つっ走る老人たち | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

今年発表された芥川賞の受賞者は黒田夏子氏、75歳。
これまでの最高齢ということでも話題を呼び、受賞作品『abさんご』は品切れ状態 だという。

芥川賞と言えば、新人作家に与えられる賞という事になっている。
これまでの最高齢での受賞者は、1973年に受賞した森敦氏(当時61歳)だった。
だんトツの高齢受賞者として話題を呼んだものだった。
受賞後も数多くの小説を発表したり、テレビでも話題となった。

芥川賞は、かなり注目を浴びている賞ではあるが、
「えっ! あの人、芥川賞を受賞していたんですか?」と言われることもよくある話。

そんな中で、最年少の受賞者として知られた人物と言えば、
『太陽の季節』で受賞した石原慎太郎氏。
今は、国会議員に舞い戻って、「暴走老人」などと言われているが、
当時は、格段に若い23歳での受賞だった。

あれから年輪を重ねて行くに従い、さらに、つかみにくい人物となっている石原氏を、
一昨年に亡くなった落語家の立川談志氏が評している文がある。

「彼は、都知事以外にポジションがないんだろう。
プライドを満たすところが居場所なんだなぁ。
小説はたいしたことないし、総理にはなれないし、、。
東京丸、日本丸をどうにか、右に左に舵を切ろうとしたら大変なことになる」

この人物評が当たっているかどうかは、「読者の判断」という事になるが、
語った立川談志氏も、何ともつかめない人物だった。

1964年頃に、売れない漫画家「やなせたかし」氏と『まんが学校』
というテレビ番組を行なっていたころは、
爽やかな好青年だったが、この人こそ暴走老人になっていったという感がある。

つかめないと言えば、
受賞者の森敦が書いた芥川賞受賞作品『月山』の冒頭の一文に、

『月山は、月山と呼ばれるゆえんを知ろうというものには、その本然の姿を見せず、
本然の姿を見ようとする者には、
月山と呼ばれるゆえんを語ろうとはしないものです。』と書かれている。

石原氏も立川談志氏も、この種の人物は、
本然の姿を見せようとせず、月山のように孤高を守って存在している。

暴走する魂を持ったまま。


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<了>