<党首討論>要旨(毎日新聞)

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 ◇首相「私腹こやしてない」

 17日に行われた党首討論の主なやり取りは次の通り。

 谷垣氏 昨日、確定申告が始まり、いろんな方の反応が出た。今朝の新聞では「納税がばかばかしい」という反応があった。こういう声は政治の責任で、一番の責任者は鳩山総理自身だ。批判に対し、総理は何と答えるか。

 首相 私の母からの資金提供のことで、納税に対してばかばかしいという気持ちが国民の中に起きてしまっていることは誠に申し訳ない。何度も申し上げているが、天地神明に誓って私自身が知らなかった。大変遅れたが、納税の義務は果たさなければならないという思いで納税した。国民の皆様の税金のおかげで、予算を組ませていただくことができる。今までの政権と新しい政権の違いは、一円たりとも税金の無駄遣いを許さない。ぜひ国民の皆様には、新しい国づくりのために税金をお支払いいただくよう、重ねて申し上げたい。

 谷垣氏 首相には「平成の脱税王」という言い方もある。そういう方が徴税してくれというのは悲喜劇だ。庶民は、首相たちは免れるかもしれないが、自分たちだったら畳までひっくり返して全部持っていくと思っている。単に徴税が嫌だというわけではない。いま国民がうすうす感じていることは、この国に法の支配があるかどうかということだ。首相がきちんと説明責任を果たされるか。責任を取るか。もう一回答えてください。

 首相 知らなかったとはいえ、こんなことで良かったのかという思いは当然ある。納税が漏れていると分かり、さかのぼって納税するのが許されるのも法律だ。それにのっとって、02年にさかのぼって支払った。首相だから許されるなんて、当然ある話ではない。特別扱いがなされるはずはない。国民の皆様にもぜひ、汗を流していただいて、税金を支払っていただき、新しい国づくりに協力を願いたい。

 谷垣氏 首相の「新しい国づくりに協力をいただきたい」という言葉が白々しく響く。首相は以前「秘書の責任は議員の責任だ」と言った。この点を今どう考えるか。

 首相 かつて私が申したことは今、撤回する話ではない。言葉の重さは認じているつもりだ。ただ、私の問題に関しては、私腹を肥やしたり不正な蓄財をしているということではないと理解いただきたい。国民の皆様から、政権交代の意味をしっかり認じろという思いがある。身を粉にして、その責めを果たす新しい政治をおこすために全力を尽くすことも責任の一つの取り方だ。

 ◇谷垣氏「出張尋問も検討」

 谷垣氏 責任を果たすために、かつての言葉は自分には適用しないとおっしゃったわけですね。自分に適用しないなら、3人の秘書が逮捕された小沢(一郎)幹事長について責任を取れということは言わないのか。

 首相 当然、小沢幹事長は責任を痛切に感じている。いま大事なことは、それぞれの政治家として、なぜ起訴されたのか、その理由をしっかり国民に説明することでないか。そのことを果たすことで、私は小沢幹事長の責任をただすことになると思う。私は今、小沢幹事長にそのようなことを申し上げるつもりはない。

 谷垣氏 (首相の母から首相への金が)贈与なのかどうかのカギを握っているのは(首相の)母だ。(母に首相から)ぜひ聞いてほしい。

 首相 母にも、(元秘書の)勝場(啓二氏)にも、私にも弁護士がいる。本人同士が話をするより、弁護士同士で、中立の立場で調べられていくのが、正しい。最終的には国税庁が判断する話だ。贈与とみなすという判断がなされて、それに基づいて申告して納税した。

 谷垣氏 母に聞くというようなことを、お年寄りだから、避けたいと思い首相みずからお聞きくださいと助け舟を出したつもりで言った。首相がしないなら、出張尋問も検討しないとならない。小沢幹事長が国会に出てこられてしっかり説明されるということは首相が主導するか。

 首相 小沢幹事長と私が話しても結構だ。最終的に、国会で判断して決めていただくことだ。私の方からそのことを進言することは十分にあるかと思っている。

 谷垣氏 民主党の小林千代美議員の陣営の労働組合幹部の判決が出た。日教組の下部組織である、北海道の教職員組合から小林陣営に1600万円もの裏の選挙資金が渡っていたという報道もある。民主党として労働組合に指示を徹底させる気持ちはあるか。

 首相 企業・団体献金を政党も含めて、すべて全面的に禁止しなければならない。いまこそ実現が必要な時がきたのではないか。ぜひ、自民党の谷垣総裁にも企業・団体献金の禁止に向けてご努力をお願いしたい。

