ここまで紹介してきた、「ROT(時間生産性)」を高めるための「戦術」をすべて試した上で、最後にようやく「短縮する」ことを考えます。つまり、2時間掛けていたものを1時間に「短縮する」ことを目指すのは最終手段ということです。
最後のステップにしている理由は、「もともとやるべきでなかったことを効率よくやることほど、非効率なことはない」というピーター・ドラッカー博士の言葉に集約されます。「短縮する」必要のない「タスク」について、時間短縮を試みる時間は、そのものが勿体ないのです。
時間短縮のためには、「遊び心(ゲーム感覚)」を最大限活かすことが大切です。
例えば、「この作業は45分間で終わらせる!」と自分に宣言をしてから「タスク」に取り掛かり、スマホのストップウォッチ機能を使って時間を計測します。宣言した時間と実際に完了させるまでに掛かった時間が5分以内の誤差であれば、自分にご褒美を与えます。
人は期限を設けたほうが本気で取り組めますし、どれくらい時間がかかるのかを正しく知っておくことは「ROT(時間生産性)」を高める上で必ずプラスになります。
また、この「短縮する」を成功させるためには、「心技体」を磨き続けることが絶対に必要です。
剣豪で知られる宮本武蔵は、「千日の稽古を鍛とし 万日の稽古を練とす」と言っています。
1つの「技」を完全に自分のものにするには、ひたすら毎日繰り返し稽古に励むしか道はありません。
「心技体」を磨き続ける時間を確保するためにも、あなたの「時間の使い方」を徹底的に見直す機会にしてください。
仕事ができる人の最高の時間術 (アスカビジネス)
次回は会議時間の短縮についてのお話です。