クルマも 『 iPhone化 』 する? 新たなオプション戦略とは?
こんばんは。
現在発売中のAutoCar Japan 2010年08月号 に興味深い記事が載っていました。
Audi の製品戦略についての記事です。
小さな記事でしたが、私は釘付けになってしまいました。
「車もダウンロードする時代」という事で、
Audi は今後、クルマをiPhone化していくのだそうです。
(少し私の勝手な意訳も入れて)簡単に紹介すると、
車両を購入した。
それから半年くらいたってから・・・
「最近寒くなったね。お金に余裕も出てきたから、"ヒートシータ" 機能を付け加えたいな・・・」
「よし、購入しよう!」
と、インパネのナビゲーションから、ピッピッピッ
「 "ヒートシータ" アプリを購入。そして、ダウンロード」
2分後。
なんと! ダウンロード終了と同時にヒートシータが使用可能!
ディーラーにオプション追加で修理にだす必要もなく、
面倒な手続きも不要。
こんな世界をAudi は目指しているみたいです
(少し私の妄想も加わっていますが・・・。詳しくは雑誌を読んでみてください)
すごいですね。
まさしく、クルマが iPhone になったようなもの。
先程のヒートシータを実現しようとすると、思い切った転換が必要となります。
購入時に、「ヒートシータ」が不要と言っているユーザに対しても、
ヒートシータ用の部品は搭載しておく必要があります。
ソフトはダウンロードできても、部品はダウンロード出来ませんから。
『要らない!』と言っている人に対して、不要な部品を搭載するという発想。
ただでさえ原価低減で苦しむ自動車業界なのに・・・という感じです。
ヒートシータだけでなく、先程の「購入後のソフト購入」=「オプション使用可能」を実現しようとすると、
全てのオプションを全車種に搭載しておく必要があります。
言い換えれば、
全車種全オプション搭載。購入していないオプションのソフトだけ引きぬく。
『オプションは足す』 という発想から、
『オプションを引く 』 という発想
これには驚きです!!!
ただ、これだけだと部品費・材料費が上がるだけでAudiとしても損するだけと思ってしまいますが、
Audiとしてもこれでも儲かるという判断をしているみたいです。
現在の生産方式としては、オーダー毎にどのオプションを搭載するなどの個別対応をしていますが、
今回の発想だと全車種全オプション搭載にすると個別対応が必要なくなり生産性が高まるとのことです。
生産ラインで、治具の切替や作業のバリエーションを減らすことで生産性を高めて、
不要オプション分の材料費/部品費をカバーしようという戦略なのでしょう。
この新オプション戦略というのは、生産性向上だけでなく
自動車の大きな収益構造の変化をもたらすと思っています。
多くの産業製品の収益構造は、製品本体から購入後の「保守・サービス」に移りつつあります。
多くの人に馴染みがあるのが、「プリンタ」だと思います。
プリンタは、製品本体は1万円を切っていても、交換のインクカートリッジが全色変えて2000円、3000円もしてしまいます。
極端な言い方をすれば、インク3回変えたら本体が買える。
プリンタメーカーは、製品本体での収益は諦めて、インクカートリッジで儲ける戦略を取ってるのです。
これは、購入者の心理をうまく利用しているとも言えます。
購入の際にかかるイニシャルコストはまとまったお金が必要なので極力抑えたい。
代わりに、ランニングコストは単価が小さくなるので比較的払っても良い。と思ってしまうのです。
このように、製品本体は赤字でも、保守・サービスで儲けるというビジネスモデルは、
様々な産業で浸透し常識化しています。
今回のAudiの戦略は、
これと同じように、「クルマも購入後の収益」に注目したビジネスモデルだと言えます。
車の場合は、購入後にあれやこれやとオプションをつける人は少なく、
メーカーとしては、 ”ディーラー車検" くらいしか購入後の収益源がありませんでした。
このAudiの戦略は、
もっと手軽に『オプションを買う』そんな風に仕向ける仕掛けであると思います。
今回の記事は、AutoCarの小さな記事で、どこまで実現するかよくわかりませんが、
この動きには注目して見ておきたいと思います。
自動車産業の収益構造の見直し。大きなテーマです。
2010年07月20日
想像力を持った一日を・・・
現在発売中のAutoCar Japan 2010年08月号 に興味深い記事が載っていました。
Audi の製品戦略についての記事です。
小さな記事でしたが、私は釘付けになってしまいました。
「車もダウンロードする時代」という事で、
Audi は今後、クルマをiPhone化していくのだそうです。
(少し私の勝手な意訳も入れて)簡単に紹介すると、
車両を購入した。
それから半年くらいたってから・・・
「最近寒くなったね。お金に余裕も出てきたから、"ヒートシータ" 機能を付け加えたいな・・・」
「よし、購入しよう!」
と、インパネのナビゲーションから、ピッピッピッ
「 "ヒートシータ" アプリを購入。そして、ダウンロード」
2分後。
なんと! ダウンロード終了と同時にヒートシータが使用可能!
