名前に@原発いらないを付けているので、
ピグ内でよく原発について話しかけられます。
その中で必ず聞かれる5つの質問とその回答をブログに書いておこうと思います。
その前に少しだけ前提を確認して下さい。
マスコミはあまり伝えていませんが、歴史上、最悪の原発事故が起きています。
すでに2年近く経つのに収束できていません。
今も放射能は漏れ続けており、どこまで被害が広がり、何十年続くかわかりません。
海を汚染して、日本が国際的にどういう責任を負うかもわかっていません。
実感がないかもしれませんが、今日本で起きているのは本当に大変なことです。
それを踏まえて続きをお読み下さい。
<「原発いらない」と言うと必ず聞かれる5つの質問>
1.原発がないと電気が足りなくなる?
いいえ、電気は足ります。
昨年の夏に福井県の大飯原発が再稼働されるまで、日本の原発は全基停止していましたが
それでも普通に暮らせました。
今日現在も、日本中で動いているのは大飯原発の2基だけです。
大飯原発は去年の夏、原発なしでは乗り切れないということで再稼働しましたが、後になって原発を動かさなくても夏を越せたというデータが中部新聞から出ました。にも関わらず、とっくに夏が終わっても未だに大飯原発は動いています。おかしいですね。
大飯原発は関西なので、それ以外の地域は今も原発ゼロ状態です。大都会、東京もです。
電気が足りなくなっていますか??
地域によっては夏の間、節電目標を立てられて自主的に節電に取り組み、
電気の使えない不便さを実感した方も多いかと思いますが、
それらは政府と電力会社のウソです。
彼らは原発を続けたいので、必要のない節電をさせて、みなさんに原発の必要性を実感させようとするのです。
2.原発がないと電気代が上がる
たしかに原発が動いていないことを理由に、電気代の値上げが実施されています。
これは電力会社の横暴としか言えません。
電力会社は民間企業なのに一社で地域を独占しています。
私たちは電力会社を選ぶことができません。どれだけ値段をつり上げられても、地元の電力会社から買うしかないのです。
まずこれが本当におかしな点です。
ニュースなどで「電力自由化」「発送電分離」などと言われているのは、他にも電力会社の参入を認めましょうよ、ということです。私はこれに賛成です。
今のままでは電力会社が値段を自由に決めて、殿様商売を続けるだけです。
横暴とはいえ値上げ自体は受け入れざるを得ない状況になると思います。
ただし、ここで「原発はコストの安いエネルギーである」というウソに騙されないで下さい。
前提に書いたことを考えてみて下さい。
原発は得るものに対して、失うものがあまりにも大きすぎます。
決して安いエネルギーではありません。
また、ウラン燃料を外国から買っている(あと30年でなくなるという人もいます)という点では石油や石炭と変わらず、日本がエネルギーを自給できていることにはなりません。
3.原発の代わりに火力を使うと燃料コストが高いし、CO2を出す
原発事故が起きるまで、原子力は「安くてクリーンなエネルギー」と言われてきました。
でも、これも事故後にウソがバレています。
今まで安いとされてきた発電コストが、実は火力・水力よりも高かったというデータが出ました。
また、原子力はCO2を出さないということを売りにしてきましたが、CO2どころか放射能をまき散らしてしまっては取り返しがつきません。(これは何も事故に限ったことではなく、原発は通常運転しているだけでも微量の放射能を放出しつづけています)
火力はたとえ事故が起きたとしても、国土が失われ、大勢の人々が生活を奪われ、せまい日本に今後数十年は住めないという場所ができるようなことはありません。
観光客が減り、周辺国が放射能汚染された日本からの輸入に制限を加えることもないでしょう。
そんな風になってしまう原発事故は、ただ事ではないのです。
燃料の価格だけがコストではありません。
総合的に見ても火力は原発よりもずっと安くて安全なエネルギーだと言えます。
4.いきなり原発ゼロにはできない、段階的に減らすべき
こういう意見が本当に多いです。
「段階的に」というのが具体的にどういう段階を踏んでいくのかまで考えてくれるといいのですが、ほとんどの人はそこの部分を他人まかせにしています。
「どうせ今すぐは変えられないし、誰かがなんとかしてくれるだろう」という感じです。
私も、日本が原発をやめる道筋を示してくれるなら、「段階的」で構わないと思っています。
でも現状はそうではありません。
なし崩し的に再稼働に踏み切って、原発は維持していこうというのが今の政府の考え方です。
安倍首相は「新設もあり」と言っていますから、この狭い日本にまた原発が増える可能性もあります。
これまでの3つの質問に対する回答を思い出して下さい。
原発は安くもないし、クリーンでもないし、事故ったら取り返しがつかない上に、
今現在、電気は足りています。
「今すぐ原発ゼロ」は決して難しい話ではありません。
できるかできないか、ではなく、やるかやらないかという、それだけの話です。
5.安全基準を高めれば大丈夫?
まず、福島第一原発の事故を「津波さえこなければ大丈夫だった」というのは間違いです。
国会の事故調査委員会でも報告されていますが、福島第一原発の事故は地震によるものです。
だから高い防波堤を作って津波から守れば大丈夫、というものではありません。
どうやら日本は地震の活動期に入ったそうで、今も頻繁に地震が起きています。
日本中の多くの原発はすでに老朽化しており、活断層の存在が指摘されている所も多々あります。
新しい原子力規制委員会という組織が発足し、今年の夏までに新たな安全基準を設けるそうですが、おそらくまともな基準でまともに審査すれば今ある原発のいくつかはクリアできないでしょう。
問題は「新たな基準」に合わせた原発を新設するかどうか、という問題に移っていくと思います。
繰り返しになりますが、原発が高コストで、持続不可能なエネルギーであり、なおかつ電気が足りている以上、たとえ120%安全な原発であろうと不要であるというのが私の結論です。
そしてこれから数十年かけて廃炉にしていかなければならない、本当に厄介な粗大ゴミです。
原発はもう時代遅れで未来のないエネルギーなのです。