アメンバー様300人達成記念SS
魔人様の甘い罠に自ら飛び込んじゃったピコの記念SSの後編です!
後編も、フリー作品とさせていただきます。
お持ち帰りの際は一言お声をかけていただくとピコは非常に嬉しいです。
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酒豪な彼女と甘えん坊 後編
その頃、会場では蓮の意外な一面を目撃してしまった一同が徐々にフリーズから溶け出して会話を始めていた
「敦賀さんって、飲むと泣き上戸だったんですね 何だか可愛かった」
「幼児言葉で駄々こねて首振るところなんて かなり萌えポイント高いよね」
「敦賀蓮って、あんなにカッコいいのに かなりヘタレだったんだなあ~
俺・・・彼も生身の人間なんだって初めて思ったよ」
「俺も~しかしずっと一人の子を思い続けるって中坊のガキかよ!あははは・・・」
「あんまり笑ってやるなよ!彼、大分悲惨な片思いしてるみたいだし・・・」
「それよりキョーコちゃんの方が凄くねえ?」
「かなりの天然おとぼけだよなあ~自分の名前呼ばれてるのに、自分じゃなく同じ名前の違う子って普通思うか!って・・・かなり飛躍した思考の持ち主だよなあ~」
「せっかくあんなにいい男なのに好きな女の子には相手にされてないってかなり痛いじゃん!なんか笑えるねえ~」
「あ~も~くやしいい~~!私 敦賀さん狙ってたのにい!」
「「「私も」」」
「俺もキョーコちゃんいいなあと思っていたのにな・・・」
「あいつが相手じゃあ俺たちなんて相手にされないわけだ」
「「「「はああああ~~~~」」」」
会場のあちこちで参加者達が彼らの話を始め、時には笑い、落ち込み、怒り、泣き出すと様々な反応で賑わいだした時、アキコの大声が会場内に響き渡った
「お前らあ~今日ここで見た事は絶対 外に漏らすな!他言無用!!
ここでの会話はすべてシークレットだ!
もしもばらす奴がいたら、わかってるだろうなあ・・・
この世界では二度と生きていけないようにするからな」
「「「「「「はい!!!!!!!」」」」」」
アキコの一喝の後は、彼らの話をする者は誰一人いなくなって、また何事もなかったかのように宴は空が白むまで続いていった
**********
その頃 キョーコはほとんど意識のない蓮を抱えてよれよれになりながら
何とか部屋までたどり着いた
玄関のドアを開けて もつれこむように蓮を肩から降ろして座らせると靴を脱がせてもう一度立たせようとした
が!うとうとと眠り始めたので、慌てて蓮に声をかけた
「敦賀さん お願いですからここで寝ないでください!お部屋に入りましょう」
けれども蓮はキョーコの声に返事を返すことなく目を瞑ったまま廊下に横たわってしまった
どうしよう・・・こんな所で眠ってしまったら風邪をひいてしまう・・・
「つる・・・・・・コーン? 起きて お部屋に入りましょう」
「んん・・・んんん・・・キョーコちゃん?どこ?ここは」
「コーンのお家に帰って来たんですよ さあ中に入りましょう」
「キョーコちゃんも一緒?今日は泊まれる?」
「はい 泊まります だって さっきコーンのリクエストの朝ごはんを作ってあげるって約束したでしょう」
「やったああ~~じゃあ・・・」
蓮は寝そべったまま『起こして』と言って、キョーコの方に両手を突き出した
キョーコは蓮の両手をしっかり握ると思いっきり力を込めて引っ張って起き上がらせた
よたよたとリビングまでひっぱっていくキョーコの背中に手を廻してギュッとしがみついている蓮は上気した頬を緩ませ無邪気に笑っていた
部屋に入ると蓮をずっと抱えていたキョーコは力尽きてソファーに辿り着くや
蓮を抱えたまま一緒にふらふらと倒れこんでしまった
しばらくそのままの体勢で身体を休めていたが、蓮がまた寝そうになりだしたので キョーコは急いで水を取りに台所へ行った
「敦賀さんお水ですよ 飲めますか?」
うとうとする蓮にコップを持たせてその上から自分の手を合わせて支えるようにして水を飲ませると 蓮はまた目を開いてあどけない笑顔でキョーコに抱きついてきた