ディーラーにオプション追加で修理にだす必要もなく、
面倒な手続きも不要。
こんな世界をAudi は目指しているみたいです
(少し私の妄想も加わっていますが・・・。詳しくは雑誌を読んでみてください)
すごいですね。
まさしく、クルマが iPhone になったようなもの。
先程のヒートシータを実現しようとすると、思い切った転換が必要となります。
購入時に、「ヒートシータ」が不要と言っているユーザに対しても、
ヒートシータ用の部品は搭載しておく必要があります。
ソフトはダウンロードできても、部品はダウンロード出来ませんから。
『要らない!』と言っている人に対して、不要な部品を搭載するという発想。
ただでさえ原価低減で苦しむ自動車業界なのに・・・という感じです。
ヒートシータだけでなく、先程の「購入後のソフト購入」=「オプション使用可能」を実現しようとすると、
全てのオプションを全車種に搭載しておく必要があります。
言い換えれば、
全車種全オプション搭載。購入していないオプションのソフトだけ引きぬく。
『オプションは足す』 という発想から、
『オプションを引く 』 という発想
これには驚きです!!!
ただ、これだけだと部品費・材料費が上がるだけでAudiとしても損するだけと思ってしまいますが、
Audiとしてもこれでも儲かるという判断をしているみたいです。
現在の生産方式としては、オーダー毎にどのオプションを搭載するなどの個別対応をしていますが、
今回の発想だと全車種全オプション搭載にすると個別対応が必要なくなり生産性が高まるとのことです。
生産ラインで、治具の切替や作業のバリエーションを減らすことで生産性を高めて、
不要オプション分の材料費/部品費をカバーしようという戦略なのでしょう。
この新オプション戦略というのは、生産性向上だけでなく
自動車の大きな収益構造の変化をもたらすと思っています。
多くの産業製品の収益構造は、製品本体から購入後の「保守・サービス」に移りつつあります。
多くの人に馴染みがあるのが、「プリンタ」だと思います。
プリンタは、製品本体は1万円を切っていても、交換のインクカートリッジが全色変えて2000円、3000円もしてしまいます。
極端な言い方をすれば、インク3回変えたら本体が買える。
プリンタメーカーは、製品本体での収益は諦めて、インクカートリッジで儲ける戦略を取ってるのです。
これは、購入者の心理をうまく利用しているとも言えます。
購入の際にかかるイニシャルコストはまとまったお金が必要なので極力抑えたい。
代わりに、ランニングコストは単価が小さくなるので比較的払っても良い。と思ってしまうのです。
このように、製品本体は赤字でも、保守・サービスで儲けるというビジネスモデルは、
様々な産業で浸透し常識化しています。
今回のAudiの戦略は、
これと同じように、「クルマも購入後の収益」に注目したビジネスモデルだと言えます。
車の場合は、購入後にあれやこれやとオプションをつける人は少なく、
メーカーとしては、 ”ディーラー車検" くらいしか購入後の収益源がありませんでした。
このAudiの戦略は、
もっと手軽に『オプションを買う』そんな風に仕向ける仕掛けであると思います。
今回の記事は、AutoCarの小さな記事で、どこまで実現するかよくわかりませんが、
この動きには注目して見ておきたいと思います。
自動車産業の収益構造の見直し。大きなテーマです。
2010年07月20日
想像力を持った一日を・・・
カイゼンのための会計とは? 二元原価体系図のススメ
こんばんは
少し前の話になりますが日経BP社Tech-onにコラムをアップしました。
6回目:だから『カイゼン』が進まないんだよ
このブログでも何度か書いてますが、ものづくりを正しく評価できる会計というのが今の日本にはありません。
「現場力を正しく評価し、現場のモチベーションを上げ、カイゼンを促進させる」
これが、会計の基本であると思っています。
しかし、
