東北芸術工科大学 公開講座

今、なぜケモノは里に下りるのか


田口洋美氏(東北芸術工科大学教授・東北文化研究センター研究員)

「なぜクマの出没は起こるのか」

蛯原一平氏(東北芸術工科大学東北文化研究センター研究員)

「イノシシとの新たなつきあいに向けて」



田口先生がすごい右矢印ぜひクリックしてね

その田口先生の講座に、
会場となった教室は超満員。
150人くらい? 立ち見も出てましたから。
学生よりも一般の参加者が目立ち、
山形の人間にとっての「クマ」、
農家にとっての「イノシシ」が、
どれだけ大きな問題なのか、わかるというものだった。

会場が暗くてメモできなかったので、
印象的だったことをランダムに記しておきます。
表現は未熟ですが・・・


クマケモノたちは山にいるものと思いこんでいるが、
人間が山に追い込んだのである。

そのケモノが、山にいられなくなったので、
里をフロンティアしているのだ。

山がやせてきている。

畑の作物は、ケモノへの誘いでもある。


かつての農村(農家・住宅)~中間山間部(炭焼きなど)~奥山(ケモノたち)
という構造では、
中間山間部がケモノをストップさせていたが、
居住者がいなくなることで、
歯止めできなくなってきた。

1950年代までは、
農村には「野良犬」がいて、
野良犬も歯止めの一助となっていた。

マタギの存在、狩猟者の存在について。

野生動物との共存とは、
野生動物を人為的に自立させること。


クマクマクマクマクマ


質疑応答では、
「捕獲したクマを、動物愛護の美名のもとに山に返すことは疑問だ」
と発言された年配の男性がいました。

田口先生は、その通りだ、と前置きして、

「麻酔銃で撃って、その状態で山にかえし目覚めさせる方法がまちがっている。
 しっかりいじめて(とうがらしのカプサイシンなどでイヤな思いをさせて)
 もう里には下りない学習をさせてから
奥山に戻さないと」

と応えられました。

「いじめる」という表現は今の時代、誤解を招くかもしれませんが、
この言葉を選んだ先生がすごいんです。

田口先生の生粋のフィールドワーカーらしい、
生きた言葉、考察、見識は、
広くたくましいものでした。

クマが人を襲う結果になるまでの心理が、
クマの足跡からわかるんですよ!


むごいです。

でももっともっと、知りたい。

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