③
私が好きなのは、先輩ではなく、彼。
それだけははっきりしている。
はちみつレモンを頬張りながら、そう思った。
1日1個。
この幸せを、できるだけ長く。
先輩と別れてから2年近く、色々あった。
それを忘れたくない。
そして今、何が一番大切なのか、間違えたくない。
明日は彼へのお礼を買いに行こう。
名前以外、何も知らない人だけれど。
何が良いのか見当もつかないけれど。
きっと、笑って受け取ってくれる。
それはすべて、先輩に会った後の話。