
私の夏の定番手作り甘味、水ようかんです。
こしあんを棒寒天で固めた、涼を呼ぶ和菓子。
ちょっぴり塩を入れて甘みを引き出すのがコツ。
さらに、画像にはありませんが桜の花の塩漬けをほんの少しずつトッピングして、香りの変化を演出。
昨日、心を込めて作ったこの自慢の差し入れを持って、今日もすみだトリフォニーホールに行ってきました。
先週の日曜日に引き続き、「すみだ区民音楽祭2012」を聴きに、今日は大ホールに向かいました。
15時10分~16時10分「シューベルト・コーア」
指揮・編曲は私の大学時代の友人、吉元貴弘さん。
この団は先週の混声合唱よりは人数の多い、女声合唱です。
そこにピアノ・キーボード・パーカッションを入れてオーケストラサウンドにより近づけるよう工夫を凝らしています。
この団は2006年の結成以来、これまでも「モルダウ」全曲や「白鳥の湖」からの抜粋組曲など
毎年毎年大曲に果敢にチャレンジし
その度ごとに大きな演奏成果を得て成長を続けているのです。
大人が、夢中になり、目に見える形で成功体験を積み重ねられること。
あきらめないこと。限界を定めないこと。色々な面で、心を動かされる演奏会を毎年楽しみにしている私です。
もう、すみだ音楽祭にとって要ともいえる団体ではないでしょうか。
思えば私も最初のトリフォニーからずっと応援し続けてるんですね、いつの間にか6年、あっという間。
さて、今年はロマン派オペラ名曲集、ということで楽しみに聴いてきました。
まずは「椿姫」より前奏曲~乾杯の歌。
乾杯の歌だけを楽しく取り上げる団なら他にもあるかもしれないけれど、ここはそんなありきたりなことはしませんよねぇ。
まずキーボードで弦の切ない嘆きのハーモニーが会場を満たすと、そこはもうオペラの幕開けのようで、一気に曲の世界にひきこまれました。
どの曲にも言えるのですが、合唱が入っていない部分の器楽パートもきっちりと作り込まれていて
まるでオーケストラがピットで演奏しているみたい。
乾杯の歌、次の「ホフマンの舟歌」、そして「だったん人の踊り」ここでは特にアルトのユニゾンの音色やピッチが揃っていて
ぐっと気持ちをつかまれるような演奏。
だったん人の踊りの中間部は非常に熱く情熱的で、この辺りからソプラノも真価を発揮し始めたようでした。
ここで弓田先生のソロ「トスカ」より「歌に生き、恋に生き」、「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」素敵でした!!
普段オペラに足を運ぶことがあまりないお客様にも、こういった声楽ソロを楽しんでいただく企画は
大変有意義だと思います。
予算の都合もあるかと思うのですが、簡単なあらすじやアリアの歌詞を、字幕で流せないかしら。。。
ただ「声がすごーい」という感想だけで終わらない、心に残る演奏会になると思うんですけど、ね。
そこから、「オペラっていいな」って思って実際のオペラ公演に足を運んでくれる方が増えたりとか
「こんな素敵な歌をこの団で歌いたいな」という方がいらっしゃるかもしれないですしね。
後半はまず「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲と、復活祭の合唱。
間奏曲は単独でもよくオーケストラなどで演奏される比較的有名な曲です。
歌詞がつくと、新しい魅力が加わって素敵ですね。この曲もはじめから細かく細かくダイナミクスの指示を出す吉元さん。。。
そしてハイCから降りてくる鬼のようにハイテクニックな(!!)弓田さんのオブリガート。。。
合唱もハイレベルな要求について行ってしっかりと音にしているのはさすがとしか言いようがないです。。。吉元さん。。。まー鬼だわ。。。
復活祭の合唱は、喜ばしさの中に一抹の悲しさとサントゥッツァの苦悩が「アレルヤ」の祈りに込められた、名場面です。
合唱、ソリスト、パイプオルガンが織りなすハーモニーが美しく厳か。素朴な祈りの歌も、最後には熱く盛り上がってクライマックスを迎えます。ここでも、ソプラノさん、スイッチ入りましたよ!!!!!
最後の曲は「アイーダ」の第2幕から、凱旋の音楽。
われらが音楽スタッフとしてソプラノに加わっていたみいあさん、完全にスイッチ入ってるのがわかった!気迫十分です。
祭司たちの合唱「勝利を神に感謝しよう」の部分は、本来は男声合唱が担当する部分ですが、女声合唱でもここまで力強さを表現出来るんですね!!
また、特筆すべきは・・・アイーダトランペットが有名な凱旋行進曲の旋律を奏でる部分。
もちろん原曲では歌は出てこない、器楽による演奏なんですが。
ここの団ならではの編曲ですから、この場面でも合唱が「ルルル」や「ラ・ラー」などしっかりと音楽の一端を担い、「合唱団のコンサートらしさ」が際立っていました。
「アイーダ」第2幕は、前半の凱旋まではストーリーこそさほど進まないのですが、音楽の華やかさでは特に名高い部分ですよね。
今日の演奏は混声合唱の、いえいえもっと言えば原曲(混声の大合唱+オーケストラ)にも匹敵する華やかさと、細やかな表現を併せ持つ素晴らしいものでした。
興奮も覚めやらない客席に向けて、アンコールとしてシューベルトの「アヴェ・マリア」が演奏されました。
ここでも他では聴いたことのないような、高い高い音域のソプラノソロでのオブリガートがつく、どこにもないオリジナルな編曲で。
合唱も弱音での美しいハーモニーを駆使する、超ハイレベル。
最後まで今日も新鮮な驚きを以て、鑑賞させていただきました。
吉元くん、演奏スタッフの皆様、そして団員の皆様。
今日は本当にお疲れさまでした。
ここまでの練習、いろいろなことがあったんでしょうね。
日々の努力が、今日の音に現れているのですね。諦めない強さ、優しさ、感動をありがとうございました。
そして、来年10月にはここ、すみだトリフォニーホール(しかも大ホール!!)での単独演奏会が決まったんだそうです。
そんなうれしく素晴らしいお知らせも、ステージ上の吉元さんから飛び出しました。
きっときっと、聴きに行きますよ!!
今から、楽しみにしていますね。