シティ・オブ・ゴッド | Pierrot Le Cinephile 映画狂いピエロの日記

シティ・オブ・ゴッド

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組)

舞台はブラジル、リオデジャネイロの貧民街「シティ・オブ・ゴッド」。
そこで繰り広げられるのは少年達による弱肉強食の世界。
スラムで生き残るために少年達は盗み、そして簡単に人さえも殺す。
ドラッグと殺人にまみれたそんな世界が彼らにとって唯一のリアル。
写真家を夢見る少年ブスカペを通して、ギャング達の抗争を中心に、そこに生きる少年達の日常を描いた作品。

まずこれが事実を基にした作品というから驚きですね。
また実際にスラムに暮らす少年達をキャスティングしたということで、この作品のリアリティを高める結果となってます。
この映画では終始銃弾が飛び、血が流れていますが全く重苦しくはない。
巧みなカメラワークにスタイリッシュな音楽。
テンポの良い展開にどんどんと引き込まれていきます。
それでも、子供達が笑いながら銃を撃っている姿はショッキング。
そんな中で、ブスカペの恋の話やベネの送別パーティーのシーンなどは対照的に幸福感に満ちていて暖かみが感じられます。

この映画の中では、暴力は肯定も否定もされていない。
その一歩引いた視点が余計にこの社会の内包している問題を浮き立たせる結果となっています。
しかし、それをここまで映画として“魅せて”いるのはさすが。
明るさと悲しみを合わせ持ったとびきりカッコいい映画です。


この作品で注目を浴びた監督のフェルナンド・メイレレス。
彼のハリウッド進出作が「コンスタントガーデナー(
原題:The Constant Gardener)」。


主演は「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズで、相手役には「コンスタンティン」のレイチェル・ワイズ。
原作は、社会派サスペンス小説の巨匠ル・カレの「ナイロビの蜂」。
日本公開は来年みたいですが、どんな作品になっているか楽しみです。