黒色綺譚カナリア派 「リュウカデンドロン ~サーカステントか幼馴染の赤いスカート~」 | 週末シアターゴアーの傾く日常

黒色綺譚カナリア派 「リュウカデンドロン ~サーカステントか幼馴染の赤いスカート~」

2007年8月15日(水)~8月19日(日) 中野ザ・ポケット
作/演出/出演:赤澤ムック
出演:出演/山下恵、吉川博史、斎藤けあき、芝原弘、本間ひとし
板垣桃子(劇団桟敷童子 )、眞藤ヒロシ、辰巳智秋(ブラジル )、牛水里美
中里順子、升ノゾミ、町田彦衛、尾上CHeRRy覚ノ新(銀鯱マスカラス )、潮見諭


物語はサーカステント、リュウカデンドロンの消失の様を
カタルシス溢れる物語として描いているのですが、もちろん
アングラ劇では無いのです。


しかし、表層としての形骸化した「アングラっぽさ」はある。
と思われるのです。


それでは、この「アングラっぽさ」とは、何か。


これまで(私が観た)アングラっぽいと呼ばれる劇(今回客演している
板垣桃子が所属している【劇団桟敷童子】など)に共通する要素は


・明治~昭和の時代

・近代化の為に不利益を被る人々
・古びたもの


言葉にすると、それは「ノスタルジー」や「無惨さ」にあるように思うのですが
おそらく全ての要素では無いようにも思われるのです。


こうしてみると、「アングラっぽさ」は、劇作の手法では無く

物語を語る上での要素に過ぎないと思われるのです。


すなわち、「アングラっぽさ」を堅持しながらも多様な表現が

可能であると思われ、赤澤の表現も正にそれだと思われるのです。


物語は、テント(=アングラ劇)を弔う物語を描いている。
と思ってしまったのは、考えすぎだろうか。


面白いのです。