髪結いの亭主 | Pierrot Le Cinephile 映画狂いピエロの日記

髪結いの亭主

髪結いの亭主
子供の頃から女の理容師と結婚したいという願望を抱き続けた来たアントワーヌは、中年にさしかかった頃、ようやくその夢を実現する。
妻のマチルドは、優しくて綺麗で、アントワーヌは念願の妻を娶った事に満足し、十分に幸せな日々を送っていた。
そして10年、この愛は何事もなく平穏に過ぎてゆくが……。

さまざまな愛のかたちを描いた作品で知られるパトリス・ルコント監督の作品。
ルコント作品では一番始めに見た作品で、たぶん一番好きだな。
彼の作品はよく「官能的」っていう表現をされてますね。
フランス映画によくありがちなこの手の要素は敬遠しがちの人もいますが。
この映画はシャンプーの場面などの官能的なラブシーンと、アントワーヌが踊る変なエキゾチックダンスみたいにユーモアに満ちたシーンのバランスがすごくいい。
幸せに満ちたシーンから衝撃のラストへと一転する展開にも驚かされました。

全身全霊でアントワーヌを愛するマチルドの愛し方に驚き、圧倒される。
愛すること、愛されるということについて考えさせられる作品です。

それにしても、「髪結いの亭主」って邦題は絶妙ですね。
原題のLe Mari de la coiffeuseをそのまま訳したといっちゃそうなんだけど。
主人公が本当に髪結いを妻に持つ“髪結いの亭主”((かせぎのよい髪結いを女房にもつと遊んで暮らせるところから)女房の働きで養われている男の意)ってところがにくい。