まくらに残された、俺と違う色の髪。
俺より長くて、黒い。
すでに、あなたはいないのに、その髪を指に絡める。
そう、さっき、あなたの髪に手を絡めたときを思い出しながら。
すでに、そこは熱をもつ。
一度だけの情事に、物足りなさを感じ、その手で、自分を慰めるのは、もう飽きたよ、ヒョン。
仕事が忙しいのに、友達にも優しいあなたの時間は24時間では足りなさすぎる。
そんなにほっといていいの?
そんなに信用していいの?
平気な顔をしてるけど、そろそろ寂しさが限界なんだ。
素直にそう言えない俺のことわかってるよね。
きっと、あなたはそれでも構わないと平気な顔をして言うだろう。
俺が裏切らないことわかってるから。
いつか、後悔するかもよ。
ここに、違う色の髪が落ちていたら。
ヒョン……俺はもう従順な飼い犬じゃない。
携帯がなる。
「もしもし……」
「寝てないのか?」
「だから、電話にでるんだろう。」
「寂しいか?」
「寂しいと言ったら?」
「浮気するなよ。」
「浮気したらどうする?」
「好きにするがいい。」
「好きにしていいんだね。」
「おまえは必ず、俺のとこに帰るから。」
頭に来て、携帯の電源を落とす。
いつの間にか寝てしまった俺の髪を触る人……。そう、それはあなたしかいない。
「俺だけのものだ。この髪一本一本でさえ。」
※【ゆのみん企画】 髪です。
お題がでたとき、髪が、髭に見えましたぁ。
二人とも年齢とともに濃くなってますからね。
すりすりし合うのかなぁ。
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