 ◇首相「消費税議論早すぎ」

 谷垣氏 やや問題をすり替えている。労組の政治資金について収支報告書等の制度を設けて政治資金の透明性を図るべきだと思うがどう考えるか。

 首相 議論して結論を見いだしていくべきテーマだ。

 谷垣氏 自民党としては予算採決の前提として、首相の勝場元秘書、六幸商会の小野寺(重穂)社長、鳩山会館の川手正一郎氏、関係者の証人喚問を求めたい。それから小沢幹事長も本人が早急に証人喚問に応じてもらいたい。

 予算は五つの問題点がある。財政の中期展望が見当たらない。恒久施策に対応する恒久財源が用意されていない。デフレ宣言をされたが具体策がない。予算に成長戦略が反映されていない。暫定税率等を含めて数々のマニフェスト違反がある。消費税(増税)は4年間やらないというのは今も基本的な考えはそうか。

 首相 企業・団体献金の禁止に対して、谷垣総裁から答えがなかったのは残念だが、前向きにご検討いただきたい。徹底的に無駄遣いをなくす、それが中途半端な中で、消費税の議論に入りこむと、スリムな筋肉質な体形になかなかならない予算にとどまってしまう可能性がある。消費税の議論というものは早すぎる。私が政権を担うべき4年間は消費税の増税はしないということを申し上げてきた。そこのところを変えるつもりは毛頭ない。

 谷垣氏 なかなか大変な決意を言ったと思う。どういう形でこの4年間、財政運営をし、見通しを立てようとしているのか、しっかりと数値目標を入れて作るべきではないか。

 首相 中期財政のフレームを6月ごろに出すつもりだ。財政運営の戦略も併せて出すつもりだ。定性的な議論だけでお茶を濁すということであってはならない。

 ◇山口氏「納税者に怒り」

 谷垣氏 マニフェストの基本構造は14年までに16.8兆財源がいると。それを無駄を省くことによって見つける。ところが初年度の7.1兆も見つけることは難しかった。暫定税率等は約束の通りできなかった。無駄を省くだけで目標が達成できると考えているのか。子ども手当も満額は無理ではないかとか、消費税の議論も必要だという議論が閣内でも聞こえてくる。マニフェストの基本構造に対する疑念が政府の中でも出てきている。

 首相 政権を取って、マニフェスト通りにやろうとやってきた政権がどこにあったか。基本的にマニフェストに従って予算を作り上げる努力をする。コンクリートから人へという思いを極力大事にしていく政権だということを理解していただきたい。さらなる歳出削減の努力をし、実現していく決意だ。

 山口氏 税務署に赴き自分で確定申告を済ませた。これまでに確定申告書を自分で作成して提出したことがあるか。

 首相 資産管理会社と税理士が報告に来て私が確認をしているという手続きを取っている。税務署に並んで行ったことはない。

 山口氏 母親から12億6000万円ものお金を渡されながら、長年それを納税してこなかった。納税者は怒ってる。税務署の窓口にはたくさんの苦情が押し寄せている。徴税行政の最高責任者として、国民に示しがつかないのではないか。

 首相 母からの資金提供はまったく知らなかった。大変、遅まきだったが、納税をした。これからは納税の義務を率先して果たしていくことを誓う。国民の税金を無駄にしない新しい政治を作り上げたいと思っているので、公明党にもご協力を願いたい。

 山口氏 次から次へと民主党の政治とカネにまつわる不祥事が起きている。国民はがっかりしうんざりしている。公明党は政治家の監督責任を強化し、企業・団体献金を禁止する政治資金規正法改正案を出している。与野党協議機関に参加する回答をもらいたい。

 首相 民主党としても与野党の協議機関の設置に賛成をしたい。大いに各党で協議を進めよう。

 山口氏 首相は自身の問題について、秘書がやったから知らなかったといって政治責任を取っていない。秘書に虚偽記載をやらせないように、政治家が自ら監督責任を取る制度に改める必要がある。われわれの政治資金規正法改正案に賛成するか。

 首相 秘書は私がいるからやったわけで、その責任はある。ぜひ成案を得るように民主党としても努力をしていきたい。

 山口氏 日米関係は安全保障のみならず、経済、政治、文化に及ぶ重要な2国間関係だ。普天間飛行場の移設問題が迷走している。インド洋の補給支援は中止してしまった。今、良好な関係とは言えない。

 首相 普天間問題を解決する強い意志を持っている。必ず5月までに結論を出し、日米関係が盤石になると信頼をしてもらいたい。

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