魔人様のリク罠1話、こちらに転記して再UPです。
ラブラブなバレンタイン話を満喫しまくった反動か、暗すぎる程暗い「リク罠話」を仕掛けてしまいました。∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
これをスタートに、キョーコを幸せへと導いてくださる方を募集します。
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氷の仮面~消滅と誕生~ 1
敦賀さんと交際を始めて2年。そして、交際と同時に始まった同棲からも2年。
敦賀さんのことは好きだった。でも、彼とおつきあいをしたいだなんて思ったことはなかったし、できるとも思っていなかった。
なのにどうしてこんなことになってしまったんだろう。
こんなことがいつまでも続く訳がないのに。
こんな私が側にいちゃいけない人なのに。
だから。
いずれ来るであろう日を待っていてはいけない。
私という汚濁から彼を解放することだけが私に科せられた只一つの使命。
私から彼に贈る事ができるたったひとつの祝福。
自らの暗闇から解き放たれた彼は私からも自由にならなければならない。
私にできることはひとつだけ。
彼が気づかないなら、気づかせればいい。
ただそれだけ。
そして私が1年前から始めた準備がすべて整った。
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久し振りに早く帰れた私は2週間分程の食事ストックを用意し、それらを冷凍庫に仕舞い終えると、シャワーを浴びて自分の部屋に引き上げた。
もうすぐ彼が帰ってきてしまうから。
もう声は聞きたくない。
もう顔も見たくない。
私という不快な存在に彼が我慢できなくなる日まで待つのはもうやめた。
もう欠片さえも受けない。
彼の愛など。
もう欠片さえ見せない。
私からの愛など。
だから私はすべてから遠ざかる。この夜を乗り切るために。
自室の部屋の鍵をかけ、耳にはイヤホンをし、ベッドという要塞に立てこもれば、朝まで誰も私のテリトリーを侵すことはできない。
そう、彼でさえも。
明日から始まる予定の私の新たなる砦での生活。
今日というこの日を乗り越えれば、私が蒔き続けてきた不和の種が咲いてくれることだろう。
それは徐々に育ち、私と彼を永遠に隔ててくれる壁となる筈。
自然消滅。なんて素敵な言葉。
私と彼の偽りの愛は、そぉっとそぉっと遠ざかり、音も立てずに消えて行く。
それで私という汚濁を、彼という世界から奇麗に消し去ることができる。
処分されるべきだった存在である私と輝かしい彼という存在が交差することはもうない。
あるとすれば。
偽りがすべてである「演劇の世界」でだけ。
それだけが私の人生。
それだけは誰にも渡さない。
「キョーコを産んでしまったことが私の人生最大のミスだったわ。あの時ちゃんと処分していればよかったと思うの」
「でも、なんにもできない出来損ないの役立たずでも20年も生きれば大人なのよね、有り難いことに。これでもう扶養の義務もないんだから、私はやっと自由になれるわ!あなたが死のうが生きようが関係ない存在に」
「まあ、事件なんかを起こすのだけはやめてね。迷惑だから。役立たずでも芸能界においてもらえるなら、処分されないようにそこで頑張ればいいわ」
「自立して、私には今後一切迷惑をかけないで。私があなたに望むのはそれだけ。それじゃあ、さよなら、キョーコ」
大丈夫よ、1年前まで私の母だったあなた。
ちゃんと処分されないように、頑張れるから。
だから、私からもあなたという存在を消し去ることを許してね。
あなたには何一つ許してもらえなかったけど。
これだけは喜んで許してもらえることを知っているわ。
だから、さようなら。
明日になれば。
飛行機に乗って、私は飛び立ちます。
すべてを消し去って。
新しい世界へと。
2へ続く
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キョーコという名も京子という名も捨て、新たな芸名でハリウッドデビューが決まっています。
社長は止めずにサポートしています。キョーコの精神の危うさを感じてしまったが故に。
何もできないまま、キョーコから離れることになってしまった蓮も、遅れること半年でハリウッドデビューを果たしますが、再会したキョーコの姿に衝撃を受けます。かつての面影をなくし、ハリウッド女優○○○としてのみ生きるその姿に。
魔人様のリクエスト通りか?自信はございませんが、頑張って続けます
魔人様が書いたお話ですが、一応web拍手をつけさせて下さいね。
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