ドキドキの誕生日:後編 | 1分で真島吾朗と恋したい!

1分で真島吾朗と恋したい!

龍が如くと真島さんが大好き。真島の兄さんの二次創作・恋愛小説を綴る。また、真島さんと澤村遥の禁断恋愛小説「般若の素顔と極道の天使」も連載中!



★小説内の主人公を好きな名前に変えて読めます→夢小説「続・ドキドキの誕生日」

今日は、私の誕生日だった。真島さんに銀座の寿司屋に連れて行ってもらった私は、黒塗りの車の後部座席にゆったりと腰を下ろしていた。肩にはしっかり真島さんの手が回されいる。時計は、十一時を回っていた。

「真島さん、すっごく美味しかった~」
「せやけど、美香ちゃん、よう食うたなぁ?」
「だ、だって、あんな美味しいお寿司食べたことなかったんだもん……」
「ヒヒッ。また連れて行ったらなアカンなぁ。ほな、次、どこ行こか?」
真島さんは、私の太ももに左手を置いて、顔を覗き込む。
窓の外には、賑やかな街のネオンが流れている。

「じゃあ、夜景が見たい……かな?」
「ほんなら、ミレニアムタワーがええな」
「え?ミレニアムタワー?」
「せや。着いてからのお楽しみや」
「おい、西田。早ようミレニアムタワーまで行けや」
「はい!」

ミレニアムタワーに着くと、昼間に比べて人通りが少なくなっていた。真島さんは、私の手を引くと、エレベーターへ向かい、最上階のボタンを押した。エレベーターの中は二人きりだった。
「こないにして狭いとこで二人っきりになるのも、ええモンやなぁ?」
真島さんが、私の背中に手を回してきた。
「ダメ……カメラがあるから!」
「そんなんどうでもええわ」
真島さんの顔がぐぃっと近づいた。私は反射的に目を瞑ってしまう。その時だった。

ポーン。
電子音が鳴り、エレベーターの扉が開いた。
「お、親父……」
そこには、引きつった顔で大きなファイルを持った南が立っていた。
「なんでお前がここにおるねん!!」
真島さんは、私を抱きしめたまま、南に怒鳴りつける。
「すんません!今日は、残業しとったんです」
「空気読まんかい、このボケェ!」
ペコペコ頭を下げる南をよそに、真島さんは閉ボタンを強く押し、エレベーターは動き出した。

最上階に着くと、非常階段を登って屋上に出た。外は、五月だけあってまだ肌寒い。風が全身を吹きつける。シフォンワンピース一枚で来た私は、カーディガンを着てくれば良かったと後悔した。貴方は、両手で自分の身体を抱いた。
「なんや、寒いんか?」
「うん……ちょっと」
「これ、着とき」
真島さんが、スーツのジャケットをサッと脱ぎ、私にそれを掛ける。ふわっと真島さんの香水と煙草の匂いが広がった。
「温かい……ありがとう」
「ええで。ほな、こっちや」

真島さんは、私の肩を引き寄せて歩き出した。私は、ヘリポートやその上で点滅するライトに目を奪われる。真島さんが歩くたびにカンカンと金属音がしたかと思うと、真島さんの足が鉄骨のフェンスの前で止まった。
「ここや。見てみ?」
私は、恐る恐る手すりに手をかけて、前を見渡してみた。すると、宝石箱をひっくり返したような夜景が広がっていた。

「うわ~、綺麗!私、こんなの見たことない!」
「せやろ?もっと時間が早かったらなぁ、ディズニーの花火も奥のほうに見えるんや」
「へぇ~。でも、なんでそんなこと知ってるの?」
「時々、仕事のあとに見ることあんねん」
「ふふ、真島さん、意外とロマンチスト」
「まあな。ほれ」

真島さんは、ズボンのポケットからラッピングされた小箱を取り出した。私は、え、と思わず声を出してしまった。
水色の包装紙に白色のリボン。
「あの、開けていい?」
「当たり前や」
私は指先でほどいて、蓋を開けて息を呑んだ。華奢なネックレスが出てきた。金色の鎖には、ハートの形のダイアモンドが通してあった。

「わ~、すごい!ありがと~!ねえ、着けてみていい?」
「俺が着けたるわ」
私は、ネックレスを渡すと、真島さんに背を向けた。真島さんは、ネックレスを着けようと首に手を回した。留め金をカチカチとする音が聞こえる。真島さんの手が首筋に触れて温かい。
「こりゃ、どないな仕組みやねん?」
真島さんの息が耳に掛かった。私は、心臓の鼓動が速くなっているのを感じた。
(私、どんどん顔が赤くなってる……)

「お、やっと出来たでぇ」
ポンっと頭の上に真島さんの手が乗ったかと思うと、真島さんが正面に現れた。
「ど、どうかな?」
「よう似合うとるやないけ」
私が俯きながら、右手でネックレスを持って見せると、真島さんが私の腰に手を回した。

「なあ、顔見せてみ?」
「うん……」
真島さんが私の顎を持ち上げる。
「美香ちゃん、誕生日、おめでとうさん」
「ありがとう……」
真島さんは私の髪をかき上げた。まっすぐ見つめてくる真島さんから目を反らせない。
「お前のこと、離さへんで」
真島さんの抱きしめる腕にぎゅっと力が入った。真島さんの顔が近づいてくる。どうして、この人はこんなに綺麗な顔なんだろう、と思ってしまう。貴方は瞼を閉じた。その瞬間、私の唇は奪われた。

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