メロキュンプレゼンツ!!
《ハッピー♡プレゼント!!》
続きです・・・
アンラッキーガールに幸運のキスを♡ 6
「最上さん・・・」
さっきまで思い浮かべていた彼女と目が合って
一瞬無表情になってしまったが
すぐに満面の笑みが溢れ出す。
「おはようございます。あっ、もしかして・・・もう出発される所だったのでしょうか?」
「あっ、ああ・・・そうなんだけど・・・少しくらいなら・・・まだ時間あるよ。」
ちらっと社の方を見ると、頷いて外に出た。
「じゃあ俺、先に駐車場に行ってるわ。」
「すみません、俺も後から追いかけます。」
申し訳なさそうに俯くキョーコを、部屋の中に招き入れた。
「こんな朝早くから、どうしたの?何か、あった?」
「はっ、はい、今日はお会いする事ができないとわかっていたのですが、どうしてもこれをお渡ししたくて、ご迷惑を承知で押しかけてしまいました。誠に申し訳ございません!!」
早く要件を済ませて帰ろうとしているのか
早口で一気にまくし立て
頭を下げたまま、白い封筒を真っ直ぐ差し出してきた。
「これは?」
「誕生日プレゼントです。最初のプレゼントは被っちゃったし、代わりのプレゼントもあんなのではプレゼントとは言えない気がしたもので・・・」
「そんな事はない!昨日ので、十分に嬉しかったよ。」
「いえ、あんなお粗末なもの・・・後から考えれば、お口汚しでしかなかったのではと・・・ちょっと反省したんです・・・・それで、何か別の物をと考えまして、こちらを用意いたしました。」
「それで、わざわざ持ってきてくれたんだ・・・」
「すみません・・・逆にご迷惑になっちゃいましたね・・・・」
「そんな事はないよ。ねぇ、開けてもいい?」
「はい、どうぞ。」
蓮は、封筒を開けると、中から10枚綴りになった回数券らしきものが出てきた。
手作りのようだが、一枚ずつ切れるように、丁寧に切り取り線の穴まで開いている。
チケットを手にとって、よく見ると、一枚一枚に数字と文字が書かれていた。
「ハッピー・プレゼント券?」
「はい・・・実は何もいいものが思いつかなくて、苦し紛れに作ったものなんです。
子供だましみたいでお恥ずかしいんですが、お手伝い券みたいなものと思って下さい。」
「お手伝い?最上さんが、何かを手伝ってくれるっていう事?」
「はい!お料理作りはもちろん、掃除・洗濯、台本の読み合わせ、何でもおっしゃって下さい。微力ながら、最上キョーコ、敦賀さんの願いを叶える為、全身全霊込めて、お手伝いさせていただきます。」
「ふ~ん・・・願いを叶えてくれる券なんだ。どんな事でもいいの?」
「はいっ!私に出来る事なら、何でも遠慮せずに仰って下さい。」
「それは嬉しいな・・・10回もお願いを聞いてもらえる券なんだね。
ありがとう、最上さん、大事に使わせて貰うよ。」
「お気に召して頂けましたでしょうか?」
「もちろんだよ。」
「よかったぁ・・・では、今日はこれで失礼させて頂きます。お忙しい中、お時間をとって頂きありがとうございました。」
肩の荷が降りたのか、安堵した笑みを浮かべて、もう一度お辞儀をすると、急いで帰ろうとする彼女を呼び止めた。
昨日、あんな事があったのに、
まるで何もなかったかのように、変わらない態度で
俺をあれだけ翻弄させたキスを
『粗末なもの』として、終わらせようとする彼女
最上さんだから仕方ないとわかっていても
少し寂しくて・・・悔しい・・・・
でも・・・・・・
嫌われてはいないはず
「早速、一つ目のお願いを聞いてもらいたいんだけど、いいかな?」
振り返った彼女の元に近寄って、回数券の1枚目を手渡した。
「うわっ!もうあるんですか!どうぞ、仰ってください。」
「本当に、何でもいいんだね?」
「はい、私にできることなら何でも。」
ニコニコと受け取った彼女に、過去にも言ったことのある
お願いを口にした。
「なら、3日後のバレンタインデーの夜に、君の時間と身体を頂戴。」
「あっ・・・ふふっ・・・もう、騙されませんよ。また、お芝居の稽古ですね?」
「いや、違うよ。今回は本当に言葉通りの意味なんだ。」
「えっ?」
「俺からの気持ちを込めたチョコを、渡したいんだ。」
「・・・・あのぉ・・・・どうして敦賀さんが渡すんですか?今年は、ちゃんと敦賀さんの分もチョコを用意しましたよ。」
「うん、ありがとう。もちろん、最上さんからも欲しいんだけど、俺からも贈りたいんだ。」
「はぁっ。。。?」
そう言って、ぽかんとしている彼女に
2枚めの券を手渡した。
「そしてこれは、ちゃんと逃げないで、俺の話を聞いてくれるお願いの分だ。」
「もう~からかわないで下さい!」
「どうして?俺、本気だよ。」
真っ赤になって、言葉に詰まる彼女に3枚目の券を手渡した。
