蓮キョ☆メロキュン推進!『ラブコラボ研究所』
テーマお題第九弾!!『メロキュンカフェバー☆オープン!』

バレンタインには間に合わなかったので、ホワイトデーのみの参加となりました。


メロキュン度の低い仕上がりとなってしまいましたが、1/2の続きです。

少しでも楽しんで頂けたら嬉しいなドキドキ


1/2は、こちら




ビトウィーン・ザ・シーツ 2/2
~いつか未来に、願いをこめて~




肘をついてバーボンを飲むふりをして、チラチラ二人の様子を窺っていた尚は、イラつく気持ちを抑えられなかった。


あのヤロォ~、イチャイチャしやがって!


いくらこの店が、秘密主義とはいえ、天下の敦賀蓮が人前で、鼻の下伸ばしてデレデレしてんじゃねぇ!!


くそっ!! むかつく!


それに、連れの女!


なんて、美人なんだぁ///スタイルいいよなぁ…

ちょっと胸は小せぇけど、あんだけいい女なら、許せる!


ゴージャススターには、あんな派手な美女が寄って来るのか…


どこで見つけたんだろう?

やっぱり同じモデル仲間か?


音楽関係では、あそこまでの極上品はいねぇし、探すならやっぱりモデル関係か…


いいよなぁ------------


本当にいい女だ-----------


どこかで会った気もするが、あんないい女なら俺様が忘れる訳はない。


一流という奴は、やっぱりあれぐらいのいい女を連れてないと一流と言えないよなぁ・・・・・・

いや!待て俺!?何、感心してるんだ!

俺様だって、スーパースターだ。

昔とは違う・・・・


それにしても・・・・・・・・


昔、スーパースターの隣には、最高の美女がふさわしいと考えていたのを、今、目の前で見せつけられ、自分の向かいで微笑んでいる女とのギャップに悔しさが隠せなかった。


その上、二人の関係を見せつける様に、目の前であんな意味深なカクテルを頼みやがって…

口には出せないが、男としてあまりにもカッコよすぎて、少し羨ましかった。


ただ、それは絶対に認めたくはなかったのだが・・・・・・・


「尚!何、向こうばかりチラチラ気にしているの!そんなに気になるんだったら、声かけてきなさいよ!私は、帰るから。」


むくれて立ち上がろうとする女を止めて謝った。


「そんなんじゃねぇよ。彼女は、敦賀の女だ。俺は、他人のもんには興味ねぇ…お前の方が、よっぽど可愛いよ。」


顎を指でくいっと上げると、掠めるだけのキスを交わした。


「続きは、店を出てからな。」


「尚ったら////////////」


すっかり機嫌をなおして、笑っている女に微笑みながら、目の端で女の方を見ていた。

全くこっちには興味がないような様子に、何故か少し凹んでしまう。



俺は、なぜこんなにもあの女が気になるのだろうか・・・


何かが、どうしても心の隅で引っかかっていたが、それよりも問題はあいつだ!

敦賀蓮もいくら外では、穏やかな紳士面をしていても、ただの男だった・・・

所詮美人には、男はみんな弱いのさ。


これをキョーコが知ったらどう思うか・・・・ぐっふっふっふっ・・・・面白れぇ~~


きっとあいつの事だろうから


『敦賀さんなんて不潔よ!見損なったわ!大嫌いっ!』


な~んて、言うんだろうなぁ…… 


今度会ったら、絶対言ってやろう。いや、後で電話してやるか・・・・・


にゃっ にや にや にや・・・・・・・・・


「尚・・・本当にどうしちゃったの・・・・今度は、変な顔になってる・・・・・酔っちゃった?

