フクシマの子どもたち-アカデミー・キャンプ(追記あり) | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

先日、慶応大学の先生から彼の立ち上げたNPOの活動についてのご連絡をいただいた。

彼の名は、斉藤 賢爾先生。
一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任講師である。

パートナー組織は以下。

•川崎 YMCA
•慶應義塾大学 SFC 研究所 インターネットと社会・ラボ
•一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム


彼は、東電福島第一原発事故の発生後、2011年の夏より、福島県在住の小中学生 (最近では高校生も) を対象にした「アカデミー・キャンプ」を、学校の長期休みを中心に、仲間たちとともに続けているとおっしゃる。

「このキャンプは、自然体験も含みますが、むしろ「遊び」と「学び」が融合した合宿のような形式を持ち、「世界を変える力を、こどもたちに」を合い言葉に、様々な分野で世界に働きかけている社会人たち(企業人、大学教員、アスリート、アーティストなど) を講師に迎え、多くの大学生ボランティアが参加し、こどもたちはもちろん、大学生たちや、大人のスタッフ、講師陣も含め、参加するすべての人々がこれまでの自分の殻を破り、成長を遂げられるような活動を目指して実施しております。

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この活動は、こどもたちの放射線防護に留まらず、未来の社会を担う次世代のリーダーとしての福島とその周辺地域のこどもたちにフォーカスを当て、また、彼ら・彼女らのご家族をも巻き込み、さらにその活躍を支える理解者を、関東をはじめとする各地域に増やしていくことを狙うものです。

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詳細につきましては、公式ウェブサイトや、Facebook ページをご覧いただければ幸いです。

なにぶん、非営利の活動であることから、資金面ではいつも苦労しておりますが、今年の 4月より、非営利団体専用のクラウドファンディングサービスであるGlobalGiving への登録が叶いました。この活動は数十年、続けていかなければならないと考えており、長期的に、さまざまなファンディングの方法を検討していきたいと思っております。」と、先生は書いてこられた。



以下に、国連で読み上げられた福島の子どもたちの手紙を載せたい。


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小2の女の子。わたしは、小学校にとうこうするときは、あまり川とか気をつけていませ­んでした。これからも手あらいうがいをがんばります。

小4の男の子。ほうしゃのうがなくなって外であそびたいです。

小5の女の子。わざわざひかくてきせんりょうの低い南半球から、魚などをしいれてくれ­てありがたいと思います。それで私は、こんなに食べものなどせんりょうのことをきにし­てくれているので大切にたべたいと思います。

小5の女の子。221以上のほうしゃのうの種類があること、原発の見えないところにカ­ビやサビがあることを学びました。こんなじょうたいなのに、政府は...。たくさんの­人たちが助けようとしてくれてとてもありがたいと思います。

小6女の子。放射能での病気は、10年後にえいきょうするので、このことを気にするよ­うに友達に話したり、関心をもって気にかけていきたいと思います。

中学一年女の子。
私は、今回の事故があって、ニュースで見たり、聞いたりして10年後くらいに病気がで­るかもしれないと聞いてこわいなという気持ちはあったけどあまり関心はありませんでし­た。だけど今、私には心配なことが3つあります。

1つ目は将来、けっこんした時に、ふつうの人みたいに健康に赤ちゃんが産めるのかが心­配です。私のお母さんは、外で体育をしないようにしてくれたり、食べ物もできるだけ遠­くの県や国のものを買ってくれて、気を使ってくれてるけど少しは放射能を体内にいれて­いるのでふつうの人の体の中よりは私達の体内は汚れていると思います。なので、将来、­産まれる赤ちゃんもしょうがいをもって産まれてくるかもしれないし、運が悪ければ、子­宮が傷ついて赤ちゃんを産めないかもしれないので今から赤ちゃんを産めないというかく­ごしています。

2つ目は将来福島がどうなってしまうのかが心配です。福島県には、大好きなお父さんお­母さんもいるし、友達もいて、おばあちゃんおじいちゃんもいるので、本当はみんなで遠­くにひなんしたいけど、できないから困っています。私はお母さんが保養にだしてくれる­からいいけど、私の友達のお母さんは保養にだしてくれないという友達が多いので私自身­の体も心配だけど、友達や身のまわりの大切な人々の体が心配です。一番心配なのはお母­さんです。私のために無理をしてしまっているのではないかと心配です。そしてこのごろ­、放射能のせいで福島県に住んでいた人々が数年後病気になって死んでしまったという夢­を見ました。これが本当になるかもしれないと思ったら夜もねむれません。そして、その­夢が実現してほしくないと願っています。

3つ目は、政府の人々の事です。私達がこんなにつらい思いをしているのに、政府の人は­なにもしてくれないので悲しいという気持ちをとおりこして、すごくおこっています。命­の保護もしてくれなくて、しかも福島原発で作られた電気は、東京の人が使っている電力­で福島の人々が苦しんでいるのにしらんぷりをしているのはおかしいと思います。そして­、東京の政府の人々だけではなくて福島の県知事や市長もなにもしてくれなくて、こっち­はひがいしゃみたいな顔をしているけどあなた達もかがい者だからねと言いたいです。

最後に、世界中の人々が私達を心配してくれているけど、あまり原発の危険さを分かって­いないと思うので私自身もちゃんと放射能のことを世界中の人々の発信するとともに二度­と同じあやまちをおかさないようにみなさんにお願いしたいです。

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国連人権理事会の動画



先生のNPOはイギリスの GlobalGiving UK での登録もできたと言うことで、英国でのファンドレイジングの協力を依頼された。出来る限りのことはしたいと思うが、まず日本での知名度を少しでもあげることが大切と思い、皆様にお伝えすることにしました。

こちらのページで寄付の方法の詳細がでています。

ひとりひとりの寄付の額が少なくとも、数があつまれば大きな力になる。「市民社会の力」です。フクシマ原発が収束の様相も見えない中、子どもたちにそのしわ寄せが集まってしまっています。

そういう状況に一石を投じる人がいるとすれば、そしてその行動に賛同するとすれば、いちばん手っ取り早いのは、資金集めに協力することではないでしょうか。

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私も、英国のGlobalGiving UK にさっそく寄付をすることにしました。そして、この活動を英国の友人たちに知らせることにします。

皆様も、フクシマ原発の状況に、そして近隣の住民や子どもたちの苦しみに共感できる方は、ぜひ大勢の方にこの活動を伝えていただき、そして資金集めにご協力いただければ、幸いです。

社会の一員である私たち一人一人が、フクシマの子どもたちの将来に対して責任を感じることができれば、と思います。


どうぞ宜しくお願いいたします。

(追記)

斉藤先生から、皆さんのコメントに対して、以下のお返事がきました。

「ブログでのご紹介、ありがとうございます!
丁寧にお書きいただいて、ご自身の想いも伝わり、
感激しております。読者のみなさまのコメントにも、力を頂きました。

スケートについて、たくさん書かれていらっしゃるのですね。
私は、スポーツはあまり観ない方なのですが、
フィギュアスケートはよく観ます。
浅田さん、羽生さんを応援しています。

ちょうど博士号を取得した時期に、トリノオリンピックがあったので、
荒川静香さんの演技も強く記憶に残っています。
彼女も宮城での生活が長かったですね。

浅田さん、荒川さんの演技は
プリンスアイスワールドで生で観たことがあります。

ブログの読者のみなさまの共感が、
多くの人々の行動へと波及していくことを願います。」

斉藤先生もフィギュアスケートのファンだったんですね!

なんだか嬉しいですね。