
フェルメール展にいってきました。日々音楽漬けではまずかろう、たまには絵画でもみて気分を涵養しなければ・・。
ステキでした。実に深いフェルメールについて書こうとしていますが、慣れぬ美術へのコメントに困ったところで思いついたのは、やはり音楽のことでした(汗)。
今回の展覧会のタイトルは『フェルメールからのラブレター展』、確かに本人の出展作品3点はともに手紙にまつわるものでしたから、なるほどと感心しつつボクの気持ちは古い懐かしいスタンダード・ナンバーに走り寄っていたのです(笑)。
その曲が"I'm gonna sit right down and write myself a letter"、邦題が「手紙でも書こう」です。
この曲を最初にヒットさせたのは、ファッツ・ウォーラー。あの「浮気はやめた」でお馴染みのふとっちょさんです。
かれの歌は始まりから2分近くたってからで、なんとも淡々と歌っています。恋文を書くような雰囲気ではないのが持ち味でしょうか?
書かれたのは1935年だそうです。昭和でいうと10年ですね。
資料によれば、ファッツは録音当日に楽譜を渡され、すぐに気に入ってレコーディングしたそうです。
次は、30年代から活躍している女性コーラス、ボスウェル・シスターズです。
明るく楽しいコーラスが持ち味。いい時代だと思います。
3番目は、ナット・キング・コール、1961年の録音です。
今回この曲を記事にするきっかけはこの人。
ポール・マッカートニー、ニュー・アルバム『KISSES IN THE BOTTOM』のなんと1曲目に収録されているのです。
この映像でお分かりですね、ピアノ(とリズム・アレンジ)は全曲ダイアナ・クラール姐さんです。
次は大好きなペリー・コモが黒人女性歌手マーサ・デヴィスと一緒に楽しそうに歌っています。
楽~~なコモの歌とお茶目なマーサのやりとりが最高!ですね。
最後は、やはりボクの定番、SWING EASY!におけるシナトラにとどめを指します。
ネルソン・リドルのスウィンギーなアレンジにしびれ続けてン!十年(笑)。
ところで、この歌詞お分かりです??
恋人に手紙でも書こう、だと思ったら大間違い。
キチンと座って自分で自分宛てに手紙を書こう、という内容なのです(笑)。
自分で自分宛に書きながら、「それをあなたからの手紙だと自分に思わせよう」と、
「うんとスウィートな言葉を連ねよう。その言葉はボクを感激させる」ですと。
モテない男のお茶目な歌なのです。
だからフェルメールが描く“ラヴレターを書く人”の思いつめた姿勢とは違って
ファッツ・ウォーラーのようなお茶目な歌唱が大うけしたというわけですね。チャン、チャン!