伝えたいことがあるんだ ～第164話～

アムロが新聞のトップを独占した約１週間後、異例の合同会見が開かれた。
会見を行うのはウルとりょうの２人。
メジャー移籍会見だった。
両球団と、ウルとりょう２人の意向が一致し、このような会見をする事になった。

りょう「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。この度FA権を行使し、アメリカメジャーリーグへの移籍を決断いたしました」

ウル「え～…自分もFA権を行使しアメリカ、メジャーリーグへの移籍を決断いたしました。（こんな堅苦しいのか…？ってか…りょうの後だと言う事がある意味楽だな…）」

日本球界を代表する２人が同時に会見するという事で、記者の数も半端ではない。
アメリカの記者もいる。

会見が進み、終盤に差し掛かった頃、記者からこんな質問が。

記者「今まで日本でプレーしてきて、一番印象に残っている場面は？」

この質問に対し、真っ先に答えたのはりょうだった。

りょう「もちろん全てが印象に残っており、どれも素晴らしかったですが、やはり今年のクライマックスシリーズ最終戦、ウルとの勝負が一番印象に残ってます」

記者「ウルさんは？」

ウル「デビュー戦です！」

りょう「おい」

思わずツッコミを入れたりょうだったが、ウルはもちろん冗談のつもりだった。

ウル「デビュー戦というのも嘘ではないですが…俺もやはり、クライマックスシリーズ最終戦、りょうとの勝負が一番印象に残ってます。一番楽しかった」