{B132EAA5-DBDD-447C-9615-2E463F9B2C9E:01}


私は昨日、
ずっとスキニージーンズを履いていた。

昼間働いて、夜は母に会って、
誘ってもらった同級生のBBQには
行けなかったけど、
充実していた1日。

そんな1日が、
あいつのせいで…
あいつのせいで…



ほっこりと帰宅。

トイレに寄って、
汗もかいていたので
すぐさまお風呂へ。
そこで事件は起こった。



おしりが、かゆい。

なんだかとても
おしりがかゆい。


そして体を洗っている最中に
衝撃の事実に気付いたのである。

オシリヲカニササレテイル。
二箇所も!


なぜ!!!!


今日は1日、ジーンズを履いていたし、
さっきまでなんともなかった。
お風呂も私が入るまでは
密室に等しい状態だった。


“トイレに寄って、
汗もかいていたので
すぐさまお風呂へ。
そこで事件は起こった。”


…トイレ……だと…?


私はトイレだと確信した。
あろうことか、
あいつは人間が
最も無防備なタイミングを
狙ってきたのだ。
許すまじモスキート。

私は我を忘れて
プシュッとする虫よけを
噴射した。
家中に噴射した。
かさやんが作業をする部屋にも
構わずに噴射した。


すると、台所で
憤る私を横目に
しんやが何かを作っている。


お赤飯だった。



あれは少し前のこと…

「私のダイエットが成功したら
お祝いしてよ!」
「いいですよ、お赤飯を炊きましょう」


まだ完璧な成功とは言えないまでも、
昨日の朝に私は
一つの目標をクリアしていたのだった。

なんだか取り乱していた自分が
恥ずかしい気持ちになり、
台所に噴射するのをやめた。


気づけば、
この家はいつもと変わらない
平和な家であった。


お赤飯はとても美味しかった。