こと、「会計」と名がつくと、難しい計算だったり、難しい理論ばかりが横行しています。
そのためにも
「機種別で行うカイゼン・予算管理(≒原価企画)」
と
「部門別で行うカイゼン・予算管理(≒原価管理)」
の整合を取る二元原価体系図 <コラム6回目の図2、3を参照>の導入が欠かせないと思っています。
先日、このカイゼン会計について、管理会計の先生方と意見交換をさせて頂きました。
やはり、カイゼンが促進され、モノづくり力がある企業というのは、この機種別予算と部門別予算の整合を取っているようです。
それがものづくり力というものなのでしょう。
多くの企業での予算管理というのは、部門別予算管理を指します。
そうなると、部長・課長は自分の担当の部課の予算管理だけに責任を負えばよいという発想になりがちです。
原価企画活動による機種別原価低減活動や部位別の緊急原価低減活動など、部門横断のプロジェクト活動が名ばかりで終わっている企業が大半を占めています。
このプロジェクト活動における予算管理(目標管理)の責任と部門予算管理の責任の2つの軸を整合させる。これが、カイゼンを正しく評価し、現場のモチベーションを上げる第一歩だと考えます。
是非、皆さんの企業でも『二元原価体系図』の導入を検討してみてください。
日経BP社 Tech-on! ものづくり復活の会計術 6回目:だから『カイゼン』が進まないんだよ
2010年7月20日
心をこめて・・・
少し前の話になりますが日経BP社Tech-onにコラムをアップしました。
6回目:だから『カイゼン』が進まないんだよ
このブログでも何度か書いてますが、ものづくりを正しく評価できる会計というのが今の日本にはありません。
「現場力を正しく評価し、現場のモチベーションを上げ、カイゼンを促進させる」
これが、会計の基本であると思っています。
しかし、
こと、「会計」と名がつくと、難しい計算だったり、難しい理論ばかりが横行しています。
そのためにも
「機種別で行うカイゼン・予算管理(≒原価企画)」
と
「部門別で行うカイゼン・予算管理(≒原価管理)」
の整合を取る二元原価体系図 <コラム6回目の図2、3を参照>の導入が欠かせないと思っています。
先日、このカイゼン会計について、管理会計の先生方と意見交換をさせて頂きました。
やはり、カイゼンが促進され、モノづくり力がある企業というのは、この機種別予算と部門別予算の整合を取っているようです。
それがものづくり力というものなのでしょう。
多くの企業での予算管理というのは、部門別予算管理を指します。
そうなると、部長・課長は自分の担当の部課の予算管理だけに責任を負えばよいという発想になりがちです。
原価企画活動による機種別原価低減活動や部位別の緊急原価低減活動など、部門横断のプロジェクト活動が名ばかりで終わっている企業が大半を占めています。
このプロジェクト活動における予算管理(目標管理)の責任と部門予算管理の責任の2つの軸を整合させる。これが、カイゼンを正しく評価し、現場のモチベーションを上げる第一歩だと考えます。
是非、皆さんの企業でも『二元原価体系図』の導入を検討してみてください。
日経BP社 Tech-on! ものづくり復活の会計術 6回目:だから『カイゼン』が進まないんだよ
2010年7月20日
心をこめて・・・
『点』の情報を『線』そして『面』へ 情報管理の次なる課題
こんにちは。
前回、情報管理のあり方として、「タグ」による多軸情報管理の重要性を述べました。
前々回、前回と情報管理のあり方についてマニアックな内容を書いています。
先日も雑誌の取材を受けた際に、記者の方と情報管理について熱く議論してしまいました。
マニアックな内容ですが、必ず注目される情報管理のあり方なのでお付き合い頂ければと思います。
では、本題。
Gmail、Evernoteなど「クラウド」としての注目を浴びていますが、
私は「タグ」による情報管理への転換の方を注目しています。
タグ??? 多軸???