まるでおそ松くんのイヤミみたいな笑い顔になってるわよ…」


不気味がって、問いかける女の声も、今夜のキョーコとのやり取りを妄想する尚には届かなかった。


**********


「ん?どうかした?」


「後ろが、何だか不気味な笑いでこちらをずっと見てるんです・・…

さっきまでは、睨んでいたのに、どうしちゃったんでしょうか?」


「酔っただけじゃない?絡まれる前に、俺達もそろそろ帰ろうか。」


椅子から、立ち上がりキョーコの荷物を手渡してコートをそっと羽織らせると腕を差し出した。


「お先に。」


爽やかな笑顔と共にキョーコを抱き寄せ店をさっさと出る蓮に奴が何か言いかけていたようだが、颯爽と無視をして去って行った。


非常ドアを閉めると、キョーコは安心したように大きく息を吐いた。


「本当にあいつ…私に気づかなかったんですね…」


少し寂しそうに呟く君に少しだけ胸が痛む。


「傷ついた?」


「全然。あいつは、昔からそういう奴でした。あんな奴をどうして私は王子様と言って尽くしてたのか・・・・

今更ながらに自分の見る目のなさに呆れます。」


「そっか・・・・・・・」


ポンポンとただ頭を撫でてくれる敦賀さんの優しさを今夜は不思議と素直に受け入れる事ができた。


敦賀セラピーも

夜の帝王も

大魔王も


どうしていいかわからず、よく逃げてたけど、本当はないと寂しくて、いつもどこかで求めている自分に

本当はもうずっと前から気づいていた。


嫌だけど嫌いじゃない。

でも…嫌いじゃないけど好きになってはいけないと自分に言い聞かせ、


じゃあ…好きとは言わないけど追いかけるのはいいよね?と自分に言い訳をしていた。


でも・・・ずっと追いかけていたいけど、馬鹿女になりそうで怖い。


ならばと、忙しくして距離を置こうとしたけれど、

敦賀さんの食生活が心配で、結局自分から連絡をとったりもしていた。


そして、ラブミー部のお仕事にかこつけて、敦賀さんのお食事のお世話をしてたら、結局馬鹿女になってしまった。


でも敦賀さんは私を一度も馬鹿女扱いはしなかった。


いつも心から感謝の気持ちを表してくれて、優しく私を受け入れてくれる。


時折感じる好意のかけらが胸をときめかせ、勘違いしそうになる。



本当に勘違いなんですか?

もう一歩・・・・・・

私が近づいたら、あなたは逃げ出しますか?



階段の踊り場で一人立ち止まり、俯いて考え込むキョーコを心配して蓮が覗き込もうとした時、

キョーコは蓮の胸にギュッとしがみついた。



「迷惑なら、酔っ払いの戯言として忘れてもらっても構わないので、今だけこうさせて貰ってもいいですか?」



勇気を出して、優しさに縋る様に伝えた言葉。


でも----------


これ以上、伝える勇気もない、弱い私。


(拒否されるのは、やっぱり怖いから、もう少しだけこのままでいたら、謝って今晩は一人で帰ろう)


驚いてそのままの恰好で固まっている敦賀さんの広い胸に、黙って顔を埋めていた。


いきなりの思いがけないキョーコの行動に、つい、いつもの癖で心のバリアーを張っていた蓮だったが、

自分の胸の中で真っ赤になって震えている事実に段々落ち着きを取り戻してきた。


嘘で、こんな大胆な真似を彼女はしないよね?

まだ役に入っているなら、こんなにびくびくと俺の胸に縋りつきもしないだろう。

これは間違いなく、俺が求めて止まない最上さんの姿だ。


過度な期待でも、勘違いでもないよね。


俺の気持ち・・・・・・伝わったのかな?


