秋がこんなに色豊かな事に
気がついたのはいつだっただろう
寒い冬へと向かう通り道
凍てついた大地で生まれ育った私には
秋は色のない冬への入口だった
東京に来て初めての秋
金木犀のいい香りと
暖かい空気に満ちていたっけな
少しづつ空気が冷たくなっていく
少しづつ洋服が厚手になっていく
暖かいスープを飲み
湯気がご馳走なんて言いながら
カップで冷えてきた手を温める
今年のように天気が悪くても
マンションの工事で
部屋が何日も何日も暗くても
それらには終わりがくるから
終わるまで公園に行こう
終わる頃には冬かもしれないけど
暖かい布団の中で
体温探しながら一緒に寝よう
そんな感じ