「ありがとう キョーコちゃん 大好きだよ」
両頬にチュッチュッとキスをしてまた唇にもチュッと軽く触れるだけのキスを落とした
本日これで何度目のキスになるんだろう・・・
これじゃあファーストキスの法則も何も関係ないわよねえ~
それにこんなに酔っていたら、きっと明日は何も覚えていないんだろうなあ・・・
顔を背けて小さくため息をつくと寂しそうな笑顔でもう一度コーンを見つめた
「さあもう遅いし休みましょうか」
キョーコは首に巻きついたまま離れない蓮をそのまま引きずるようにベッドルームに連れて行って、ベッドに座らせ そっと後ろの手を外すと上着を脱がせベッドに横たわらせた
「キョーコちゃんも一緒に寝よう」
ベッドから離れようとするキョーコの右手を掴むとそのままベッドの中に引っ張りこんでしまった
暴れるキョーコの肩を抱きこむようにして身動きできないようにがっちりホールドする
「離して下さい」
「やら・・・キョーコちゃんはいい匂いがするもん!ふかふかだあ~」
自分の胸に顔を擦りつけ幸せそうに微笑んでいる蓮に
キョーコは『破廉恥ですう~~』と叫んで今すぐ飛びのきたかったが
あまりにも屈託なく笑うので毒気を抜かれてしまい
諦めて蓮の背中に手を廻してそーっと抱きしめた
可愛い・・・コーンも昔はこんな風によく笑っていたな・・・
やっぱり敦賀さんがコーンだったんだろうか?
でも、なら何故黙っているの?どうして本当のことを言ってはくれないの?
キョーコは蓮が『カイン』を演じている頃の辛そうな表情を思い出した
日本人の振りをしてまでここにいると言うことは
何か人に言えない事情があるのかもしれない
誰にだって人に言いたくないことの一つや二つ・・・あると思う
いつか敦賀さんが本当の事を話してくれる日が来るまで待っていよう・・・
キョーコは京都の河原で笑いながらキョーコちゃんと呼んでいるコーンの姿を思い出した
昔 敦賀さんが熱に浮かされて呼んでいたキョーコちゃんは・・・
私の事だったんだ・・・
キョーコは緩む頬を抑えられず、一人ニヤニヤして
もうすでに深い眠りについている蓮の頭を優しく撫でて
彼女もまたゆっくりと目を閉じ眠りについた
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「んんん~~ああ~いい匂いだ・・・温かい・・・柔らくて なんて気持ちいいんだ・・・」
ふわふわする感触に顔を擦りつけながら蓮はそろりと目を開けた
へっ胸?うそっ・・・誰だ?俺は誰と寝てるんだ・・・覚えていない・・・マズイ!!
焦ってがばっと起き上がり 両手で髪をかきあげてきょろきょろと見回すと、
ちゃんと自分が服を着ていること 相手にも着衣の乱れがないことを確認した
そして念のためにベッドサイドのごみ箱にも目をやりティッシュなどが捨てられていないかも確認する
何もなかった・・・よな?
大きく安堵の溜息をつくと、意を決したように 枕に伏せて寝ている女性の髪を起さないようにそっとかきあげた
最上さん!!よかったああ~~~
いや・・・違うだろう・・・よくはない!
俺は最上さんと一緒に寝ていたのか?でも何故?彼女がここに?
確か俺は昨日アキコさんの誕生会に行って それから・・・
その後 確か・・・成り行きで飲み比べに参加することになって・・・
最後まで残ったよな?
そして・・・勝った?
あの時は 確か・・・途中から意識が途切れるようになって・・・・・・・
嘘だろう!覚えていない!!
まずい・・・後半から全然記憶がない・・・いたたた・・・頭がガンガンする
頭を抑えて顔をしかめていると目を覚ました最上さんが心配そうに顔を覗き込んできた
「大丈夫ですか?昨日大分お酒を召し上がっていらっしゃったから・・・
お水持って来ますね」
キョーコはさっさとベッドから降り部屋を出ようとしたので焦って手をとり引き止めた
「待って・・・あの昨日・・・ここまで連れてきてくれたのは最上さん一人?