んっ?という方、分からない方、忘れた方は、とりあえず前回のコラムを読んでみてください。
前回記事:『 クラウド 』 より 『 多軸 』 新しい情報管理のあり方
私が初めて、「タグ」という考え方のソフトにであったのが、Gmailです。
前回にも書きましたが、通常のメーラーは受信ボックスのメールを、左側に自ら作成したフォルダに振り分けます。
言い換えれば、物理的な情報(メール本分)を物理的な器(フォルダ)に格納しているようなものです。
しかし、Gmail は違います。
ご存じの方も多いですが、Gmailはフォルダにメールを振り分けるということはしません。
Gmailは受信ボックスに時系列にメールがどんどん貯まる仕組みになっています。
そのかわりに、Gmailは各メール本分に対して、
「タグ」(Gmailでの呼び方は「ラベル」)を付けます。
メールに対して、「XXプロジェクト」「契約関連」「業務外」「添付ファイル有り」など「タグ」は複数つけることができるので様々な分類が出来ます。
物理的な情報(メール本分)は、大きな器に時系列に貯めておき、
これで、メールをどのフォルダに入れようか?など迷うことがなくなります。
私は、このGmailに出会ったときに、これだ!と思いました。
ただ、Gmail にも問題がありました。
それは、「タグ」そのものを、階層化できないという問題です。
通常のメーラーだと、左側にあるフォルダを階層化して、「フォルダの下にまたフォルダ」 といったように構造的に情報を分けていると思います。
メールだったらそこまで分類化していなくても、最近はGmailをコミュニケーション以外の情報管理に使っている人も増えています。
そうなると「タグ」を階層化出来ないことは致命的だと思います。
というので、Gmail は「タグ」の階層化という問題をはらんでいました。
しかし、最近になってGmail もタグの階層化に対応するようになりました。
Gmail Labs の「ラベルのネスト」という機能です。
Labsの機能なので、知らない方も多いと思います。
是非、階層化の機能を使ってみてください。
コミュニケーション情報としてのメール管理はGmailでほぼ対応可能です。
次に、調査情報・議事録などの情報管理については、どうなるでしょう。
そこで、活躍するのが Evernoteです
そして、このEvernoteは「タグ」の階層化 にはいち早く対応してました。
Evernoteは、左側に管理しているタグを表示できますが、そのタグを階層化し情報を管理することができます。
私の「タグ」の体系は、
------------------------------------------------------------------------------
01.情報源
└0.アイデア
└1.調査情報
└2.本・論文
02.情報区分
└0.政治・経済・社会
└1.産業 個別受注・インフラ
└2.産業 自動車関連
└・・・・・・
03.ソリューション
└01.会計
└02.BOM
└03.PLM
└04.生産管理
└50.企業変革/PM
└・・・
・・・・・・
10.マーケティング
└・・・・
20.会議
└2010 Q1
└2010 Q2
└・・・
30.顧客
└・・・
------------------------------------------------------------------------------
と、こんな感じに「タグ」を階層化しておくことで、フォルダ構成のように見せることができます。
そうすると
例えば、ある調査情報に対して、「1.調査情報」「2.産業 自動車関連」「01.会計」のタグをつけておくことで、
------------------------------------------------------------------------------
01.情報源
└0.アイデア
└1.調査情報 ● ← ここの分類に調査情報が見える
02.情報区分
└0.政治・経済・社会
└1.産業 個別受注・インフラ
└2.産業 自動車関連 ● ← この分類でも同じ調査情報が見える
└・・・・・・
03.ソリューション
└01.会計 ● ← この分類でも同じ調査情報が見える
└02.BOM
------------------------------------------------------------------------------
