*Forever and ever* りかさんのブログ開設半年を祝う
りかさんとピコのコラボリレー


【コラボ名】 PIKA*Chu

【リレータイトル】 秘めやかな想い


まだお話を読んでいない方は、こちらの案内↓よりどうぞ。
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PIKA*Chu更新案内


今回のお話は、本編のネタバレになる部分がある気もしますので、

コミック派、ネタバレNGの方は、ご注意ください。





秘めやかな想い *Last dance* 3



キョーコちゃんは、結局誰の事だったのか?

私は本当に身代わりではなかったのか?


答えがすべて出た訳ではなかったけど、今この人と一つになりたいと,、言った言葉に嘘はなかった。


「君だけだ。」と何度言われても、不安になっていた心が、

今は嘘のように、彼を信じたいと願っている。


「キョーコ、好きだよ。ずっと…君だけを、見ていた。」


敦賀さんの甘美な囁きは、私の心のバリヤーにいくつものひびを入れていく。


『勇気をもって立ち向かってみろ。』


以前、矢沢さんに言われた言葉が私の背中を後押しした。


私はただ…隠す事に必死で、敦賀さんと向き合ってはいない。


熱でぼんやりしている時に漏らした名前を、坊の時に話してくれた女の子と結びつけて、敦賀さんの好きな子なんだと勝手に思い込んでいた。


彼の口から一度も、そんな事を聞いてなかったのに・・・・馬鹿な私。


子供の頃、どんなに不幸でも、いつか王子様が迎えに来てくれると信じていた私は、ずっとショータローが私の王子さまだと思っていた。



そしてあいつを信じてすべてを捨て、東京までついてきた私は、手ひどい仕打ちをされ、簡単に捨てられてしまった。

私がずっとそうだと信じていた王子様は、偽物だったんだ。


悔しくて、許せなくて、

復讐の為だけに飛び込んだ芸能界で、敦賀さんと巡り会った。


出会いから最悪だったし、嫌われてもいたから、私も嫌いになり避けていたのに、まるで運命のように何度も出逢って、テレビで見る穏やかで紳士な彼とは違う、色んな敦賀さんを知って、いつしか惹かれていった。


最初はただ・・・・彼の演技に打ち込む姿を羨ましいと、心から思い

いつか私もあんな風になりたいと、憧れていただけだった。


なのに、敦賀さんに触れ、心をときめかせていくうちに、一つ一つ外されていった鍵は壊れたまま、完全に開いてしまい、恋心を抑えられなくなっていた。


嬉しい事も、悲しい事も、全部、敦賀さんに繋がっていたんだ。


傷ついたっていい

騙されたっていい


「君、だけだ」


さっき敦賀さんが言ってくれた言葉を、私は受け止めてみたい。


啄むようなキスを何度も繰り返し、重なる唇から敦賀さんの熱が伝わってきた。


「・・・・んん・・・・・ああっ・・・・」


ふと漏れ出した声もこの前とは違う、

ただ敦賀さんに酔わされて自然と漏れ出た甘い声。


自分でも聞いたことのない声に、心臓が今にも飛び出しそうな勢いで、ドキドキと鼓動を打ち、敦賀さんに聞かれて笑われないかと少し不安になる。

だって本当に有り得ないほど響いているんだもん。


角度を変えては段々深くなるキスに、背中に廻していた手にも知らずと力が入り、何度も降ってくるキスの雨が、何だか無性に嬉しくなってきて段々目頭が熱くなってきた。


「キョーコ、好きだよ…」


低く掠れた声で、キスの合間に囁かれると、痺れたように脳内がボーっとしてくる。


ソファーに沈んだ頭の後ろに、敦賀さんの腕が回されギュッと抱き寄せられると、触れていた唇が深く押し付けられ、きつく吸われた。

あまりにの深いキスに、呼吸が苦しくなって息を吸おうと薄く口を開けば、彼の舌が侵入してくる。

歯列をなぞり、舌を絡め合い

以前にも似たようなキスを交わしたけど、全然違う激しさに何も考えられない。

ただ、少しでも彼の思いにこたえようと、たどたどしく自分からも同じように敦賀さんの舌へ、自分の舌を絡めていくと、頬を敦賀さんの大きな手が優しく撫でてくれた。
まるで『好きです』 『好きだよ』 と互いに言葉を交わしているようで、言葉に出すより想いが伝わってきて嬉しくて、夢中で音にならない言葉を交わし、キスの水音を響かせていた。

