観覧車 | 1分で真島吾朗と恋したい!

1分で真島吾朗と恋したい!

龍が如くと真島さんが大好き。真島の兄さんの二次創作・恋愛小説を綴る。また、真島さんと澤村遥の禁断恋愛小説「般若の素顔と極道の天使」も連載中!



★小説内を主人公の名前を変えて読めます→夢小説「観覧車」

今日は、真島さんと久しぶりのデートだった。横浜の中華街で美味しい中華料理を食べて、店を出たのは九時だった。私は駐車場まで真島さんと手を繋いで歩いていた。道の両脇には、小さな中華料理店が点々と並ぶ。

真島さんを見上げた。
「ねえ、あのフカヒレの姿煮おいしかったね~」
「せやなあ。とろとろやったなあ」
「私、恥ずかしいけど初めて食べた……」
「せやろな。また食いに行こな」
真島さんは私の肩を抱き寄せて、口元を緩ませていた。

「なあ、美香。次は、観覧車に乗らへんか?」
「え?真島さんさんが観覧車?」
私は首を傾けた。
「何や、アカンのかい?」
「ふふ、別にそうじゃないけど、何か似合わないなあと思って」
口に手を当ててクスクス笑う。
「アホ!俺ほど似合う男はおらんやろ。ほら、行くで」
真島さんは、そう言うと、私の手を引っ張って駐車場へと急いだ。

大観覧車「コスモロック21」に着くと、デートスポットだけあって、カップルが列を作って並んでいた。それぞれが、写メを撮ったり、肩を組んだり、腰に手を回したりしている。
「俺らも、負けられへんなあ」
真島さんは、私の正面に立って背に腕を回した。真島さんの顎が頭の上にのっている。
「真島さん、止めてよ!こんなことしている人誰もいないよ」
「ええやないけ。俺らが一番ラブラブなんやって見せつけたるんや」
私は必死で真島さんの胸板を押すが、真島さんは私を離そうとしない。嫌がりながらも、私の胸の鼓動はどんどん高まっていた。

そのうち、ゴンドラの順番がきた。赤いゴンドラが回っている中、用意されたゴンドラは紫のものだった。従業員が笑顔で話しかけてきた。
「これは、ハッピーゴンドラっていうんです。六十個のゴンドラのうち一個しかないんですよ。偶然に乗れるカップルは幸せになれるっていう隠れた伝説なんですよ」
従業員はゴンドラの扉をすばやく開けた。

私と真島さんはゴンドラに早足で乗り込み、同じベンチに座った。景色がゆっくり上昇し始める。
「ねえ、カップルが幸せになれるゴンドラだって!もしかして結婚とかかな?」
私は、目を輝かせて真島さんの横顔を見つめる。
「せやなぁ……」
真島さんは、腕を組んで正面の夜景をじっと眺めている。いつもなら優しく見える顔が険しく見える。
(真島さん、怒ってる?付き合ってまだ一年なのに、私が結婚を焦らすようなこと言ったから……?)
膝に置いた両手をじっと見る。右手の薬指に真島さんからもらった指輪が光っている。

「あん?何や、美香、暗い顔して?」
真島さんが私の顔を覗き込んだ。
「私が変なこと言ったからでしょ……?」
「何がや?」
真島さんが目を丸くして、私のほうに身を乗り出す。
「カップルが幸せになれるゴンドラとか、結婚とか言って焦らせて……」
真島さんが私の肩に腕をぐいっと回し抱き寄せた。私は真島さんの肩に頭を預けた。

ゴンドラはついに頂上にきた。目の前には、宝石を散りばめたような美しい夜景が広がっている。
「なあ、来年もこの夜景、一緒に見ような?」
真島さんがポツリと呟いた。
「え?」
「せやから、来年も、再来年も、その先も、また一緒に見に来ような」
真島さんが私の顔を覗き込んで微笑む。
「あの……それって……」
「せや。結婚してくれへんか?」
真島さんがまっすぐな瞳で見つめている。一滴の涙が頬を伝って真島さんのジャケットに落ちた。真島さんが零れる涙を親指でそっと拭く。我慢しても、どんどん涙が溢れてくる。

「泣いとったら、返事が分からへんで?」
真島さんが、私の頭をポンポンと撫でた。ひっくひっくとしゃくり上げる私は、ようやく口を開いた。
「うっ、はい。お願いします……」
「お前のことは俺が一生守るで」
真島さんは、私の震える肩をぎゅっと抱きしめた。真島さんのむき出しの胸に頬が当たって温かい。真島さんが優しく背中を撫でてくれる。真島さんの腕の中で涙が止めどなく流れた。

ゆっくりとゴンドラが下降し始め、夜景が近づいてきた。ビルの窓に灯る明かりが煌いている。
私は、真島さんの胸に顔を埋めていた。真島さんが背中を撫でる手がピタリと止まった。

「そやったわ。婚約指輪を持って来るんやったわ」
真島さんがぼそっと呟いた。
「そんなのいいよ~」
私は顔を見上げてにっこり笑う。
「アカン!紫のゴンドラが来てしもうたんで、プロポーズすんなら今やって思うたんや」
「え?もしかして、乗った途端、真島さんが険しい顔だったのってそのせい?」
「俺、そないに怖い顔やったか?」
真島さんが、きょとんとした顔で訊く。
「うん。すっごく怖かった」
「堪忍や。せやけど指輪、どないしよ?」

真島さんは、私の手をじっと見た。右手の薬指には、自分が贈った三色の三連リングにダイアモンドが散りばめられた指輪が輝いている。
「せや。美香、その指輪、貸せや」
「え?ま、まあ、いいけど……」
私は首を傾けて、指輪を薬指が抜くと真島さんに手渡した。
「左手出してみ?」
「うん……」
そっと左手を真島さんの前に差し出す。真島さんは私の手を取ると、ゆっくりと指輪を薬指に通した。
「え?」
「今日はこれで我慢や。今度ええヤツを一緒に買いに行こな?」
「うん!」
左手を宙にかざして指輪を眺めた。キラキラと光るダイヤモンドが夜景と重なる。まるで宝石箱を開けたようだった。

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