ぽーは 長い間 がん の 生命保険 を かけていました。


乳がん になり 手術 を しましたので 


保険会社 から 書類 を とりよせました。


保険会社 から 送られてきた パンフレット には


乳がん と 診断 され  入院  根治治療  を うけた 場合 というところに


あなた の はいっている 保険 は これですよ    って


印 が して ありました。


みると  新車 が 買えるくらい の 数字 が ならんでいます。


へー    こんなに もらえるんだー


ぽーは 静かな男先生 に


「 入院 手術 等  治療証明書 」   を 書いて もらって


保険会社 に 提出 しました。


でも


後日 保険会社 から 送られてきた お支払い金 の 明細書 は


ぽーが N 病院 を 退院 した 時 に 支払った 金額 と 同等 か


あるいは やや 少ない くらい の 金額 でした。


乳がん で 手術 を しましたが


がん保険金 は 支払われて いませんでした。


ぽーは 不思議 に 思って 保険会社 に 問い合わせ を しました。


すると   電話 に でた 担当者 の 方 は


ぽーの 乳がん は  非浸潤がん ( 初期 の がん )  と


病理判定 されたため


がん 保険金 の 支払い対象 に 含まれない   と 回答 されました。


浸潤がん  の 人 だけ に がん 保険金 が 支払われる のでした。


ぽーの 契約 した 保険 は


非浸潤がん ( 初期 の がん ) は がん保険金 が でない 契約 だった


こと を     ぽーは この時 はじめて 知りました。


保険会社 は ぽーと 保険 の 契約 を する 時に


このことについて 説明義務 が あった と 思うのですが


契約時 に まったく その話 は なかった のです。


ご契約 の しおり という 冊子 を 調べてみます と


それは  それは  小さい  小さい  字 で


「 ただし 非浸潤がん ( 初期 の がん ) は 除く。」


と 書いて あったのでした。


ぽーは あとだしじゃんけん を された 気持ち が しました。



契約 の 時 言いましたよ


だって 契約書 を よく みてください


初期 の 乳がん は がん保険金 が でない って 書いてあるでしょ


あなたが 説明 を 聞いたのを 忘れたんですよ


ここに 書いて ありますからね



ぽーは なんだか だまされた 気持ち が しました。


なんとも やりきれない 気持ち も しました。


乳がん で 左胸 を なくしても 


がん保険金 は でない 


訴えること も できない


そんな  からくり   に なっていました。


なんのために 長い間 がん保険 を 支払って きたのか


なんのための がん保険 なのか


はじめから 保険会社 は パンフレット に  堂々  と  大きく  


ただし 非浸潤がん ( 初期 の がん ) は 


がん保険金 は 支払いません    と 書いて ほしかった。


それで すむ 話 だ。



あなたの がん は 初期 で たいした がん では ありませんよ


と 言われた 気 が しました。


ぽーは 腹 が たって  やがて 悲しい 気持ち に なりました。


( 今では 非浸潤がん でも がん保険金 が でる 


 保険会社 が あるそうです。)



ぽーは まだ 若くて 独身 だった 時 お見合い を したことが あります。


世話好きな おばちゃん が いて


彼女 は ぽーに  某 大手 の 保険会社  に おつとめの人 を 


紹介 しました。


高学歴  高収入  高身長   で


お話 を してみると  実直 そうな 人 でした。


お顔 だけが イケメン では ありませんでした。


大手 の 保険会社 でしたから


会社 には きれいな 女性社員 が たくさん いらっしゃるのに


どうして お見合い なんて されたのかしら  と 不思議 に 思いました。


その お見合い の 人 との 話 の 中 で


自然 と 保険 の 話 に なりました。


彼は


日本中 には これだけ の 人 が いて


一生 の うち に 病気 に なる 人 は これぐらい いる と 考えて


その中 で がん に なる 割合 は これぐらい で


その がん に なった 人 の 生存期間 は このくらい と 考えて・・・


そうすると 


私たち 保険屋 が 支払う 保険金 は このくらい の 金額 になって・・


支払う 保険金 は 全体 で このくらいに おさめない と


いけませんから・・・


と  某 大手 保険会社 に おつとめの お見合い の 人 は


延々と ぽーに 保険 の 話 を しました。


保険会社 の 方 から おしかり を うけるかも しれませんが


確かに あの時 彼 は そう 言った のです。



それを 聞いた 時      ぽーは


保険会社 の 人 は 病気になった人 を 数字 で ひとくくり に とらえて


支払う 保険金 の 金額 で その 病気 の 程度 を 把握 し


支払う 保険金 の 額 が 最も 重要 で


病気 に なった 人 は 重要 では なくて


会社存続 の ため できるだけ 支払う 保険金 は 少なく おさえる のが


最大 の 関心事 なんだ


と  思いました。


たしかに 会社 に とって 安定した 会社経営 を 


いかに 合理的 に すすめるか ということが 生命線 に なることぐらい


経済 に しろうと の ぽーでも 理解 できます。


でも      ぽーは


病気になった ひとり ひとり の 気持ち を 大切 にする 


お仕事 の 人 が いい。


病気 に なった 人 に よりそえる 人 が いい。


と  思いました。


この 某 大手 保険会社 の 人 は 


まじめに 会社 の ため 家族 の ため に 働く人 だと 思いました が


この人 とは いっしょに 暮せない と ぽーは 思いました。


後日  お見合い を すすめてくれた 世話好きな おばちゃん に


「 ご縁 が ありませんでした。」


と  お伝えしました。


おばちゃんは あきれた 顔 を して  ぽーの ことを みました。



あの時 ぽーと お見合い を した 某 大手保険会社 に おつとめの人 は


いまごろは 管理職 に なっている でしょうか。


えらーい 席 でも 座って



乳がんね


非浸潤 がん ね


で  全摘  と。


はい。   これ  がん保険金  払わなくてよし   と。


と  でも 言って


ぽーの 提出 した 書類 に  ポン  と 印鑑 を 押しているかしら。



ぽーは 保険会社 から 送られてきた  保険金支払い明細書  を みて


そんなこと を 思いました。



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