日本優勝! | ロンドンつれづれ

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お待ちかねの、日本での開催の国別対抗の選手権は、日本チームの優勝ということで、花を飾って、今季の最終の試合は終了しました。

 

各選手の皆さん、おめでとうございます!

 

ちょっとスコアは他の試合と比べて甘いなあ、という点数が多かったですが、自己ベスト、シーズンベストの大安売りの中、日本の女子高校生の二人は、本当にいい演技をしたな、と思います。 特に、先の世界選手権で思うような演技ができなかったから、来季に向けて、いい自信がついたでしょう。新葉ちゃんのSPとフリー、あれをワールドでできていたら・・・とつい思いたくなってしまいますが、勝負は水物。あの世界選手権もまた、将来に向けてのいい経験だったかもしれません。

 

日本男子2選手も今回はパーフェクトな演技だったとは言えませんが、その前の世界選手権でとても良い演技をしていましたし、国別ではまた別の意味で来季につながる演技ができた、と選手たち自身が言っているので、それはそれで良かったのではないかと思います。 宇野選手は安定の演技をSP、フリー共にできるメンタルの強さ、そして羽生選手は前半のジャンプが崩れても、それをリカバーしてあまりある4回転の数を後半にぶち込んでくるスタミナの強さを見せてくれました。 羽生選手の場合、(宇野選手もですが) 国別でパーフェクトな演技をして、ピークになってしまっては困るので、この流れが一番良かったでしょう。 おそらく国別では、パーフェクトをしないだろうなと思っていました。 今季のピークは、世界選手権。そして次のピークは、2018年のオリンピックです。

 

老婆心ながら心配なのは、日本に来てくれている選手の方々の必要経費は、どこが出しているのかな、というところであります。

 

通常の国際試合は自分の渡航費、ホテル代、コーチの渡航費とホテル代、その他コーチの日給など、莫大な費用がかかって、それがすべて選手持ちなので、(トップクラスの選手で、試合に招待されている場合は必要経費は主催者側に出してもらえるらしいし、国によっては連盟の助成金で賄うらしい)、国別のように「シーズン末で世界選手権の直後でエネルギーもお金も使い果たしてしまった」という選手には、その費用を捻出するのがたいへんなんではないか、とつい心配してしまうのであります。

 

しかし、かつてより国別は「スポンサーもファンもたくさんついている日本で、お礼の気持ちもかねて行うお祭り気分の試合」というくくりだったので、もしかしたらすべての費用を日本が出しているのかもしれません。国別は日本以外の国では開催しない、日本用の競技会ですし。チケット代はいくらぐらいなんでしょうね? その分が上乗せしてあるんでしょうか? もっとも、他の試合のチケットも日本では、べらぼうな値段がついていますね。

 

2009年の国別では勝った国への報奨金は、200,000米ドル、すべての報奨金の合計は1,000,000米ドルで、ISUの他のどのイベントよりも高額だったというから、国別に参加して勝とうという、モチベーションにはなりますね。今はもっと高いかもしれません。 プラス、試合後に温泉にいったりというご褒美もあります。 なので、「国別は、楽しいから行きたい!」という選手もいるかもしれません。しかし、報奨金に関していえば、やっぱり世界選手権などの試合でこそ、一番高い報奨金をチャンピオンの選手に贈与すべきではないかという気持ちもあります。

 

過去にはスコット・モイア選手やパトリック・チャン選手など、「世界選手権直後の国別への参加を強制されるのは負担だ」とはっきり表明している選手たちもいて、それは責められません。 そして、今回も確かに疲労がたまっているのでは、と思える選手も複数いました。 はっきりした考えのある選手たちで、罰則があるにもかかわらず参加しなかったトップクラスのスケーターさんたちはいました。 

 

今回の国別、今までで一番いいパフォーマンスをした選手たちもいましたが、「ええ、この演技でこの点数?」というぐらいミスがあっても高いスコアの選手もいましたし、なんだか基準が良くわからないジャッジングだな、というのが正直な感想でした。 またお客さんも、「ええ、この演技でスタンディングオベーション?」というのもあって、全体に「やっぱり国別は点数が甘くて、お客さんは楽しみに来ている」というくくりなのかな、と。

 

私たちファンは、シーズン中ひとつでも試合が多ければ嬉しいですが、ISUには選手の体調やケガ、そして懐具合(もし、自分たちで必要経費を支払っているなら)などをよく考えてほしいなあ、とも思います。フランスなんて、イギリスと同じで、国や連盟からの助成金なんてあんまりないんじゃないかなあ。 世界選手権後、この時期に国別って、本当に必要なのか? 日本人ファンには嬉しいけれど、あのシーズンベスト、パーソナルベストの大安売りを見ると、参加しなかった選手はどう思うのかなあ、とちょっと思ってしまいました。 この勢いで、オリンピックまで、スコアのインフレーションをつづけるつもりでしょうか? 

 

 

ところで、私的にヒットしたものがあります。 ジャッジ紹介の時にテレビで後ろに映ってた人たち・・・。何かの係の人だと思うんですが。

 

この人たち、たしか数年前にも「あれ、なに?!」と思った人たちと一緒だと思うんですが・・・。ジャッジじゃないし、誰なんだろう。何をする人たちなんだろう。 そして、紹介されているジャッジたちが、死に物狂いで笑いを押し殺しているのがなんだか、おかしかったです。

 

あとでISUのエライさんから怒られなかったのかな? 連日こういうことしてましたよ、ジャッジのすぐ後ろに座って・・・。 

 

好きです、こういうの。 個人的に。 いいぞ~!

 

 

 

 

ところで、テレビ朝日さんは、フジテレビのようなえげつない「放送権の主張」をしないので、動画サイトでのライブストリーム鑑賞および、動画サイトへのファンからの投稿をブロックしていませんね。 時代に合った、立派な態度です。

 

返す返すも、四大陸、ジュニアワールド、そして何よりも世界選手権での素晴らしい演技たちをファンから取り上げているフジテレビには、怒りしか感じません。 羽生選手の芸術作品ともいえる2017年世界選手権のフリーの演技を、世界中の人がアクセスできる動画サイトで共有してもらうことは、すごく大事だとおもうのですが。

 

貴重な芸術文化は、誰かがカギをかけてしまっておくものではありません。 一人でも多くの人の目に触れることが大事なはずです。