と、1つの情報があたかも複数のフォルダ構成に属するかのように見ることができます。
これが、「タグ」による多軸情報管理というものです。
(多軸というのは、様々な視点でのフォルダ構成に属するという意味)
情報を多軸管理(複数のフォルダ構成に属させる管理)をする意味は、
様々な視点で情報を見ることで、『点』の情報を『線』・そして『面』に変えていくためです。
前回にも触れましたが、
情報を「格納する」ことが目的なら、1つの軸でどこかのフォルダに所属させておけば良いですが、
情報を「活用する」ことが目的なら、多軸で情報が管理され、関連のモノが横並びになっている必要があります。
情報管理を単なる格納と捉えると多軸の意味は必要ないですが、情報の活用と捉えるとやはり1つの情報を様々な視点で分類できる必要性を感じます。
そして、このEvernoteですが、完璧でありません。
この「タグ」は全て手で付ける必要があります。
これがまた面倒なのです。
そう考えると、Gmailは、「フィルタ」という機能があり、
メールのFrom、To、件名、キーワード、含めないキーワード、添付ファイルあり
の区分で、自動的にタグ(Gmailではラベル)をつけることができるのでGmailの方が一歩するんでいるかもしれません。
最近Evernoteの注目度は非常に上がっており、利用者も多いと思います。
Evernoteの自動タグ設定機能に期待しましょう。
これかの情報管理は、「タグ」による多軸情報管理。
そのために、
「タグ」の階層化
「タグ」の自動設定機能
この2つが大きな鍵を握りると思います。
ちなみに、
この多軸情報管理は、最近様々なソフトウェアで採用が進んでいます。
例えば、
・Windows7 のライブラリ機能
関連記事:Windows 7も活用 クライアントPCに埋もれた「データの見える化」
関連記事:Windows 7 徹底解剖 ライブラリの紹介
あのWindowsもこの流れに少しづつ対応しています。
マニアックな機能で知っている人は少ないですが・・・
以前、実際にどのような使い勝手か、有楽町ビックカメラの店員に聞いても、店員も知りませんでしたからね。
Windowsも1軸での情報管理の限界は感じているようで嬉しいのですが、
「タグ」という考え方ではなく、単にフォルダのショートカットの拡張程度の機能で十分ではありませんが。
ただ、デファクトメーカーがこの流れになっているのはうれしいものです。
・domoTodo+
関連情報
タスク管理のソフトです。Googleカレンダーと双方向動機ができ、非常に便利です。
iPhoneアプリがあり、私はこれを使っています。
これも、タスクに「タグ」という考え方があり、それで様々な分類ができます。
「タグ」の階層化はありません。
・Box.net
関連情報
オンラインストレージサービスのソフト。要は、複数のパソコンで色々作業できるようにオンラインのフォルダ同期ソフト。
オンラインでの同期ソフトで有名なのは、Dropbox、SugarSync。
このBox.netの知名度はそれほどありませんが、これは単なる同期ソフトだけではなく、
情報分類としての「タグ」という考え方も入っています。
Box.netも「タグ」の階層化が出来ないはず・・・
まだ、きちんと使いこなせていないので十分な理解が少ないです。
同期ソフトは、まだSugarSyncを使っており、Box.netはお試しでしか使っていないので・・・・
と、こんな感じで様々なソフトが「タグ」「多軸情報管理」の流れになりつつあります。
是非、皆さんも情報管理のあり方について考えてみてください。
2010年7月7日
「一生懸命」悩み、「一生懸命」考え、「一生懸命」生きる。そんな人生を・・・
前回、情報管理のあり方として、「タグ」による多軸情報管理の重要性を述べました。
前々回、前回と情報管理のあり方についてマニアックな内容を書いています。
先日も雑誌の取材を受けた際に、記者の方と情報管理について熱く議論してしまいました。
マニアックな内容ですが、必ず注目される情報管理のあり方なのでお付き合い頂ければと思います。
では、本題。
Gmail、Evernoteなど「クラウド」としての注目を浴びていますが、
私は「タグ」による情報管理への転換の方を注目しています。
タグ??? 多軸???
