思いが複雑で、ただでさえ遅いのに
1週間もかかりました。

羽生選手、
平昌オリンピック金メダルおめでとう!
66年ぶりの男子シングル連覇おめでとう!
日本人金メダル1号おめでとう!
冬季五輪1,000個目の金メダルおめでとう!

とても嬉しいです。
ありがとうと言う言葉だけは
表現出来ないほど
感謝の気持ちでいっぱいです。

思えば韓国入りからずっと毎日幸せだった。
空港に現れた羽生選手見て、
その肌ツヤの良さに驚いた。
公開練習初日の基礎練習の美しさに
感動した。
翌日のプレカン、
「やるべき事はやってきたので、
不安要素は何もないです」
と言う言葉に胸を撫で下ろした。
毎日テレビで映される公開練習の様子見て、
楽しそうに笑う姿を見て、
もう怪我は大丈夫なんだと思った。


16日
そしてついに来たショートプログラム当日。
連日の報道でかなり安心していたけれど
やっぱり試合直前は不安が押し寄せる。

私が応援してるのは「羽生結弦」なんだ。
「羽生結弦」は絶対に決めなければいけない
ところは必ず決める。
あの世界最高得点を更新した2015年
グランプリファイナルや
去年の世界選手権のように。
そう信じて見ていた。

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製氷が終わり、最終グループがリンクイン。
製氷したての美しい氷の上に立つ
羽生選手の姿を見て、涙が出た。
よくこの舞台に帰ってきてくれたと。

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記録更新こそ出来なかったけれど、
私は今まで一番の演技だと思った。
本当に素晴らしかった。

そして一斉に報道される
ショート1位のニュース。
その日一日ほぼずっとテレビ見て
その喜びに酔いしれた。
そしてだんだんフリーへの緊張が
高まってくる。

17日
運命が決まるフリー。
羽生選手の金メダルを信じて、
金メダル後の未来を想像して
それは現実になると信じて祈った。
羽生選手が金メダル取っていない未来など
あり得ないと。

前日のパーフェクトなショートプログラム。
フリーもパーフェクトで最高記録更新を
期待した。
それが出来るコンディションだと
思っていたから。

フリーは後半のサルコーの
コンビネーションジャンプまで完璧。
4Tをステップアウトして不安がよぎった。
最後の3ルッツ、あわや転倒を持ちこたえた。
これで最高記録更新まではいかない。
そこだけがほんのちょっと残念だった。
この2つのジャンプ以外は本当に素晴らしい
演技で感動した。

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演技終わって羽生選手がこれ以上ないくらい
喜びを爆発させているのを見て、
嬉しかったのだけど
ちょっと違和感を感じていた。
パーフェクトな演技を目指していた羽生選手が、パーフェクトとは言えない演技で
なぜそこまで喜んだのか。

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全員の演技が終わり、
金メダルが確定した時、
涙が溢れる羽生選手を見て、泣いた。
ああ良かった。
羽生選手の心から欲する物を、
手にする事が出来のだと。
喜ぶ羽生選手を見られる事
本当に嬉しかった。


私は金メダル取ったら、
喜び一色になると思っていた。
しかしすぐに淋しさがやってきた 。
長く思い描いていたオリンピックの試合が
終わってしまった。
そしてあちこちで聞くインタビューで、
だんだん分かってきた足の状態。

実は右足はかなり悪かった。
痛み止めを飲まなければ、
ジャンプは跳べない、
着氷できないような状態。
痛み止めもしっかり効かず、
ジャンプによっては降りた時
「うっ」となるような事もあったと。

事実を知り、切ない気持ちでいっぱい
「不安要素は全くない」と言う言葉は
メディアコントロールであった。
本当は全然万全ではなく、
右足がもってくれるかどうかという
ギリギリの状態。

ああそうか。
だからパーフェクトでなくても
転倒無く滑りきる事が出来たから、
あの喜びだったのか!
最高得点更新出来なかったのを
ちょっと残念に思った事を
本当に申し訳なく思った。

報道ステーションで富川アナが
「もう大丈夫じゃないかと、
状態は良いんじゃないかと
勝手私安心してしまった。」
と言われた。
修造さんも私が疑問に感じた
堪え着氷を実演して
「これは後悔では無いんですか?」
と聞いた。

つまり私と同じ。
ということは、かなり多くの人が
きっとそう思っていたに違いない。


嬉しい
淋しい
切ない
申し訳ない
そして悲しい。

おかしい、念願の金メダル取ったのに
辛いほうが多い。


羽生選手は実に清々しく「幸せです」と
語ってくれる。
あちこちで喜びの声が聞かれ、
海外からも絶賛の声。
これは試合前に私が思い描いた未来。
だけどこんなに切ない気持ちになるとは
思っていなかった。

羽生選手が幸せを掴んだと言うのに
なぜ悲しいのか。

達成感で満ち溢れている
取るものは取ったし、やるべき事もやった。
今本当に幸せであると。
漫画の設定にしても、盛りすぎと言われてる
連覇までの道のり。

会見、インタビュー等で
私が感じた羽生選手の心のイメージは

漫画的なクライマックスシーン
最後の強敵を打ち破ったその瞬間、
空を覆っていた暗雲が、
眩い光とともに消え去り
一点の曇りもない
透き通る青空が広がって行った
と言うイメージ。

羽生選手の心にはきっと、
そんな幸せという青空が
広がっていたのだろうか?

そして大団円の後に訪れるものは
物語の終わり。

幸せと語る彼に、競技者としての
終わりを感じてしまったのだ。
だから悲しかった。

悔しさをバネに次の試合に向かっていた姿を
見続けて来たから、
悔しさのかけらもない今の羽生選手に、
次の試合に向かう姿が見えなかった。

幸い現役続行を明言してくたけれど、
4アクセルだけがモチベーション。
羽生選手なら、足さえ良くなれば、
そう遠くないうちに4Aを完成させて
しまいそう。
あとどのくらいアスリートとしての姿を
見ることが出来るのか。


このシーズンの後に、大きなルール変更が
予定されている。
ジャンプ重視のいまの採点を変える。
これはオールラウンダーの羽生選手に
とって悪くない変更だと思う。
4Aは勝つ為ではなく夢の実現であるから
たとえどんなに低い点になっても
気にしないだろう。

羽生選手が4Aチャレンジをしながら現役を
続けていくにあたって、
新しいモチベーションに出会い、
少しでも長く
できれば次のオリンピックを目指して
現役を続けてくれる事を願っている。

どうか羽生選手の足が
早く良くなりますように。
そして子供の頃からの目標である
4Aチャレンジを大きな怪我なく
できますように。

羽生選手の平昌オリンピックの物語が
幸せを掴んだハッピーエンドで
本当に良かった!
望むべきはその物語が番外編ではなく
続編として続きますように。


本当はこの記事この前で終わりでしたが、
23日フジテレビに生出演した際に
「出来ない事が今あまりにもあり過ぎて、
悔しい気持ちがちょっと芽生えて
来ちゃったんですけど。」
と言ってくれた!
この言葉は次の物語へ続く希望。
とても嬉しい。

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平昌までのジェットコースター、
終わったと思ったら、自分の気持ちが
もう一周していた。

羽生選手、改めておめでとうございます。
そしてたくさんの喜びと幸せと感動を
本当にありがとうございます。


※写真は全てテレビ画面撮りです。