蓮はキョーコを隠すように自分の身体で大きく包み込んだ。



「酔ってたなんて言わせない。なかった事になんてできないよ。

もう----------大丈夫なんだね?」



蓮の熱い眼差しに、黙って首を縦にふるキョーコ。


「やっと-----伝わった。ありがとう・・・・・・・嬉しいよ。」


抱きしめる手に力が入り、近づいてくる顔に、そっと目を瞑った。



唇に感じる熱に自分が今ここで何をしているのか我に返ったキョーコだったが、

離れることはできずに掴んだ蓮の服を夢中で握りしめた。


少し前の自分ならすぐに怖くなって、『破廉恥です!』と叫んで突き放すのに、

今はもっとして欲しいと強請る自分がいる。

知らない間に変わってしまった自分に、戸惑いながらもただ今は、敦賀さんに夢中でしがみついていた。



映画でみたような激しいキスでなければ、挨拶の様な軽いキスでもない。



温かくて優しくて心にゆっくり染み込んでくる。


尖った心が徐々に溶けていく。



さっき飲んだカクテルのように甘くてふわふわしてきて、心まで酔わせてくれる口づけに、

キョーコの心は、もやもやした霧が晴れていくようにすっきりしてゆき、一つの言葉が浮かび上がった。




好き-------好き---------好き----------




ずっと心の奥底に仕舞いこんでいた言葉がじわじわと溢れ出してくる。





「敦賀さん…私・・・・・・・・・・・・」


「しっ!」


触れた唇を少しだけ離して、蓮はキョーコの言葉を遮ると、キョーコの頭に腕を回して人目から隠すようにして、もう一度口づけた。



バーーンと大きく開けたドアから、ドタドタと激しい靴音が響いてくる。


「ねぇ~、尚!もう本当に帰っちゃうのぉ!もう一軒行こうよぉ~」

「うるせぇ~、俺は明日の朝、早いんだよ!」


うるさい足音をたてながら降りてきた尚達だったが、階段の踊り場でピタッとその足を止めた。


「ふんっ!我慢のできねぇ奴らは、これだから困る…やりてぇんなら、てめぇーの家かホテルに行ってやれよ。

こんな所でやってたら、すっぱ抜かれてもしらねぇぞ~~」


鼻で笑って言い捨てると、そのまま再び階下に降りてゆき、扉を開けて出て行ってしまった。

離れていった唇と共に、止めていた息を大きく吐き出した。


「何なの~~~まるで、人を発情期の犬か猫みたいに言って!許せないわぁ!!!」


「まぁまぁ、落ち着いて。あまり大きな声を上げて、他の人がやって来たら余計面倒な事になるよ。」


「あっ…ごめんなさい。」


頭を下げて、しょんぼりするキョーコに蓮も困ったように言葉を続けた。


「まっそれに、さっきの彼のセリフは俺が仕掛けたものだから、あまり責められないしね。」


ぽりぽりと頬をかいて見つめるキョーコの視線から目を逸らす蓮に嫌な予感がした。


「もしかしてさっき…ショータローに会った時に注文したあのカクテルに何か関係あったんじゃないでしょうね・・・・確か……「ビトウィンザシーツ」とか言ってましたね・・・・・・・・・あの意味って?」


「意味は、『ベッドに入って』というネーミングの「ナイトキャップ」カクテルだよ。」


「////////破廉恥です~~~///」


真っ赤になって固まるキョーコを強く抱きしめた。


「いつも奴には悔しい思いをさせられたから、たまには見せつけたかったんだ。ごめんね。」


自分が一番弱い表情で、小首を傾げて謝る蓮にキョーコは身体を背け、ぷくっと頬を膨らませて拗ねてみせた。



まだ何もしてないのに…

キスだって、さっきしたばっかりだし、好きだとも言ってもらってない。

二十歳になったけど、遊びと言って笑えるほど、大人じゃないもん。

なのに・・・・・・そんな風に思われるなんて・・・・

やっぱり破廉恥だ--------


蓮に聞こえないくらい小さな声でぼそぼそと呟いていたが、蓮は聞き逃さなかった。



「遊びのつもりはないよ。ちゃんと告白して、順番にゆっくり関係を深めていくつもりだったんだけど…

我慢できなくて、ごめんね。もう一度、最初からちゃんとやり直したいから、俺の部屋に帰ろう。

そこでゆっくり伝えるよ。」


神々しい笑顔で手を伸ばす蓮に、俯いたままゆっくり伸ばす手。

絡み合わせた手は、どんな強風にも負けないくらい強く握りあっていた。


二人の関係が変わるまであと少し…




『ビトウィーンザシーツ』





いつか未来--------------



笑って貴方と飲める日がくるように願いを込めて



今、もう少しだけ



勇気を出して



前に進みます。




おわり



≪カクテルレシピ≫

【カシスオレンジ】

●クレーム・ド・カシス 30ml~45ml

●オレンジ・ジュース 適量

1.タンブラーグラスにクレーム・ド・カシスと氷をいれる。

2.オレンジジュース(*)を適量加えて、軽くステアする。

(*)オレンジジュースを生のオレンジを絞ったものにすると、より美味しいです。



【キール・ロワイヤル】

シャンパン : クレーム・ド・カシス = 4:1 ~ 9:1

カシス・リキュールを注いだフルート型シャンパン・グラスに、よく冷やしたシャンパンを注ぎ、ごく軽くステアする。

(氷を入れないので、事前によく冷やしたほうが美味しいです)