んっ?という方、分からない方、忘れた方は、とりあえず前回のコラムを読んでみてください。
前回記事:『 クラウド 』 より 『 多軸 』 新しい情報管理のあり方
私が初めて、「タグ」という考え方のソフトにであったのが、Gmailです。
前回にも書きましたが、通常のメーラーは受信ボックスのメールを、左側に自ら作成したフォルダに振り分けます。
言い換えれば、物理的な情報(メール本分)を物理的な器(フォルダ)に格納しているようなものです。
しかし、Gmail は違います。
ご存じの方も多いですが、Gmailはフォルダにメールを振り分けるということはしません。
Gmailは受信ボックスに時系列にメールがどんどん貯まる仕組みになっています。
そのかわりに、Gmailは各メール本分に対して、
「タグ」(Gmailでの呼び方は「ラベル」)を付けます。
メールに対して、「XXプロジェクト」「契約関連」「業務外」「添付ファイル有り」など「タグ」は複数つけることができるので様々な分類が出来ます。
物理的な情報(メール本分)は、大きな器に時系列に貯めておき、
これで、メールをどのフォルダに入れようか?など迷うことがなくなります。
私は、このGmailに出会ったときに、これだ!と思いました。
ただ、Gmail にも問題がありました。
それは、「タグ」そのものを、階層化できないという問題です。
通常のメーラーだと、左側にあるフォルダを階層化して、「フォルダの下にまたフォルダ」 といったように構造的に情報を分けていると思います。
メールだったらそこまで分類化していなくても、最近はGmailをコミュニケーション以外の情報管理に使っている人も増えています。
そうなると「タグ」を階層化出来ないことは致命的だと思います。
というので、Gmail は「タグ」の階層化という問題をはらんでいました。
しかし、最近になってGmail もタグの階層化に対応するようになりました。
Gmail Labs の「ラベルのネスト」という機能です。
Labsの機能なので、知らない方も多いと思います。
是非、階層化の機能を使ってみてください。
コミュニケーション情報としてのメール管理はGmailでほぼ対応可能です。
次に、調査情報・議事録などの情報管理については、どうなるでしょう。
そこで、活躍するのが Evernoteです
そして、このEvernoteは「タグ」の階層化 にはいち早く対応してました。
Evernoteは、左側に管理しているタグを表示できますが、そのタグを階層化し情報を管理することができます。
私の「タグ」の体系は、
------------------------------------------------------------------------------
01.情報源
└0.アイデア
└1.調査情報
└2.本・論文
02.情報区分
└0.政治・経済・社会
└1.産業 個別受注・インフラ
└2.産業 自動車関連
└・・・・・・
03.ソリューション
└01.会計
└02.BOM
└03.PLM
└04.生産管理
└50.企業変革/PM
└・・・
・・・・・・
10.マーケティング
└・・・・
20.会議
└2010 Q1
└2010 Q2
└・・・
30.顧客
└・・・
------------------------------------------------------------------------------
と、こんな感じに「タグ」を階層化しておくことで、フォルダ構成のように見せることができます。
そうすると
例えば、ある調査情報に対して、「1.調査情報」「2.産業 自動車関連」「01.会計」のタグをつけておくことで、
------------------------------------------------------------------------------
01.情報源
└0.アイデア
└1.調査情報 ● ← ここの分類に調査情報が見える
02.情報区分
└0.政治・経済・社会
└1.産業 個別受注・インフラ