俺 君に何か・・・した?」
「やっぱり憶えていないんですね・・・」
「・・・ごめん・・・途中から記憶が・・・ないんだ」
最上さんは八の字に眉毛を下げて困ったように小さく溜息をつくとそーっと俺の手を放した
「私が一人でここまで連れてきました 大丈夫です
敦賀さんは何もしてませんから・・・
ただ休む時に離してくれなかったので仕方なく一緒に寝ただけです」
「ごめん!最上さん」
大きく頭を下げて彼女を見つめると、彼女は寂しそうに微笑んで部屋を出て行った
俺は彼女に何かしたのか?
何か彼女を傷つけるようなことを言った?
あの表情の意味はどういう意味なんだ?
痛む頭をぐるぐると必死で回転させて思い出そうとしたが思い出せない
仕方ない・・・後でお詫びがてらアキコさんに電話して 昨日の俺があの後どうなったか?詳しく話を聞く事にしよう
蓮もベッドを降りて台所に向かいキョーコに声をかけて水をもらった
「何を作っているの?」
「シジミのお味噌汁と梅干としらすの雑炊です
昨日、敦賀さんが食べたいって言ってたから・・・」
「・・・ごめん・・・俺・・・何も憶えていないんだ・・・でも嬉しいよ・・・
先にシャワーを浴びてくるね」
後ろを向いたままの最上さんは小さく頷いた
************
シャワーを浴びた後、2人で朝食をとりながら
いつもの可愛い笑顔に戻った最上さんは
俺が途切れていた昨日の一件を楽しそうに話してくれた
「敦賀さんは酔うと泣き上戸なんですよねえ~
それに幼児言葉!ふふふっ とても可愛かったですよ」
「うそだろう・・・今までそんな事一度もなかった・・・」
真っ赤になって落ち込む蓮にキョーコは畳み掛けるように追い討ちをかけた
「それにもう帰ろうといっても『いやら』と言ってなかなか帰ってくれなかったんです」
「嘘だろう・・・いやらって・・・」
「それに私におんぶしてってせがまれて背中にのられて本当困りましたよ
敦賀さん 重いんですから!」
「もうお願いだ・・・それ以上は言わないでくれ
本当に迷惑をかけて悪かった ごめん!!!」
耳まで真っ赤にして、何度も必死で頭を下げる敦賀さんに もう意地悪はこの位で止めとこうとキョーコは思っていた
でも一つだけどうしても気になっていた事を聞いてみた
「ねえ敦賀さん、特大の平べったい楕円形の石を見た時、私なら何と答えると思いますか?」
「へっ 何それ?・・・・・・う~~ん・・・・・ハンバーグ王国の国王様?」
「ぷっくくく・・・あたりです」
ショックでテーブルに肘をついて顔を両手で覆い隠していた蓮は 笑いの止まらないキョーコの姿を指の隙間からこっそり覗いていた
頭にたくさんの??マークを浮かべながら・・・
公衆の面前で 愛の告白をされたにも関わらず 当の本人は何も覚えていないという悲劇は キョーコにとっても残念で少し寂しかったが 『キョーコちゃん』はキョーコ自身であり 蓮がコーンだったとわかったので もう今はそれだけで充分だ・・・と思っていた
今度敦賀さんが何か言ってきた時には
ちゃんと聞いてあげようと心に決めたキョーコだった
おわり
↓
↓
↓
↓
後日、アキコさんからその日の自分の醜態を聞いて、あまりの恥しさに謝ることも忘れ真っ赤になってそのまま固まってしまった
アキコさんは笑いながらも俺にエールを送ってくれた
「お前のへたれっぷりはよ~くわかったから、今度はちゃんと向き合うんだぞ。
あれだけ恥しい姿を晒したらもう怖いものなんて何もないだろう
ぷっ・・・クククク・・・」
顔から火の出そうなほど恥しかったが、確かにアキコさんの言う通りだった
俺はその日の夜、自分のマンションに最上さんを呼んであの時の失態を改めて謝り、最上さんに自分の想いをありのままにぶつけた
それは『敦賀蓮』とは決して思えないほど不恰好で情けないものだったけど
最上さんは誤解することなく素直に俺の想いを受け入れてくれた
京都で幼い頃に出会っていた事も アメリカでの俺の過ちもすべてを彼女に打ち明けることができた
話しながらだんだん涙ぐんできた俺を彼女は優しく抱きしめて背中をさすりながら言ってくれた