「そしてこれは、君のファーストキスを貰う権利。これは君が自分で言ったんだから、文句はないよね。」
ボッォォォ~~~~/////
「本当は今すぐにでも欲しいんだけど、お互いのんびりしていると遅刻しちゃうし、こんな大事なこと、急かされた時間の中でしたくないから、14日までは我慢するよ。」
つい内に秘めた欲望が外に溢れ出し、彼女言わくの『夜の帝王』が顔を出してしまったようで、頬を染めたまま、視線を逸らされてしまった。
「ずるいです。」
「ずるくても構わない。最上さんを手に入れるためなら、俺はどんな卑怯な手でも使うって決めたんだ。」
「・・・・・///」
「それに、俺のこと嫌いじゃないだろ?」
「そんな言い方・・・・・・やっぱり・・・・・・ずるい・・・」
プイッと背を向けて、部屋を出ようとする彼女の隣まで追いついて
顔を覗き込む。
「ずるい男でごめんね。」
「もぉ~ 知りません///」
「ははっ・・・否定しないって事は、肯定と思っていいんだね。」
「・・・・・・・・」
「お願いを受け入れてくれてありがとう・・・そろそろタイムミットか・・・
君も学校に行くんだろ。途中まで送って行くよ。」
「ありがとうございます・・・・///」
玄関を出て、社さんが待っている駐車場へと向かう。
「あと・・・7枚もあるから、次は何をお願いしようかな?」
「あ、あれは、お手伝い券です!こんな不埒な目的に使わないで下さい。」
「迷惑なの?」
うるうると捨てられた子犬のように見つめれば、さっきまでの勢いを無くして言いよどみ始める。
「ここに、ハッピーって書いてあるんだから、
俺が幸せだって思えるお願いでいいんでしょ?」
「まっ・・・まぁ・・・そうなんですけど・・・・」
昇ってきたエレベーターに乗り込み、駐車場階のボタンを押すと
静かにドアが閉まった。
「俺の幸せは、最上さんと同じ時を過ごす事なんだから、その為に使いたいんだ。」
「何だかその言い方・・・破廉恥に聞こえます・・・」
「男は皆、多かれ少なかれ破廉恥な所はあると思うよ。ただ俺は、最上さんを泣かせたくなかったから、我慢してただけ。」
「子供だからですか?」
「違うよ、好きだから。好きな子だから、大切にしたいと思ったんだ。」
「冗談・・・・ですよね?」
「冗談じゃない、本気だ。最上さんは俺のことが嫌い?」
ふるふると首を横に振ってか細い声で呟く。
「・・・・・・私も・・・敦賀さんの事が・・・好きです・・・」
「ありがとう・・・嬉しい、すごく嬉しいよ・・・ああ~、さっきのお願い、14日までなんて待てそうにない・・・今すぐしたい。」
「ちょっ、ちょっと待ってください!もうすぐ下に着いちゃいますよ!」
口の前で手をばたつかせる彼女の手を取り
自分の指を絡めると
もう片方の手で、少し熱くなった彼女の頬に触れ、ゆっくりと顔を寄せていく。
自分には幸せになる資格がないと
ずっと言い聞かせてきたが
君を想う気持ちだけは抑えられなかった。
だからもう
無駄なあがきは諦めた。
君を求めてしまったことは
きっと後悔しない
だって俺は
君だけを
ずっと愛し続けるんだから------
到着音と共に開いた扉の向こうで
目を見開いて固まっている社さんに気づくのは
彼女の柔らかい唇を堪能したすぐ後で
彼女の悲鳴と同時だった。
おわり
↓
↓
↓
↓
↓
ある少女の心のお叫び
「私・・・どうして10枚綴りの回数券なんて作っちゃったのかしら・・・1枚でよかったのに・・・・もぉ~~心も身体も、持ちませぇ~~ん!」
おまけも色々書きたかった箇所があったんですが
ここまで書くのが限界だったので
少女の心の叫びだけ残しました。
それでは、失礼致します~~ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
ここまで読んで頂きありがとうございました。
こちらのお祭りもあと数時間で終了となります。
たくさんの方に参加していただき、皆さんと一緒にメロキュンを堪能した、充実した一ヶ月間を贈ることができました。
この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
お話を読んだり、紹介記事を書いたり、自分のお話を書いたりと、毎日忙しく過ごしておりましたが、途中怒涛の更新ラッシュについて行けず、未だに読めていないお話も一部できてしまいました。
明日から、読み残したお話をじっくり読むつもりなので、時期外れのコメントを書く事もあると思いますが、どうぞ広い心でお許し下さい。
足りなかったメロキュンは、こちらで堪能下さい。↓
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