長ぐつを履く意味 | 雑’s Write

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あれやこれやと考えた事を書いています。

こんにちは


春休みに長女が

友達と映画に行きたいというので

同行しました。

タイトルは

「長ぐつをはいたネコ」



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私は映画を見ませんでしたが、

シャルル・ペローの童話かと思いきや

シュレックに出てくる猫の物語だとか。



たまご怪人のハンプティダンプティが出てきたり

ジャックと豆の木が登場したりする

マザーグースと合体させたようなお話のようです。


なので

絵本で読んだ「長靴をはいた猫」とは

随分違うストーリーのようです。





赤ずきんちゃんやシンデレラのお話は

当たり前のように知っているのに

小6になる子ども達は意外にも

長靴をはいた猫のストーリーを

知りませんでした。


原作の「長靴をはいた猫」は


粉挽き職人の3人の息子が

父の遺産をわけて

3番目の息子の手に渡ったのが猫一匹


その猫が長靴を買ってくれたら

お金持ちにしてあげると言うので

三男は猫に長靴を買ってあげます。


その猫は 王様を騙し

農民を騙し

いろいろな画策をして

三男を伯爵に仕立てあげます。


王様に三男を伯爵だと信用させるために

絶対的に必要なのはお城


そのお城を

猫はオーガという鬼怪物から奪うのです。


オーガとは ヨーロッパの怪物です。

凶暴で残忍な性格であり、人の生肉を食べるとされる。

また引っ込み思案であり臆病でもある。

知性や賢さといったものはほとんどなく、

人間が彼らを倒すことは難しくない。

また、自由にその姿を動物や物に変えることができると言われている。

住処は大きな宮殿や城、または地下である。

ウィキペディアより引用



猫はその怪物を うまくおだてて 

ネズミに変身させて ペロリと食べてしまいます。


そしてお城を奪い 

まるでお城が三男のもののように振る舞います。

王様もお城に感心して

三男の伯爵という称号を信用しました。

そして、お姫様と結婚する

というお話です。


はじめに猫が長靴を要求しますが、

この長靴というか(ブーツ)が 

当時のフランスでは貴族のアイテムだったそうです。


貴族しか履かないブーツならば

猫でも長靴(ブーツ)を履けば

貴族になってしまうという皮肉


ブーツという貴族の記号があれば

王様の権力も

オーガの武力も

農民の思い込みも

猫でも騙せるということです。


猫は「騙して」いますが

賢い「ヒーロー」として描かれています。



鬼退治もして

三男をお金持ちにするという約束を果たした

すごい猫です。


王様とお姫様も騙されましたが、

お姫様と幸せな結婚生活を送るという

ニュアンスで話が終わるのでハッピーエンドって感じです。


でも、

道徳や善悪で 

いいとか、悪いとかではなく、


猫は嘘をついています。


嘘も方便といって許せる範囲なのか

「詐欺」や「ペテン」といわれてもしょうがないレベルなのか

解釈は人それぞれだと思います。

(騙された方にしてみたらとんでもありませんが。)


長靴を履くことで得られている「特別感」で

「嘘」が見えなくなっちゃう空気が漂ってます。


そんな長靴マジックは

自分の周りにも沢山あるだろうと思います。



この物語は

フランス革命の92年前に

出版された童話です。


当時のフランスはブルボン王朝の最盛期であり

ルイ14世の独裁政治 真っ最中

国内では重税で市民が苦しみ

オランダやスペインなどの外国と

戦争ばかりしていました。


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ウィキペディア

そして

パリからベルサイユ宮殿にお城を移し

贅沢三昧の王様一族


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まさに国民にとって ブルボン王朝は

オーガ鬼のような存在だったことでしょう。


そのブルボン王朝というオーガを

ねずみにして飲み込んだのが

「フランス革命」といえるのかもしれません。



最後は

ルイ16世とマリーアントワネットが

ギロチンにかけられました。

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市民という「長靴をはいた猫」が

ブルボン王朝を

飲み込んだのかもしれません。


マリーアントワネットが言ったとされる有名な言葉に

パンがなければお菓子を食べればいいのにという言葉が

ありますが、彼女に対する悪評は、

その殆どが中傷やデマだと判明している そうです。


しかし、

マリーアントワネットの浪費や

ギャンブル好きは事実だったようで

彼女や王権に対する悪意と憎悪が

誇大になって噂が流れたようです。

新婚旅行で

ベルサイユ宮殿に行ってきましたが

それはそれは すごいお城でした。


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当時の重税で苦しんでいた人だったら

革命を起こしたくもなるでしょう。




公開中の映画の長靴をはいた猫の中には
ジャックとジルという登場人物がいました。


ジャックとジルは

マザーグースの歌にも出てきます。



ジャックとジル バケツにいっぱい
 

 水を汲みに丘を上った
  ジャックがこけて 頭を割ると
  ジルもあとから転げていった
  立ち上がったジャックは飛び跳ねながら
  一目散に家に帰ると
  頭に酢をかけて消毒し
  ぼろ雑巾で包帯したとさ

この歌は

ルイ16世とマリーアントワネットがギロチンにかかった事を
皮肉っているとも言われています。

(こわい)


そんなことを考えながら

この映画には

なにか興味深いメッセージがあるのかな~などと

期待してしまいますが


映画のストーリーに フランス革命は

全く関係がなさそうなので、

妄想だけで楽しんでおくことにします。



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