昨日の続きで

味を感じるしくみについて

書いてみたいと思います



拙ブログ
味を感じるしくみ(1)




味には、

塩味、酸味、甘味、苦味、うま味

という5つの基本味あって、


主に舌の味蕾にある味細胞が

感じるということでした



もう少し詳しく見てみましょう




5つの基本味は

それぞれの基本味に特化した味細胞が

特定の物質を受容して感じられます



その受容の仕方には

イオンチャネル型 と 受容体型 

の2つのパターンがあります




塩味は、イオンチャネル型です


味細胞に、

イオンチャネルという穴から

ナトリウムイオンが流入して

マイナスだった細胞内の電位が

プラスになります(脱分極)


すると、今度は別の穴から

カルシウムイオンが流入して

小胞に蓄えられていた伝達物質の

セロトニンが放出されて

味を感じたことが伝わります




酸味も、イオンチャネル型です


塩味とほぼ同じですが、

ナトリウムイオンの代わりに

水素イオンが流入する点が違います




うま味も、イオンチャネル型

に分類されます


ただし、

塩味や酸味とはちょっと違います


うま味の実体は

グルタミン酸などのアミノ酸


グルタミン酸が

イオンチャネルを開けることで

ナトリウムイオンやカルシウムイオン

が流入して、脱分極が起こり

カルシウムイオンが流入して

伝達物質が放出されます




それに対して、

甘味は、受容体型です


化学物質を受け取る受容体という

タンパク質が味細胞の表面にあって

糖がその受容体と結合することで

味細胞内で反応が進んで、

脱分極が起こり

カルシウムイオンが流入して

伝達物質が放出されます



ちょっと詳しく書きますと、

糖が受容体に結合すると

Gタンパク質が活性化して

cAMP濃度が高くなり

リン酸化酵素が活性化して

カリウムイオンが阻害されることで、

脱分極します




苦みも、受容体型です

苦み物質のキニーネ

受容体に結合すると

味細胞内で反応が進み

イノシトール三リン酸(IP3)が

産生されます



$プラスサイエンス-キニーネ

キニーネの構造




そして、ここからが

他の4つの基本味と違うのですが

伝達物質を放出させるための

カルシウムイオンは細胞外から

流入するのではなく

細胞内でカルシウムイオンを

貯蔵している小胞体に作用して

カルシウムイオンを出させて

その結果、伝達物質が放出されます



5つの基本味でも

感じるメカニズムは様々ですね



超マニアック、、でしたね(笑)



(つづく)



文:生塩研一



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