「写真は、足し算!」? | 単焦点フォトグラファー
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Taken with PENTAX K-7 + smc PENTAX FA 50mm/F1.4

せっかく、いいカメラを買ったのだから、写真を上手く撮りたい!
教則本の多くには堂々と『写真は引算』なんて書いてある。

じゃあ、なんで「足し算!」なんて言うんだ?などと言わず少々お付き合いを。

自分の表現したいものを「迫力の描写で」、あるいは「柔らかい描写で」とか、「繊細なトーンで」とか、
それぞれ好みがありますね。
でも、意に反して撮りたい写真に余計なモノが写りこむ事は、よくあります。
だから、その「余計なモノを写さないように工夫しなさい。」という事らしいのです。

「余計なモノを写さない」は1つの正解なのですが、、、 おかしな事を言いますね。

経験を積まないと「引き算」なんて出来ません。
(小学校1年生の算数も、「足し算」から勉強しますよ…。その経験がないと「引き算」が理解できないからです。)
教則本で読者に説いても、正直どこまで「引き算」するべきかわかりません。
そのことを突っ込んで聞いてみると非常に「あやふや」です。
挙句の果てに、「感性の問題だ!」なんて言う始末。
こっちは初心者だっちゅーの!
 「写真は引き算だ!」などと小難しいコトを言って
 「初心者じゃないんだぞ!」という陶酔感に浸りたいのでしょうか?

ご安心あれ! 少しの“コツ”で大きく変わります。
使うのは「足し算」。「足し算」だから非常に簡単。
答えは「白紙から、出来上がりを想像すること」です。

用意するのは、想像力。(コストはタダ!)
1 頭の中に写真のキャンバスを置きましょう。(キャンバスの色は「白」または「黒」などの単色です。)
2 その想像上のキャンバスに写したいものを最小限に置きましょう。
3 (出来れば)ライティング効果を意識しましょう。(光の角度によって印象が変わります)
4 そのキャンバスの絵を「出来るだけ再現」できるようにカメラの設定をしましょう。

たった、これだけです。

プロだって「足し算」の写真を撮っています。
スタジオ撮影なんかでは顕著です。
無地の背景から写真を組み立てていきます。(キャンバスと同じですね)
必要であれば、小物やライティング、演出などを追加します。(必要最小限を足し算します)
そうして、写真を仕上げていきます。
こういった経験があるので、引き算がスムーズに出来るようになっただけのことです。

手始めに、お気に入りの雑貨や小物などから練習すれば
いいと思います。
そこから、人物、風景などにチャレンジすると、あなたの写真は変わります。

ちゃんと根拠があるんです。

写真の"photograph"という語は、イギリスの天文学者が提唱した造語です。
photo- は「光の」、-graph は「かく(書く、描く)もの」という意味です。

自分のキャンバスに、不必要なモノを描く人は誰もいませんよ。
出来上がった作品は「美」を構成するために必要なものだけしか写していません。
通常の視覚視野から大きく「デフォルメ」されているので、
引き算をされたような写真に錯覚するだけの話しです。

引き算なんか出来なくたって、心配ありません!! 足し算で「写真」は変わるんです。