ブラジル 「天国」 | 週末シアターゴアーの傾く日常

ブラジル 「天国」

2007年7月18日(木)~7月22日(日) 中野ザ・ポケット
脚本/演出:ブラジリィー・アン・山田
出演:辰巳智秋、西山聡、諌山幸治、若狭勝也(KAKUTA )、中川智明
山本了(同居人 )、山田佑美(無機王)、こいけけいこ(リュカ. )、本間剛


物語は期間工たちの物語として語られているのですが
同時に現在についても語られているのです。


期間工はフリーターと同様、非正規雇用の形式であり
現在の多様性を描くための1要素として描かれているのです。

(チェルフィッチュの「エンジョイ」、ポツドールなどでも)


また、セクシャルマイノリティや、幼児性愛、インターネットなどの表現が

非常に巧みに物語に組み込まれている様は見事としか言いようが無いのです。


近年の小劇場で様々な表現として散見される
「過剰なグロテスク」が、ここにも観る事が出来るのです。


ただ、表現として、何か間接的とも言える垢抜けない感触があるのです。
その理由は、表現の意志と、その手法、身体とのギャップにあるのでは無いかと
感じられるのです。そのため「フリーター」では無く「期間工」へ変換された

のでは無いかとさえ思えるのです。


しかし、その圧倒的ですらある脚本には脱帽なのです。