「一人で辛かったんですね・・・これからは私が側にいますから・・・私が貴方を支えます」
彼女の言葉が嬉しくてボロボロ涙をこぼしながら震える手で真っ赤になった彼女の頬に触れて唇を寄せた
最上さんの存在を確かめるように何度も何度もキスの雨を降らせていく
「こんなにたくさんキスをされたらどれが私のファーストキスなのかわかりません」
「別に・・・・・・俺からのキスはすべてファーストキスにしてくれたらいいよ・・・
俺もこんなにも思いが溢れて緊張する口づけは初めてだから・・・」
蕩けんばかりの笑顔で見つめるとまた顔を寄せて今度は長くて甘い口づけを交わした
あの思い出すのも恥ずかしい誕生会の後から 俺はよく同性のタレントや芸人から親しげに声をかけられるようになった
隣で社さんはいつも不思議そうな顔をして尋ねてくるが あの日の事は口が裂けても言えないのでいつも笑ってごまかしていた
またあれから俺たちは よく二人で一緒にお酒を飲むようになった
酔うと幼児言葉で甘える俺の姿をキョーコはとても楽しみにしていて
彼女にとっての密かな楽しみとなっていたようだ
最近は他の酒豪たちとの誘いも断り できるだけ俺との時間を積極的に作ってくれるようになった
だから俺は彼女にばれないようにわざと酔ったふりをして
幼子のように存分にキョーコに甘えていたんだけどね
「キョーコちゃん だ~いしゅき」
「私もコーンが大好きですよ 酔ってる姿も 酔ってない時も」
「キョーコちゃん いつか僕のお嫁さんになってね」
「はい 楽しみにしています」
「絶対だよ」
「絶対です」
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
次の二人そろってのオフの前日、食後に寛いでいた彼女の肩を抱きよせ囁いた
「キョーコ 目を瞑って左手を出して」
「どうしたんですか?いきなり・・・」
「いいから 早く」
「こうですか?」
目を瞑って白くて細い手を差し出したキョーコにあらかじめ用意しておいたアイオライトが隣で寄り添う大きなダイヤのリングを薬指にそーっとはめた
左手薬指に感じた重い感触にキョーコは驚いて目を開けてそこにはめられたものを見つめた
「敦賀さん これは?こんな高そうな指輪・・・私・・・頂けません・・・」
「どうして?だってこの前ちゃんと約束してくれたでしょう
お嫁さんになってくれるって・・・だから忘れないように・・・この指輪は約束の証だよ」
「えっ・・・・・・・え~~~~っ あの時・・・騙したんですね!」
「騙したなんて人聞きの悪い ちょっとした仕返しだよ
いつもキョーコは俺を酔わして楽しんでるから、たまにはいいだろう?
これでおあいこだね」
「でも、これは・・・そんなつもりで言ったんじゃないですし・・・」
「いや?」
俯いてぷるぷると首を振るキョーコの顎に手を添えて自分の方に顔を向けさせた
「急がないから・・・いつかで・・・いいんだ・・・」
潤んだ大きな目から零れ落ちる涙を手の甲で拭って
蓮は眩いばかりの神々しい笑顔でキョーコを包み込んだ
キョーコは蓮の胸に自分の頭を預け下を向いて小さな声で呟いた
「いつか・・・ちゃんとお返事できるまで これを私に預からせてもらえますか?」
「もちろん!」
蓮はキョーコの肩を抱き寄せ自分の方に向けると強く抱きしめた
今度こそおわり
まさかの幼児プレイを楽しむ蓮さん
想像しただけでも笑いが・・・( ´艸`)
すみません!最後遊んじゃいました
いやあ~ちょっと たくさんのコメントに書かれていた『後編楽しみ』というプレッシャーをこんな感じでごまかしてしまいました
(;´▽`A``
もう本当 昨日は、皆様のコメントの多さにびっくり!
ケロ様!プリティ蓮さん(略してプリ蓮)の需要は多いようですよお~~
また書いてくださいねえ~~
ピコの話は少し年齢下げすぎましたが・・・ (^▽^;)
でも 書いてて自分が一番楽しかったです
魔人様 美味しい罠 御馳走様でした!
ピコはもうお腹いっぱいです!
今度は企画の方よろしくお願いしますね
楽しみにしています