20歳代はよくテニスをしたり
プールで泳いだりしていたのですが、
そのレベルの運動は
10年くらいしていません
エスカレータと階段が並んでいたら
ほぼ階段を選ぶなど
多少は努力しているつもりですが
その程度ではダメですよね
運動したいと思いつつ
なかなか踏み出せない状況です
何とかしないと。。。
体を動かすということは
筋肉を収縮させるといいうことです
その筋肉を収縮させるためには
脳の運動野の各ニューロンが
収縮させる筋肉を担当していて
その筋肉に信号を送って収縮します
大抵、ニューロンは複数の筋肉に
信号を送るようになっています
一つのニューロンと
そのニューロンが信号を送る筋肉を
まとめて、運動単位と言います
一次運動野 M1(エムワン)は、
脳から筋肉に信号を送る出口で、
以前もご紹介しましたように
『脳の中に小人がいる?』
脳の場所によって
足、手、顔、体幹といった各部分を
動かす役割分担がされています
体の部位が再現されているので
ホムンクルスとも言われるのでしたね
細かい動作が必要な
顔や手の領域は広くなっています
これは、ペンフィールドが
てんかん患者の脳を部分的に
切除する際の下調べで
脳の各部を電気刺激していて
発見したものでした
最近の研究で、熟練者の脳は
その運動と関係した脳領野が大きく
なっているも分かっています
例えば、ヒトの実験では
Amunts らの fMRI による研究で
同じ手の領域でも
ピアニストはより広くなっているとか、
素人は利き手をよく使うため
左右の運動野が非対称だが
ピアニストは両手を使うので対照的
だったとのことです
Amunts K, et al. (1997)
"Motor cortex and hand motor skills: structural compliance in the human brain"
Hum Brain Mapp 5(3): 206-215.
動物実験では、Nudo らの研究で
リスザルに手先の細かい動作が
必要な課題を訓練させると
M1の手先の領域が広がる
ということがわかりました
Nudo RJ, et al. (1996)
"Use-Dependent Alterations of Movement Representations in Primary Motor Cortex of Adult Squirrel Monkeys"
Journal of Neuroscience 16(2): 785-807.
皮膚感覚の領域も訓練によって
広がることが分かっています
Jenkins WM, et al. (1990)
"Functional Reorganization of Primary Somatosensory Cortex in Adult Owl Monkeys After Behaviorally Controlled Tactile Stimulation"
Journal of Neurophysiology 63(1): 82-104.
以上の話とは矛盾しているようですが
fMRIなどのイメージング研究では
熟練者の方が効率的に処理されるので
脳の活動も少なくてすむのではないか
という考え方もあります
例えば、Haslinger らの実験では
両手の指を端から一本ずつ動かす間に
fMRI で脳の活動を調べて
ピアニストと素人での違いを
比べたところ、
素人の方が活動が活発な領域が
多かったとのこと
ちなみに、それらの領域とは
前帯状皮質、運動前野、小脳皮質、
大脳基底核 だったようです
Haslinger B, et al. (2004)
"Reduced recruitment of motor association areas during bimanual coordination in concert pianists"
Hum Brain Mapp 22(3): 206-215.
訓練の第1段階で
処理する脳領域が広がり、
第2段階で効率化が進められる
とも考えられています
fMRIなどのイメージング実験で
活動性が高い脳領域は
エネルギーを必要としていて
代謝が高まっているわけですが、
それとニューロン活動の関係は
よくわかっていません
明日は、熟練者の運動野で
代謝とニューロン活動を調べた実験
を紹介しようと思います
(おしまい)
文:生塩研一
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