今まで味わった事のない甘美な疼きが身体の奥から込み上げてきて、自分がこのままどうにかなってしまうのではないかと、急に怖くなり、敦賀さんの背中にギュッとしがみついた。


先程よりも密着された胸から、自分のものとは違う別の鼓動が感じられ、少し緊張がほぐれた。


たくさんたくさんキスをして、やっと離れた唇が、今度は顎から首の方へと移ってゆき、舌で首筋をなぞるようにして、私の耳朶を甘噛みし始めた。


「あっ・・・・」


思わず、漏れ出した音と共に、開いた身体の間を敦賀さんの右手がそっと降りてきて、私の小さな胸の膨らみに触れてきた。

ビクンと大きく震えてしまった私の身体は、力が入り、固く強張っていく。


今までは、流されるがままに敦賀さんに身を任せてきたけれど、これから始まる行為が、私の数少ない知識の中でも想像できて、少し怖気いた。


さっき私が言った『一つになりたい』って言葉は、こういう意味でもあったんだ。


未知の世界に、どうしていいのかと身を固くしたまま戸惑っていると、耳に触れていた唇が少し離れて、熱い吐息と共に、小さく問いかけられた。


「怖い?今日は・・・・・ここまでにして…送って行こうか?」


切なくも甘い囁きに、敦賀さんの欲望が見え隠れする。

私がここで頷けば、きっと敦賀さんはそれ以上の事をしないだろう。


本音を言えば、怖い…

これ以上、進むと自分が、全部変わってしまう気がする。


でも…逃げたら


私は結局何の答えも見つけられない。


言葉ではなく、心と身体を触れ合わせて、見つけられる答えもあるかもしれない。


『傷つくことを恐れるな。何事も経験してこそ、演技に活かせるんだ。』


また矢沢さんに怒られた気がして、頭を横に振って、ゆっくりと瞳を開いた。

心配そうに覗きこんでいる敦賀さんと目が合い、少し体の力が抜けていく。


怖いのは私だけじゃない

敦賀さんだって、きっと怖いんだと思う。


ずっと私は、この恋は叶わない、失望されたくないから、敦賀さんにだけは知られたくないと思っていた。


だって・・・・


出逢えた事だけでも奇跡なのに、私の想いを敦賀さんが受け入れるなんて・・・

考えもしないでしょ、普通は…

なのに…


彼は私を好きだと言って、求めてくれている。


これを運命と言っても、大袈裟じゃないよね。


私は・・・・・


まだ見たことのない景色を敦賀さんと二人で見てみたい。



ゆっくりと彼の頬に手を伸ばして、柔らかく微笑んだ。




「抱いて、ください。」




この前、モー子さん達と見た、恋愛ドラマで主役の女の子が言ってた台詞。

あの時は、安直だと皆で笑っていたけど、今ならその気持ちもわかる。


真っ赤になった顔で、


それは今


私が振り絞った、精一杯の勇気だった。



4へつづく



申し訳ございませ~んm(_ _ )mm(_ _ )mm(_ _ )m


限定記事までいけませんでした。

次こそ限定で、あと一話ピコが書かせてください。


りかさん、ご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ございません。




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前回のピコのお話につけていたお礼文「愛の大嵐ミッション」をUPしてみましたので、よろしければお楽しみください。

もしもやっぱり読めない方がいましたら、お手数ですがご報告お願い致します。

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