である、相大二郎さんに学校を案内してもらった。


その学校も、「自然にかなう教育」をしており、1.祈り、2.汗、3.学問を柱にしておられた。どんなにすごいか、というのは言葉では言い表せないが、1.祈りに関しては、毎朝、小学校から高校までの全児童100人、および先生が集まり、座禅(瞑想)を10-15分行っている。以下の様子。小学1年生でも静かに座り続けれるだけでも、驚きである。。

「先読み力」で人を動かす
座禅(瞑想)後の児童のみなさんと後輩に挨拶を行う西川さん


2.汗に関しては、全児童がお手伝いをしている。西川さんいわく、「溝の掃除とかが大変で、どうやって早く終わらせるかばかり考えていた。なのでお手伝いはすべてゲームにしてやっていた」と言っていたが、その結果、仕事もすべてゲーム感覚で楽しんでいる西川さんの本質がよく理解できた。



初日が終わったときは、人生の本質を、粛々と実践している姿を見せ付けられて、自分とのギャップに、今の自分に自己嫌悪になった。

2日目の子供たちが座禅(瞑想)する姿に、純粋に心が洗われ、その後の西川さんとの会話で、西川さんは、育った環境も何もかもベースが違うのだ。西川さんと同じフロー(フロー経営)を目指す必要はないんだ、とある意味肩の力が取れて、すっきりした。


全体を通じて、ずっと感じていたことは、この学生生活で、「人生の幹を太くする」大切さだ。ここで育った子供たちほど、人生を生き抜く力を備えた子供たちはいないだろう。


これだけでは、伝えきれないので、ぜひ、相大二郎校長先生の著書、「いのちって何 」を読んでみていただければと思う。

ここ数年で一番インパクトがある出来事であった。


大二郎先生、西川さん、ありがとうございました。

ガラパコスで突き抜ると浮世絵のような芸術品になる

今の仕事柄、1ヶ月に2, 3回、日本からCEOやCIOがいらっしゃる。先日も、数千人のIT会社のCEOが成都にいらした。私は上海から合流した。


夜の会食の席で、私は、毎回、同じ質問を日本のCEOやCIOにしているのだが、今回も聞いてみた。



私:「日本の価値は何だと思いますか?」


CEO:「Punctual(時間などに几帳面)なところ。その几帳面さが、高品質につながっていると思う。」


私:「日本の品質は世界ではそこまで求められてないこともあり、ガラパコスと言われることもありますが」


CEO:「ガラパコスならガラパコスで突き抜ければいい。その結果、浮世絵のような芸術品が出てくる。アニメやオタクだって同じだと思う。」



なるほど。中途半端に世界に迎合しようとすることで、一流ではなく二流、三流になってしまうのだろう。


これとは別にちょうど、友人から、糸井重里さんのブログから以下を教えてもらった。

軸をぶらさずに、自分が信じる道に突き進む。そこに本当の答えがあるのだと思う。


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・相撲の取り組みの前、土俵の下に待つ東と西の力士。
 向こう側の対戦相手の顔を見ながら、考えた。
 「相手が、こんなふうに出てくるだろう。
  そしたら、こっちは、こうやる。
  すると、あっちはこうくるはずだ。
  だとしたら、それをこうして、ああして‥‥」
 何度も対戦している相手のことだし、
 実力はこちらが上のはずだ。
 相手の力士がどうでてきても、だいたい対処できる。
 さて、迎えた一番。
 おおかたの予想に反して、こちらの力士は敗れた。


 口惜しくて仕方がない。
 すべてをわかっていて対戦したはずなのに、
 どこが悪かったのだろうか、考えに考えた。
 こちらの力士は、敗けることが大嫌いだった。


 そして、わかったのだった。
 「相手が、ああしたらこうする、こうしたらどうする」
 というふうに考えたのが悪かった。
 ほんとうは、そうじゃなく
 「こっちがこうしたら、相手がこうする‥‥」と、
 じぶんのとろうとする相撲から、考えるべきだった。
 こっちから積極的に仕掛けていくのが、勝つための道だ。


 こっちの力士とは、53連勝の横綱千代の富士、
 現在の九重親方です。


 周囲の状況だとか、競合のやっていることだとか、
 さんざん調べたり考えたりして、
 それに対処するかたちで「どうするか?」と
 次の活動を決めるやり方は、いまの時代の常識でしょう。
 でも、みんながそうしているけれど、
 それって、もともと「どうしたかったの?」でしょうね。


 まず似たような会社が、どんなものをつくっているか?
 そこから仕事を始める人って、いっぱいいるけれど、
 それって、うまくいっても「まし」な程度のものしか
 生みだせないんじゃないかなぁ、と思うんです。
 「どうしたいんだ?」が、すべてのはじまりですよねー。


今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼく自身、受け身なわりには、積極性が好きなんです~。


http://www.1101.com/home.html

グローバル人材とは

今日、アメリカ人の上司とグローバル人材に必要なスキルの話をしていた。彼はアメリカ人だが中国にすでに4年住んでいて、部下や同僚に中国人だけではなく、15カ国くらいの人種がいる。彼もグローバル人材の1人であろう。その彼と話していて、

グローバル人材に必要なスキルは、

・主体的に自分の足で物事の状況を確認し、論理的に分析して、構造化された流れを組み立てて、人に理解されるように結論から詳細の順番で説明して、自分が実現したいことを受け入れてもらう

だろうなーと。

あれ、これ、英語が出来るとかも出てこないし、確かに英語がほとんど出来ない同僚が、欧米人から絶大な信頼を得ていたケースもあったな、ということも思い出した。

こうやって見ると、このスキルって、グローバルに関係ない、出来るビジネスマン、そのものだと思う。グローバル人材と言っているが、グローバルで戦うために必要なスキルは、当たり前のことを当たり前にちゃんとやれることだと思う。





お辞儀をする外国人

過去のオリンピックは知らない間に終わっていたというのが多かったが、なぜだか、今回のオリンピックは結構はまっている。(かなりフォローしている)

今柔道を見ていて、松本薫選手が金を取った!
すばらしいー。

この一瞬のためにどれだけの努力をしたことか。それだけの努力をしてもほとんどの選手は報われない。なんとも厳しい世界なのだろう。さらに4年に1度というものがさらにチャレンジングにしている。身体的なピークが4年間隔で来ることなんて本当にないのだろう。

で、なぜブログを書いているかというと、柔道を見ていると、試合の前後に必ずお礼をする。日本の文化が世界で伝わっているのを見ると、ちょっとうれしくなる。「礼を重んじる」という素敵な文化だ。

日本のよさをもう少し伝えれたらなーと、思う。そのためには伝える人(グローバル人材)が増える必要があるのだと思う。


最後に、男子の中矢選手は銀メダル。でも日本では金以外は、「すみません。悔しいです」と笑顔なしで全員が同じことを言う。日本のお家芸である柔道なので金という期待値に達せれなければ、ネガティブにならざる得ないのはよくわかるが、、少なくともメダルを取ったら、その時点でOKにしてあげればなーと思ってしまう。

100点満点にもかかわらず、10点とると「10点ちゃんと取ったのよ、すごいでしょー」という中国人と、90点とっても「10点届かなくてすみません」という日本人の違いがここにも出ているんだなー。。



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