はりぼてかモノホンか
今、わけあって石垣島にいます。3日目。
まわりは牧場。窓を開けるとほのかにウシのかおりが。
今日、ハンバーグ食べたことは忘れよう。
さみしいさみしい。もう帰りたい。
でもどこへ?
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昨日から市街とカビラを行ったりきたり。
沖縄で暮らして約半年。本島もそれはそれは不可解なとこですが、離島ともなるともうわけがわかりません。
なまじ言葉が通じちゃうだけに、外国よりももっと深刻です。
考えれば考えるほど、知れば知るほど、ドツボにはまっていきます。
えーっと、裏の裏は表?だからYES?え?NOですか~。
気軽にやってきちゃった本土民にとってはアリジゴクのようなところです。
どうして、ここを楽園と呼べるのですか?
そのほほえみの裏にあるのは何?なんなの?
ジャパニーズスマイルを使いこなしているわたしでも、戸惑います。
きっと、一生わからないと思う。ほほえみはただ、ほほえみでしかないことをよく知っているからです。
どれだけ長く沖縄に暮らしても「うちなんちゅ」にはなれないのです。
そこのあなた、海人Tシャツなんて着たって無駄です。ますます遠ざかります。
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世界中の観光地がそうであるように、石垣島にも多くの「はりぼて」があります。
あかがわら。
あいやいやささ。
チェコの世界遺産の街で見た、描かれた窓を思い出します。
チープ。軽薄。嘘もん。
そのどれもがあてはまる偽ものが多数存在する場所が観光地という場所なんだと思っています。
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ニセモノかモノホンか、いったいどうやったらわかるんだろ。
という手あかのついた問題提起をしてみる。
「はりぼて」は、観光産業に依存しなければならない土地に住む人々の苦肉の策です。
普通に暮らしていれば、そりゃなくなるさね。
ていうものも、ステレオタイプなイメージに胸をふくらませてはるばるやってくる旅人を裏切らないように、なんとかそれっぽく作ってみて、全然違うんだけどなぁと思いつつ。
「生きるためにつくったもの」の集合体が文化と呼ばれるものなのではないかと思っているんだけど。
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石垣島には、沖縄がまだ琉球と呼ばれていたころ、侵略してきた薩摩の役人に「なんだ、寺がないではないか、けしからん!」と言われて作ったお寺があります。
そんな「偽もの」が、今では文化財。
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なんていうことをですね、考え出したらもうきりがないわけですよ。
だからもう帰りたいの。
でも、だからどこへ?