└2.産業 自動車関連 ● ← この分類でも同じ調査情報が見える
└・・・・・・
03.ソリューション
└01.会計 ● ← この分類でも同じ調査情報が見える
└02.BOM
------------------------------------------------------------------------------
と、1つの情報があたかも複数のフォルダ構成に属するかのように見ることができます。
これが、「タグ」による多軸情報管理というものです。
(多軸というのは、様々な視点でのフォルダ構成に属するという意味)
情報を多軸管理(複数のフォルダ構成に属させる管理)をする意味は、
様々な視点で情報を見ることで、『点』の情報を『線』・そして『面』に変えていくためです。
前回にも触れましたが、
情報を「格納する」ことが目的なら、1つの軸でどこかのフォルダに所属させておけば良いですが、
情報を「活用する」ことが目的なら、多軸で情報が管理され、関連のモノが横並びになっている必要があります。
情報管理を単なる格納と捉えると多軸の意味は必要ないですが、情報の活用と捉えるとやはり1つの情報を様々な視点で分類できる必要性を感じます。
そして、このEvernoteですが、完璧でありません。
この「タグ」は全て手で付ける必要があります。
これがまた面倒なのです。
そう考えると、Gmailは、「フィルタ」という機能があり、
メールのFrom、To、件名、キーワード、含めないキーワード、添付ファイルあり
の区分で、自動的にタグ(Gmailではラベル)をつけることができるのでGmailの方が一歩するんでいるかもしれません。
最近Evernoteの注目度は非常に上がっており、利用者も多いと思います。
Evernoteの自動タグ設定機能に期待しましょう。
これかの情報管理は、「タグ」による多軸情報管理。
そのために、
「タグ」の階層化
「タグ」の自動設定機能
この2つが大きな鍵を握りると思います。
ちなみに、
この多軸情報管理は、最近様々なソフトウェアで採用が進んでいます。
例えば、
・Windows7 のライブラリ機能
関連記事:Windows 7も活用 クライアントPCに埋もれた「データの見える化」
関連記事:Windows 7 徹底解剖 ライブラリの紹介
あのWindowsもこの流れに少しづつ対応しています。
マニアックな機能で知っている人は少ないですが・・・
以前、実際にどのような使い勝手か、有楽町ビックカメラの店員に聞いても、店員も知りませんでしたからね。
Windowsも1軸での情報管理の限界は感じているようで嬉しいのですが、
「タグ」という考え方ではなく、単にフォルダのショートカットの拡張程度の機能で十分ではありませんが。
ただ、デファクトメーカーがこの流れになっているのはうれしいものです。
・domoTodo+
関連情報
タスク管理のソフトです。Googleカレンダーと双方向動機ができ、非常に便利です。
iPhoneアプリがあり、私はこれを使っています。
これも、タスクに「タグ」という考え方があり、それで様々な分類ができます。
「タグ」の階層化はありません。
・Box.net
関連情報
オンラインストレージサービスのソフト。要は、複数のパソコンで色々作業できるようにオンラインのフォルダ同期ソフト。
オンラインでの同期ソフトで有名なのは、Dropbox、SugarSync。
このBox.netの知名度はそれほどありませんが、これは単なる同期ソフトだけではなく、
情報分類としての「タグ」という考え方も入っています。
Box.netも「タグ」の階層化が出来ないはず・・・
まだ、きちんと使いこなせていないので十分な理解が少ないです。
同期ソフトは、まだSugarSyncを使っており、Box.netはお試しでしか使っていないので・・・・
と、こんな感じで様々なソフトが「タグ」「多軸情報管理」の流れになりつつあります。
是非、皆さんも情報管理のあり方について考えてみてください。
2010年7月7日
「一生懸命」悩み、「一生懸命」考え、「一生懸命」生きる。そんな人生を・・・