※シャンパンを白ワインに替えると『キール』となります。


クレーム・ド・カシスは、スーパーのお酒売り場にもよくあるので、よかったら家でも一度チャレンジしてみてください。

炭酸で割って、「カシスソーダ」にして飲んでも美味しいですよ。



【ミモザ】

正式名称は『シャンパン・ア・ロランジェ』(オレンジ・ジュース入りのシャンパン)

●シャンパン 60ml

●オレンジ・ジュース 60ml

フルート型のシャンパン・グラスにシャンパンを注ぎ、オレンジ・ジュースで満たして、軽くステアする。



【ドライマティー二】

「カクテルの王様」と呼ばれていて、世界中のどこのバーでも人気の高いカクテルです。

それだけにレシピにこだわりを持つプロも多く、たくさんのレシピが存在します。

ベルモットの量が少ないほどドライになります。


●ドライ・ジン 45ml

●ドライ・ベルモット 15ml

1.上記材料をミキシング・グラスに入れてステアする。

2.カクテル・グラスに注ぎ、好みでレモンピールを絞り、カクテルピンに刺したオリーブを飾る。



【ビトウィーン・ザ・シーツ】

「ベッドに入って」という意味深なネーミングで、「ナイトキャップ」にお勧めの少々アルコール度数が高めのカクテルです。

また別の側面に取られ、男が女を口説く際に出すカクテル、という意味合いを持たれることもあります。


昔、ピコは興味でこれを頼みましたが、あまりにも辛くて飲めなくて、バーのマスターにお子様バージョン(シロップを足して甘くしてもらう)に味をなおしてもらった恥ずかしい過去が(汗)

まぁその店はマスターがこだわりを持っていて基本辛口な仕上がりになっていたので、他店ではもう少し飲みやすかったかもニコニコ


●ブランデー 20ml

●コアントロー 20ml

●ホワイト・ラム 20ml

●レモン・ジュース 1tsp

上記材料を、氷と共に全ての材料をシェイクし、カクテル・グラスに注ぐ。



【ワイルド・ターキー】

風味豊かで舌にピリッと来る味わいのバーボン。

名前の意味は、「野生の七面鳥」



以上



いくらお酒好きのピコとはいえ、出しすぎですねあせる

話も長い上に、説明も長いのでお話が分割されました!

(これもいつもの事か。すみません。)



このお話を書いてるときに、同じ企画で発表されたちなぞ様の素敵なお話の中に、「カクテル言葉」について書いてあったので、ピコも上記のカクテルで調べてみました。



マティーニ「心の声」

キール・ロワイヤル「気品」



偶然ですが作中で、蓮さんは1杯目に「マティーニ」、2杯目に「ビトウィーン・ザ・シーツ」を頼みました。

という事は、心で口説きたいと叫びながら、声に出せてないということ?


どんだけヘタレなんだぁ~~!と、一人受けてましたγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ



それとまた

カクテル言葉を探しているときに、こんなものも見つけました。


『誕生酒大辞典』366日の誕生酒と酒言葉の誕生日占いより



2月10日の誕生酒(ワインクーラー)
「特徴:脳内変換して楽しめる名人」

蓮さん、どれだけ脳内でキョーコちゃんにあんな事やこんな事させてるのかしらドキドキ


12月25日の誕生酒(グリーンアップルロワイヤル)
「特徴:ふれあいを大切にするシンデレラ」


さすがメルヘン好き!偶然?でも、キョーコちゃんが知ったらすごく喜びそうですね。


興味がある方は、他にもたくさんあったので、是非あちらのブログへも行ってみてください。


カクテルは調べると、どんどん面白いネタが見つかります!

あ~、久しぶりにバーに行って、本格的なカクテルが飲みたくなりました(*^▽^*)


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


おまけ

この後、キョーコちゃんはしっかり最後まで蓮さんに頂かれちゃいますラブラブ

本人の中では、いつか未来だったはずの行為でしたが、理性の 箍が外れて止められなくなった蓮さん相手では歯が立ちませんでした。

というか、見た目よりすっかり酔っていたキョーコちゃんが誘惑してしまった節も多々あり…な~んてねっにひひ

ただ残念な事に、翌朝にはすっかり忘れてしまっているキョーコちゃんは、今自分が置かれている状況にプチパニックを起こすのでした。


そして…


( ´艸`)


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆



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