2時間。

ブログネタ：香水「金木犀」 by 武蔵野ワークス　←参加中




キンモクセイは森を抜けた場所にいる。


走りにでかけると。ぼく。
ほんきで考えてるんだ。「きょうも帰って来れるかな」って。
きけんたから。夏の間も。春のあいだも。秋のあいだも。冬は。雪。
ほんとは。水筒に入れて。お水。
片手にもってでかけなければいけないんだけど。さ。
めんどくさいんだ。ほんきで。
右手に。快適。左手に。お水。
天秤にかけて。左手のものいい。なの。
どきどきの。スリル。だね。
二日前も。ちょうど。よんじゅうろっぷん。過ぎたところ。
なにがなんだか。なんなの。ねえ。わからないよ。
はんぶんも。すぎてないのにさ。お道。
あのね。登り坂だったんだ。
足の方から感覚がおかしくなってきて。
すこしづつ。うえに上がってくるの。
せみの。鳴きオト。短く。「ジン。ジン。ジン」
こんどは。高音の。音の。「イィー。」って。音。
のびてくるの。


あぶないよ。キック。


はやく。はやく。
山のてっぺん。ひらけた野原。牧場。
馬を見るんだ。


みたってかわらないのにね。


そのまま駆け抜けてくだけなんだから。さ。
お馬に微笑みながら。
しっぽは。背中。たたいてる。
いっしょに走りたいんだ。たぶん。
そお思ってもらいたいから。ぼくは。
がまんしてる。わらってる。ぶるぶる。



たちどまればいいのにさ。


それ。賭け引きなのな。
たちどまるとか。あるくとか。走り続けるとか。


ちいさな希望と。ちいさなご褒美なのな。
帰ったら。なにか飲むの。
おいら。ドウナッツの浮き輪で。ジュースのプール。泳いでるのな。
アタマの中。わ。
とろとろの。ぺたぺたの。シュガー。



あぶないんだ。






キンモクセイは森を抜けた場所にいるの。
ほとんど。ゴールの場所。森の中に。ひとつだけ。
近づいてくると。あかるくなってきて。オレンジ色な気分。

だきしめたくなるんだ。



ほんとうだ。香りのなかにいた。








forest run.







「香水好き？」


「だきしめてた。」