春日大社 千年の至宝展 (東京国立博物館) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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春日大社 千年の至宝展

会期: 2017.1.17(火)~2017.3.12(日)

会場: 東京国立博物館 平成館

開場時間: 9:30~17:00

休館日: 月曜日

公式サイト: http://kasuga2017.jp/index.html 

 

 

世界遺産にも登録されている奈良県にある春日大社の20年に

一度の「式年造替(しきねんぞうたい)」にあたっての、特別に

貴重なお宝がごっそり展示された特別展。この機会を逃せば

また20年待たなくちゃならないし、次の式年造替の時も同様の

企画展が実現できるとも限らないし。やっぱりここは行くべきで

しょう!と思ったら、当然そう考える人はごまんといる訳で。

 

(甘い)予想を反して、ティツィアーノ展と比べ物にならない混雑

ぶりで、鳥獣戯画展のキョーフを思い出しました。さすがに、入場

制限はなく、入館に行列もありませんでしたが。もしかしたら

その分かえって、絵巻のガラスケースなど、見物人の列が一向

に動きませんでした(-"-)。入場制限されていた鳥獣戯画展では

ある意味強制的に列が流れてゆきましたが。しかたないので、

というかどうせ全部見られたとしても教養が足りな過ぎて達筆

な大和文字は自力で解読できないし。どうしても気になる部分だ

け、頑張って背伸びやら人の身体と身体の隙間から覗き見しま

した。

 

広い展示スペースに、これでもかと惜し気ない膨大な量の展示

物が溢れていて、もし貸し切りで不自由なく見物できたとしても

相当時間かかるだろうなと思われます。全ての展示物を存分

に観ることはできなかったけれども(動かない人垣で物理的に

見えなくて)、そして相当疲れましたが、それでもお腹いっぱい、

見応えたっぷり、満足しました。あんなに混雑していなければもう

1-2回観に行きたいところですが・・・ちょっと勇気がでません(-_-;)。

その代りに、図録買いました♪ビックリするほど分厚くて、重い^^;。

でも、もう二度と見られないものも沢山あるはずだし、それらが

一冊にまとまって見られる美術書もそうそうないだろうし(あっても

すごく高そうだし)、よい買い物をしたと思います^^。

 

春日大社の由来はその昔、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が

白い鹿に乗って、常陸国鹿島から春日の地に降り立ったとされる

伝説により、よって鹿を神様の御使い、「神麓」として崇めて大切

に守ってきたので、鹿に関する美術品がまず沢山目につきます。

もう、無条件に可愛い(笑)。


 

武甕槌命が鹿に乗って春日に降り立つ場面を描いた、

《鹿島立神影図(かしまだちしんえいず)》

 

この《鹿座仏舎利》を始め、沢山の美しい、鹿がモチーフに

使われた舎利の数々とか~、

 

雲に乗り背中から榊を生やした(?)《 春日神鹿御正体 》

とか~、

 

白麓や小鹿も描かれた独特のユーモラスな表情を見せる鹿たち

でひしめき合っている《鹿図屏風》とか、その他曼荼羅図や何や

ら、とにかく可愛い鹿さんたちでいっぱい♪

 

そして鹿さんたちに交じって意外と色んな動物たちがいます。

甲冑の意匠に施された虎や、絵巻の中の犬や、神々に捧げる

能楽の意匠に刺繍されたネズミとか、国宝の太刀の鞘に施された

螺鈿の猫と雀の意匠とか。

 

《林歌装束》

 

《国宝 金地螺鈿毛抜形太刀》

 

もちろん、動物意外にも美しいものが本当に沢山。

特に息を呑んだのは、ものすごーく古い、蒔絵細工のお琴。

神様に音楽を捧げるために作られた琴。こんな美しい琴で

奏でる音楽はどんな素晴らしいものだったんでしょう・・・。

 

 

《国宝  蒔絵箏(本宮御料のうち)》

 

ちなみに、国立博物館のホームページでは、「かわいい!春日の

動物たち」人気投票を開催中です^^。鑑賞前の予習に、また鑑賞後の

投票に、よかったらご覧ください。やっぱり鹿が圧倒的に強いですが、

こうなると鹿以外の動物にも一票を投じたくなってきます^^。

貴重な撮影OKスペースは、灯篭の展示でした。ずらーっと並んだ

灯篭が綺麗だったので、右に倣えで勿論撮影しました(笑)。

毎年2月と8月に開催される「万灯篭」では、鳥居に沿ってもっと沢山

の奉納された灯篭が飾られて、幻想的な景色になるそうです。

 




東京にいながらこんなに沢山のお宝を一同に拝観できたのは
本当にラッキーで贅沢でしたが、「平成の正倉院」と呼ばれる
美しい春日大社を直に、いつかじっくり訪れたいなと思いました。

ところで、東京国立博物館は、企画展でクタクタになって時間も
体力ゲージも無くなってしまう思い出しかなかったので全く
気が付いていなかったのですが、会場の平成館も、本館と東洋館
の常設展も、大好きな国立科学博物館と並び、その建物も含めて
恐ろしいほど見どころ満載の素晴らしい博物館だということに
今頃気が付きました。本館のミュージアムショップも大変楽しい。
隅々探検したかったのですが、この日はティツィアーノとハシゴ
でもう時間もなかったし、疲れてしまったので平成館の考古学の
展示室をさーっと眺めて、廊下わたった本館1Fの展示を見るだけ
で断念(>_<)。近いうちに、常設展だけのつもりで、あるいは一日
仕事の覚悟をもって企画展と一緒に、じっくり観て回りたいと
思います。

そうそう、何故帰り道本館に渡ったかというと、閉館時間17時
ギリギリになって展示室を出たら、平成館の出入り口が封鎖
されていて、沢山の警備員やSPらしき人たちが大勢いて、
テープの外側のごく小さなスペースに野次馬が沢山集まってい
たため。撮影機材もあったので、誰かくるのかな、宣伝番組
の撮影かな、と思いましたが、例え誰が来るにしろ私の慎重で
はまったく見えなかったので大人しくその場を去りましたが、まさ
に本館1Fの展示を見ていた頃、天皇皇后両陛下がお見えになった
ようです。拝見できませんでしたが、生まれて初めて、両陛下の
近くでニアミスしました。普段皇室とか、まったく無関心のくせに
ちょっと「ほぉ~」って思った自分に、日本人を感じました(笑)。