☆アメンバー100人記念☆
風月さまよりリクエスト
『カメラマン蓮様とグラビアキョーコちゃん』のお話♡
しばらく限定☆が続いていましたが……(//∇//)
通常のみでお楽しみ頂いている方は、
⇒ 密室の写真撮影 (14) の続きになります♪
今から!という方はあんまりいないかな?一応1話目はこちらです♪
⇒ 密室の写真撮影 (1)
翌日早朝ーーー
「蓮ちゃん……?」
「…………SUMIMASEN…………。」
「撮り直しはいいとして……
キョーコちゃんをこんなにしてーーーっ!!
これじゃ、着られる衣装が限られちゃうじゃないっ!!」
ぷりぷりと怒りを顕にするテンに、頭が上がらない蓮。
その横で真っ赤な顔で俯き、黙りこくっているキョーコ。
怒りながらもてきぱきとキョーコの衣装とヘアメイクの準備を進めるテンの後ろで、蓮とキョーコは顔を見合せ、バツの悪い様子で微笑みあった。
そんな二人の空気を背後に感じたテンは、ため息を溢しながらも、ほんのりと胸に灯る暖かいものに笑みを浮かべた。
そうして一から撮影をし直したキョーコ。
蓮がキョーコの至るところに刻んだ紅い所有印の華々を隠すことの出来る衣装のみで撮影したそれは、グラビアとは……とても言い難いものとなった。
がーーー
* * *
それから数ヵ月後ーーー
「おう、来たな、蓮。」
「ご無沙汰してます、社長。」
社長室へと通された蓮は、きちんとしたお辞儀を経て中へと入る。
「まぁ、座れや。」
葉巻を吹かしながら、向かいの椅子を指し示す社長のローリィ。
「はい……失礼します。」
蓮が応接椅子へ腰掛けると、ローリィの付き人によってさっと用意される香り豊かな一杯の紅茶。
「お前がクーのもとを飛び出してきて、もう4年……か。」
「そうですね……。」
蓮は一体何を言われるのかと、やや俯き加減に顔を強張らせている。
「親父を超えるカメラマンになりたいって泣きついてきた時ゃ、俺も思わず鼻で笑ったがーーー」
え?そうだったのか……と蓮が顔を上げると、
葉巻を灰皿に置いてニヤリと不敵な笑みを浮かべたローリィ。
「やったじゃないか、蓮ーーー!」
「え?」
すると、ローリィはバサッと一冊の写真集を机上に取り出した。
「これはーーー」
「おう。お前さんの女のあれだ。」
「おっ……///」
“お前の女” という響きに、思わず頬を染めた蓮。
「俺はヌード以外は出させるつもりはなかったんだがな……。」
「……うっ、すみません……」
結局ヌード撮影用に撮っていた写真は全て蓮以外の者の目に触れることはなく、撮り直した写真でキョーコの写真集を作った。
蓮の刻みまくった所有印を隠した衣装のみで撮影されたそれは、もはやグラビアではなかったが、キョーコの蓮に向ける初々しくも可愛らしい笑顔と、蓮の手で大人の女性へと引き出された色気によって、それはもう服を来たグラビアと言われる程の色っぽさとなり、見えない部分の想像を掻き立てられるような絶妙な仕上がりとなったのであったーーー。
「つくづくクーの息子だな、お前は……。」
「えっ?」
「ふっ、クーもジュリのヌード撮影の途中で誰にも見せられなくなって……、ああなったんだ。」
「ええっ!?」
初めて聞いた両親の馴れ初めに驚く蓮。
クー、つまり蓮の父親はモデルである母親ジュリエナの専属カメラマンをしている。
アメリカのトップモデルとして輝かしい道を走り続けているジュリエナの、専属カメラマンであるクーの撮った写真は視るもの全てを魅了すると言われる程の腕前の業界トップのカメラマンだ。
幼い頃から父親に憧れてカメラが一番の遊び道具だった蓮は、父親についてスタジオを出入りしたり、父親を真似て母親の写真を撮ることが何よりも楽しみとなっていた。
しかし蓮も年頃になり、本格的にプロのカメラマンを目指し始めた頃、大きすぎる両親のネームバリューと回りの羨望に堪えられなくなった蓮は、その活動場所を第二の故郷でもある日本へと移した。
しかし、顔も名前も知られていないこの日本ですぐにのし上がれるほどそこは甘い世界でもなく、仕方なくグラビア撮影のカメラマンとして甘んじていた。
それでもグラビアの世界ではそれなりに名を売り始めた蓮だったが、まだまだクーの足元にも及ばない、そんな自分に嫌気がさしていた所だった。
「増刷の依頼がジャンジャン来てるぞ。
よくやったな、蓮。」
「ありがとうございますーーー!!」
それから順調に売り上げを伸ばした写真集はメディアでも取り上げられるようになり、被写体であるキョーコには各所からのオファーは鳴り止まない程となった。
⇒ 密室の写真撮影 (20) 最終話へ続く
あと1話で完結の予定です\(^o^)/