今回のイベントタイトル「ordinary days」について書いてみます。


 イベントのタイトルは、その企画内容とともに紆余曲折がありまして、二転三転してしまいました。アートイベントとしては、地域名とか分かりやすい企画趣旨をまず入れようと当初は思っていました。



 基本的に今回のイベントは企画内容から入ったイベントだったのですが、その当初の企画自体が諸事情により難しくなってしまい、今回、タイトルに悩みました。


 その諸事情の最大の理由は「準備の問題」なのですが、もう一つ、大きな理由として降って湧いたのが「震災」です。この現実と表現がどう向き合うか?表現をするイベントがこれを避けて良いものかどうか?をキチンと考えようと。


 準備とか段取りの話としても、震災後の混乱で準備どころか、開催すらもどのように行うべきか?行えるか?など、二転三転してしまいました。


 こちらとしては、そこから2ヶ月ぐらい自分がアートイベントどころではない事態となってしまって、そこで動くのが遅れた面もあります。


 もちろん、準備はある程度していたので、できれば、やりたいとは思っていたのですが、絵描きのような存在は、こういう時期に絵なんか描いてる場合ではなくて、力仕事でもやった方が有益だろうという事も、その時は思っていました。


 というか、今でも半分は思っていますが、群馬県東毛地区に関する限りでは、かなり日常が回復したように見えるのも実情で、その実情に合わせて行動すべき点は出てきたようにも、ある時期から思いはじめました。


 そして、その中でこういう混乱の中ではメンタルの問題が大きいようにずっと感じてきました。メンタルの問題は表現の問題に大きいので、今、作家がやれる事もあるのではないかと。


「ordinary days」というタイトルは、その実情に沿ったものとして行いたいと思って、つけたものです。


 もともとこのタイトルは、青木ヨーマさんに創って頂いたflyyying girlという自分がやってる創作の為のイメージソングのタイトルであります。自分にとっては、昨年もっとも想い出深い創作の一つであり、ずっと気にかけてきました。


 そのタイトルが、今回の震災を受けて、意味合いが変節してしまったように思えたので、もう一度クローズアップしたいなと考えました。その時に、このイベントの事が頭に浮かんだのです。


 もちろん、それは個人的な想いでありますが、その個人的な想いこそが自分にとってのordinary daysであるなともまた思いました。


 震災後、大仰な言葉が並んでる現実を見て、表現をさりげなく行えないかなとも考えました。


 たぶんアートイベントをまとめるものとしては「ordinary days」というタイトルは分かりやすく無くて、すごく狭いものに思えるのだろうとは思っています。


 ただ、イベントでなく表現として考えた時に、こういうタイトルを今打ち出そうと決めました。それは、実際の展示でクローズアップしていきたいと思います。


 今回、アートイベントと銘打ちましたが、準備の問題もあり、実質はグループ展に近いものにしか出来ないと思います。なので、各作家の表現を素直に見て頂きたいなと。


 但し、時間的な問題もあり、おそらく各作家はこのテーマに沿って作品を創るという事もなくて、たぶん作品はヘビに関連するものが増えるのではないかと(予想ですが。そのへんはノータッチです。)


 その中で、構想では、メインの展示では「ordinary days」というタイトルを最大限、拡張するような展示を企画しています。これを見れば分かるレベルで仕上げようと今制作を考えています。これは、スネークセンター自体のordinary daysの意味合いも含めて行いたいです。


 今回、レジャー施設で展示をやるという事は、あくまで通常展示(ヘビの展示)がメインのたのしみとしてあるという事なので、自分たちは、そちらの面白さを引き立てる為の添え物として機能しなくてはならないという事も考えています。


 しかし、さりとて、それでお客さんの楽しみにつながらないのもダメなので、その部分に関しては、出来るだけ作家の主張や作品そのものが彼ら、彼女らのordinary daysとして、お客さんに見てもらえるような流れを現在、考えています。


 全体的には、非日常を日常化する試みをしたいと思っています。なので、それをまた期待してのタイトルでもあります。レジャー施設という非日常の日常。


 基本的に、今回の展示は、全体的に表現が震災を受けるものが多くなると思いますが、それを前面に出さずに表現として内包する時の線引きとして「ordinary days」というラインを一つ設定してみました。これが今回のタイトルをつけた自分の中では一番の大きな理由です。


 起こったものは起こったものとして扱うという事。そんな事を考えています。それぞれの日常を娯楽として見せられればと。


 今回、イベント自体、一ヶ月以上の長丁場の中でやります。なので、いつしかそれがスネークセンターのordinary daysになっていけるよう、いろいろ創り込んでいきたいと思っています。少しでもあとに残るものがあればと。


 展示は、期間中も変質していく予定なので、皆様よかったら、自分たちの「ordinary days」を見に来てください。内容は今後もブログで順次、お伝えしていきたいと思います。よろしくおねがいします。本番は7/24(日)から。