私たちは日々
いろいろなことを記憶しています
たとえ覚えようとしなくても
その反面、
覚えないといけないことは
なかなか覚えられなかったり
思い出せなかったり
あー、あれ何だっけ。。
よくあります。
思い出せないのはツライですよね
私の場合、
思い出しにくいな
と意識し始めたのは、20代後半
早いですか??
脳がどうやって記憶しているのか
という問題は脳科学でも大きな課題で
まだまだ分からないことだらけです
ただ、結構古い実験で
記憶には、側頭葉が関係している
ことが知られるようになりました
1900年代前半、
ワイルダー・ペンフィールド
という脳外科医が

McGill大学のサイトより
てんかん患者の手術で
脳を調べていたときのこと
頭蓋骨を外して、さらに硬膜をめくり
脳に電極をあてて微弱な電流を流して
患者さんの反応をみました
すると、
耳の上あたりの側頭葉に
電流を流したとき、患者さんは
過去の場面がハッキリと
思い出されたというのです
電流を流す場所を少しずらすと
また別の記憶が蘇る
ということで、
側頭葉は記憶と関係が深い
と考えられるようになったのでした
電流が、記憶の再生スイッチ
のような役割を果たしたのですね
この、記憶の再生スイッチは
思い出すきっかけになるもので
"記憶の痕跡" とか
エングラム(Engrams)とも
よばれます
エングラムは運動制御でも出てくる
用語のようです
ヒトなどの動作は、
多数の運動神経が
多数の筋肉を
複雑に協調させて実現しています
いろいろな動きをするときに
いちいち全く新しい動きとして
多数の筋肉を制御するのではなく、
ある程度決まったパターンを
運動神経のネットワークで
ひとまとまりのエングラムとして
記憶しておく方が効率的だろう
というアイデアです
エングラムというのは
記憶にせよ、運動制御にせよ
ある目的を実現するための
ひとまとまりの神経活動
と言えるでしょう
ただ、
側頭葉に電流を流すと記憶が蘇る
というのは単純ではないようです
というのは、
ペンフィールド自身が調べた
1000人以上の患者さんのうち
記憶が蘇ったのは、わずか数%
さらに、
同じ場所に電流を流しても
違うことが思い出されることが
多かったとか
ついでながら、
催眠状態で記憶を再生する場合も
その再生された記憶は
かなりあてにならないそうです
記憶のメカニズムは
脳科学でも難攻不落の難問なのです
(おしまい)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
コメントもお待ちしています。お気軽にどうぞ~!
応援してくださる方は、下のバナーをクリック

ランキングサイトが開いたらOK!

自然科学 ブログランキングへ

にほんブログ村