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★小説内の主人公を好きな名前に変えて読めます
→「夢小説:兄さんの香りに包まれて」
ついに真島さんと二回目のデートの日がきた。
少しでも綺麗って思われたくて履き慣れない八センチヒールでミレニアムタワーへ向う。
ミレニアムタワーの前に着くと、人込みの中から真島さんが手を上げて歩いてくるのを見つけた。
一瞬で周りの雑踏が聞こえなくなった――。
どうして真島さんだけが色づいて見えるのだろう。
私は高鳴る鼓動を抑えながら、真島さんめがけて一直線に駆け出した。が、その時、
「きゃあ!」
ぐらっと足元がふらついたかと思うと、お尻がドンと地面についてしまった。
にやにやして近づいてきた真島さんが、「ほれ」と言って手を差し出してくれた。
「美香は、派手なこけかたするのぉ。どっか痛ないか?」
「ううん。全然平気!」
真島さんの手を握り締めた私は、よろけながら立ち上がった。
めくれたスカートを慌てて直し、転んだ恥ずかしさから、引きつった笑顔を作る。
突然、真島さんの腕が私の背中に回された。またたく間にムスクの香りがふわりと広がる。
真島さんの匂い――。
この匂いに包まれると、さっきまで動揺していたのが嘘みたいに楽になっていく。
「なあ、そない急がんでも、いつも俺はおるやろ?」
背中に回された手が、トントンと私の背中を撫でる。
そっと顔を上げると、真島さんが私の顔を覗き込んで、目を細めて笑っていた。
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