腎臓は尿を作るだけの臓器
と思ってませんか?
実は、いろいろなことをしている
意外にスゴい臓器なのです
ゆっくり見ていきましょう
まず、腎臓の位置ですが
大体、胃の後ろ側と思ってください
腎臓から出る尿管は
膀胱につながっていますので、
「え? そんなに高いとこ?」
と思われる方が多いです
腹と背中で言うと、背中の方
胃や腸は腹膜で包まれていますが
腎臓はその後ろの腹壁の奥に
埋め込まれています
このような臓器を
腹膜後器官と言いますが、
膵臓、十二指腸、下大静脈なども
それに含まれます
かなり後ろにありまして
背骨の両脇にある感じです
腎臓の重さは、150g 程度
大きさは大体
縦12cm、幅6cm、厚さ3cm
ソラマメの形をしていて
内側(背骨側)がへこんでいて
そこから血管や尿管が出入りする
腎門があります
縦切りにして中を見ると
表面側の皮質と、内側の髄質があり
髄質には腎錐体という構造が
見られます
皮質には、直径 0.2mm の腎小体が
腎錐体には、真っすぐな尿細管や
集合管が腎門から見て放射状に
走っています
腎小体は血液を濾過する所で
片方の腎臓に約100万個あります
ヒトの血液は成人で、約5リットル
心臓が1分間に拍出する血液も
5リットルですので
全血液が1分間で体内を一回り
している勘定になります
血液がたくさん流れる臓器ベスト3は
1位:肝臓 30%
2位:腎臓 20%
3位:骨格筋、脳 それぞれ15%
となっていまして、
腎臓に20%ということは
1分間に1リットルもの血液が
流れているのですね
そして、腎臓に流れ込んだ血液は
腎小体の糸球体に流れ込みます
糸球体は毛細血管の塊で
毛細血管を流れる血液の10分の1
が濾過されます
つまり、1分間に 0.1 リットル
100ミリリットルです
1日に換算すると、150リットル!
尿の元が糸球体からそれくらい
出ていることになります
しかし、
1日の尿量は 1.5リットルくらい
どうなっているのでしょう?
ちょっとその前に
腎臓で血液を最初に濾過する
腎小体をもう少し見ておきましょう
腎小体は、
中の糸球体という毛細血管の集まりと
それを外から包むボウマン嚢
からなります

竹谷先生@旭川医科大学のサイトより
通常、
毛細血管の血圧は低くなっていますが
糸球体の毛細血管では
一方通行で濾過するため
高い圧力がかかっています
もう少し詳しくみてみましょう
ここで、教科書などでは
浸透圧という言葉が出てきます
濃度の違う2つの溶液を
例えば、水しか通さない半透膜で
区切っていると、自然に
2つの溶液の濃度を同じに
しようとします
すると、
濃度の薄い溶液の水が
濃度の濃い溶液に移るので
濃かった方の溶液の液面が高くなります
この状態で、高くなった方の液面を
上から押して元の高さにするのに
必要な圧力を、浸透圧といいます
これでは
ちょっとイメージしにくいですね
教科書などで
「浸透圧が高い」と書いてあったら
「濃い」と読み替えると
わかりやすいでしょう
そして、薄い方から濃い方へ
水が移動するということも
頭に入れておきましょう
(つづく)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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