女王には大事な長女がいます。日本に・・・はい。女王はアメリカにいます。
長女は日本でじぃじとばぁばと震災した仙台に居ます。長女は犬ですが大事な娘です
アメリカに留学した直後にずっと飼っていた大事な「妹」のカーンが冬休みに帰国したら亡くなっていました。翌年の秋には大好きだったおばあさんが亡くなって・・・留学して一年もしないうちに大事な存在がたくさん居なくなりました・・・
そんな時に「ボランティア募集」のチラシを見てふっと立ち寄ってしまった・・・動物保健所。
そこで出会ったのが、女王の長女のシエナです
でも学生の女王には学校に出ている間・・・シエナは立派に育ち過ぎて・・・十分な散歩もさせられず、アパートでも可愛そうな思いを沢山させてしまいました。
女王が結婚したとき、旦那君と小さなアパートに引っ越しました。でも大家さんは立派な体格のシエナの入居を拒否・・・で、日本の両親の元へ頼み込んで半無理やり里子に出したのです
里子に出すのも心が痛んだけど、何って飛行機でのストレスなのか検疫所での待遇なのか両親が迎え入れたシエナはすっかり性格が変わってしまって・・・
作業着の人を見ると攻撃的。大きな音が大嫌い。地震、雷、そして花火が大嫌いと・・・本当に音や人の感情にも敏感な犬となってしまいました。
そんなシエナを母は「全く!ありえない!」といいつつもずっと守ってくれました。東日本大震災の時もシエナのために車中泊をしてくれました・・・いつも、いつも女王や姫たちがアメリカに帰ると寂しそうにしているシエナを支え、11歳になりました。今度の夏で12歳です。白髪も増えて、目も白内障が進んでいるけど、毛並みは年齢を感じさせないほど美しいワガママなお姫様です。
震災後、余震もあって夜は「一人にしないで」とワンワン吠え、寝床のケージからも脱出を試み、両親は寝不足です。でも昼間はひっくりかえって寝ているシエナ姫に母と父の悲痛な思いが伝わってきました。
でも、やっぱり女王にできる事がない・・・
だって両親はシエナを眠らせたくて言っているんじゃないから・・・聞いてあげるしかできない。
でも、10年経ってもいつも思う・・・
命の尊さ・・・
だからシエナが天国に行くまでアメリカでペットを飼わないと自身に誓ったけど、実際に女王はどんなに犬が好きでもこの先ペットが飼えるのだろうか?と思う。姫たちはペットを欲しがっているけど、魚のペットでさえも未だに飼えていない・・・(サンタさんが水槽をプレゼントしてくれたのに、魚はまだなし。)
震災で大切なペットを亡くした人も沢山いるはず。ペットだって家族だから・・・でもシエナは母のおかげで助かった・・・親族も近い友人もみんな生きている!きっとそれには意味があって、女王はもっと強くならなきゃいけないと思う。なのに、何もできないもどかしさからなのか・・・やっぱり泣き虫です。
この震災が胸につきささってきます。ぐっさりと・・・亡くなった尊い命と、生き残った命。
90歳のおじいさんが「自分だけ贅沢できない」って大好きなお餅を見てつぶやく・・・
ガソリンを少しでも手に入れないとと、母が10kgのポリタンクで長蛇の列に並ぶ。「毎日が仙台の初売りみたい」とせめてものポジティブな言葉しかかけられない・・・
ちっぽけな自分に今できる事が少なくても、これから何がきるのか・・・
その未来も見えない自分はどんな道を作っていくべきなのか・・・
その見えない答えを探す女王でした。