- 卒業 (講談社文庫)/東野 圭吾
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東野圭吾さんの作品は、
とにかく次が読みたくなるような…
時間を忘れて本に夢中になる…
すごく惹きつけられるものがあります。
加賀恭一郎シリーズ第1弾。
この時の加賀さんは大学生。
友人の謎の死の真相を解明します。
あまり色々書いてしまうと、
ネタバレになってしまうので、
色々書くことはできませんが…
ものすごく面白い。
東野さんが若い頃に書かれただけあって、
とても新鮮な感じがします。
加賀恭一郎自身も刑事としてではなく、
大学生であり、
警察の立場からではなく、
友人という立場から真相を解き明かそうとする…
そこもまたとても魅力的。
ここまで色々なところに
ヒントが散らばりすぎていると、
読者が読み進めていく上で
謎解きをするのは難しいと思います。
茶道や剣道のことも交えて、
物語が進められていくのですが、
茶道に関しては、
図付きで解説されているのでわかりやすいです。
(最初は難しく感じますが…)
「友達」ってなんなんだろう。
「親友」だとか「何でも話せる友達」と言っても、
その人のすべてを知っているわけではない。
そして結局は、
自分のことになると、
みんな自分が一番大切で可愛いということ。
相手のことなんて考えちゃいない、
それが例え友人だとしても…
そんな世の中に少しだけ悲しくなりました。
でも、どんなに自分が大切でも、
自分1人だけでは生きていけない。
仲間がいるから生きていける。
だからこそ、
「真実を知ることが幸せとは限らない」
と雅子先生は言ったのではないでしょうか。
大学生時代の加賀恭一郎たちは
現代の私たちが忘れかけている、
仲間の大切さを教えてくれるのではないでしょうか。